コリアンタウンの民族誌: ハワイ・LA・生野 (ちくま新書 239)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480058393

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  • 「あの人コリアン・アメリカンなんだー」と普段何も考えず話していたが、海外に移住する韓国人を一括りには出来ないと気付くきっかけとなった。ロサンジェルス、ニューヨークなどのコリアンタウンについて想像を働かせることは難しかった。その反面、川崎のコリアンタウンについては何度も話を聞いた事があったため、より深く理解することが出来た。なぜ川崎市にコリアンタウンがあるのか、というような根本的な事まで知れて良かった。労働者の町だった過去があり今がある。その国や地域の民族誌について考えることが現在とつながるということは興味深い。この考え方を何か国を考える時のヒントにしたいと思う。

  • 1992年のロス暴動はなぜ起きたのか。黒人による対白人の抗議行動が、なぜヒスパニック系住民によるコリアン系商店の襲撃につながっていったのか。その問いに答えを与えるべく、LAのコリアンタウンの特徴を、ハワイや生野のコリアンタウンと比較しながら描き出していく。アメリカ社会のひとつの断面を知るには役立つが、日本のコリアンタウンについての記述は十分でない。本のタイトルと内容が今ひとつマッチしていないような気がする。

  • ハワイ・ロサンゼルス・生野に主に焦点を当て、その地に住む移民の韓国人に焦点を当て、各地でそのコリアンたちがどのように生きているか、その社会でどのような立場であるのかということを学ぶことができる一冊。

    巻末では、文化人類学者としてどう研究に切り込むべきかといった側面も語られているが、ハワイやロサンゼルスではコリアン・アメリカンというひとつの人種が形成されたことに比べ、日本に住む在日コリアンたちは日本人化するこ日本人らしく生きることでしか日本の中で地位を確立することができなかったという現実から日本が単一民族国家であることを良くも悪くも感じ、マジョリティ側がマイノリティ側を理解し受け入れようとする姿勢が大事であるということを私は一番のメッセージとして受け取った。

    また、コリアンたちの根にある両班(ヤンバン)思考や、コリアンたちがキリスト教会や大衆浴場に集まりコミュニティを形成していることなど韓国人の考えや文化も見ることができ新鮮さもある。

  • [ 内容 ]
    コリアンタウンの民族誌です。1992年のロス暴動で世界の注目を集めたコリアンタウン。
    コリアンタウンの日米比較からあらためて民族と国家のかたちを問い直す一冊です。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


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    [ 読了した日 ]

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著者プロフィール

立命館大学産業社会学部教授(エスニシティ論担当)。1958年福岡県大牟田市生まれ。九州大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。ハワイ大学政治学博士(Ph.D.)、九州大学教育学博士(教育人類学)。放送大学教養学部文化人類学助教授等を経て、現職。
専門分野:文化人類学、教育人類学

著書:
『「在日」としてのコリアン』1998 講談社現代新書
『心身一如の身体づくり 武道、そして和する"合気"、その原理・歴史・教育』勉誠出版 2008
『しなやかな子どもの心身を求めて 義務教育化された武道教育』勉誠出版 2012

「2021年 『地方都市の生存戦略 大牟田のこれからのまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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