アフリカでケチを考えた: エチオピア・コンソの人びとと暮らし (ちくまプリマーブックス 118)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480042187

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  • 「エチオピアは飢餓と貧困のイメージがつきまとっているが、ただ貧しさについ連動して、すさんでいるという印象を持ってしまうとそれは大きな間違いである」

    なるほど。貧困という言葉からは、1日の生活を送ることが精一杯というような生活をイメージしていたが、コンソの人々は生活の知恵と自信、徹底した価値観、貧しい中でも人々の品格を持っているらしい。
    本の中で面白い一節を取り上げる。「二日酔いした時はどうしたら良いか」「朝酒だ。朝にタッラ(大麦から作ったビールより軽い酒)を飲めばなおる。なおれば昼からタッジ(蜂蜜酒)がうまい。そして夜はまた繰り返す」 うん、とてもおもしろい。
    この本は私のなかの貧困のイメージを大きく変えてくれた。アフリカに「ケチ」なんてあるのかと思った事がこの本を手に取ったきっかけである。「ケチ」という言葉を「有効活用」でしか表現出来ないのが日本の文化の中にあるということだが、彼らには生きる知恵と強さがあることを学んだ。また読みたい。

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著者プロフィール

1945年7月、中国長春市に生まれる。1969年京都大学理学部植物学科、1971年同大学文学部史学科卒業。専門は民俗学および生態人類学。1971年岡山理科大学蒜山研究所助手、1983年同大学教養部助教授となる。1986年国立歴史民俗博物館助教授、1995年同博物館の教授となる。2007年総合研究大学院大学の併任教授となり、国立歴史民俗博物館の副館長に就任する。2008年大学共同利用機関・人間文化研究機構理事を経て、2010年に滋賀県立琵琶湖博物館・館長に就任し、2019年3月に退職する。現在、滋賀県立琵琶湖博物館名誉館長、国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。

「2021年 『琵琶湖と俳諧民俗誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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