54歳引退論: 混沌の長寿時代を生き抜くために (ちくま新書 414)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480061140

作品紹介・あらすじ

わが国の経済は低迷を続けている。多くの企業が、人員整理、賃金カットなどのリストラを敢行、中高年の雇用は悲惨な状況だ。特に、五十五歳以降の人たちに対する処遇は厳しい。多くのサラリーマンにとって、ローンや子供の教育が一段落するこの年齢。しかし年金はもはやあてにできない。本書は、かつて余生だった五十五歳以降を、高度成長期の単線・単眼的な捉え方でなく、寿命八十歳時代をベースとした人生再構築期とし、さまざまな角度から「五十四歳引退」を提唱する。中高年にあらたな挑戦を呼びかける静かな革命の書。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の経験を元に54歳引退を説いていますが、本書の前提が55歳定年であること、現在は本人が希望すれば会社側は65歳まで雇用しなければいけないこと(と言っても待遇その他の条件はそれまでとは激変するのは間違いないですが)等があり、社会環境が違っていることもありそのまま54歳引退を肯定する気には慣れませんでした(ちなみに私は54歳は過ぎています)。まぁこのような考え方もあるのかという程度の印象しか残りませんでした。

  • 役に立つとは思うけど、具体的な話は何一つ無い。

    本にする程の中身は無いと思う。

    仮説として考えるには、54歳はちょうどいいのでは?

  •  多くの会社では、55歳で最終分別のベルトコンベアーが待ち構えている。最後は自分だけが頼り、大切なことは、個人力をつけることだ。
    現在の職場ではごく当たり前のことでも、業種や国境を越えれば大きな価値を生むことがある。
    組織が主役ではなくて自分が主役の仕事を見つけよう。モノを創造すること、自分で考え自分を信じること。

  • 転職を一度経験しましたが、いずれの会社でも定年制度は残っていて、早期退職制度はあるものの、昨年(2011)も定年を迎えて晴れて退職した人や、定年延長をした人もいます。

    早期退職をした場合には退職割増金は貰えますが、次の就職が見つかるまでの不安な時期を過ごすことを考えると、どちらが得なのか判断は難しいと思います。

    この本では定年(60歳)の5年ほど前にある最終選抜の前(54歳)に、自分から会社に別れを告げて独立すべきだと推奨しています。

    一つの会社に最後まで働き続けるのも、これからも続く傾向だとは思いますが、以前と異なるのは、年金生活?に入る前に、それまでの経験を生かした会社を数社ほど転職するのが多くなることでしょう。

    この本の著者は、読書対象者を40代前半までを想定して、独立するまでに何を準備すべきかを解説しています。残念ながら私は40代後半なのですが、人脈や自分の能力、資産をどのようにして確保すべきかについて、考えてみる良い機会になりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・1970年当時の男子平均寿命:69歳のときに多くの企業では、55歳定年制がしかれていた(p20)

    ・多くの企業では、55歳という年齢を従業員のひとつの分岐点と位置付けている、経営層、定年まで貢献を期待される人、そうでない人に分類する(p25)

    ・40代後半、50代前半の人の引退準備期間は限られている、30代後半から40代前半がこの本の読者層ターゲット(p30)

    ・サラリーマンを引退して、組織に再び入ることはアリだが、組織と対等な契約関係を結べるよう力量が個人に備わっていなくてはダメ(p83)

    ・リストラで業務に大ナタを振るう大企業が、多くのミニビジネスを切り捨てている。引退した人はこのようなビジネスを拾うべき(p96)

    ・54歳引退!という強い意志を持つには、本当に自分の残り半生を打ち込めるような仕事を探すこと(p104)

    ・究極の自分探しは海外にでること、異文化の中に自分を晒して自分自身を見つめる(p121)

    ・異文化理解の一歩は、その土地の気候風土をよく観察して体験する、第二が、歴史を知ること(p125)

    ・海外勤務となったら、最低3年は駐在すること、それくらい住まないと仕事には慣れないし、その土地の文化が理解できない(p130)

    ・サラリーマン個人の持つ能力は自己完結型ではない、何事も他人に頼らないことがサラリーマン引退へ向けての基礎体力養成となる(p147)

    ・引退を決めたら、出向(できれば社長)を目指す(p151)

    ・早期退職優遇制度は、主に団塊の世代をにらんだ時限立法、彼らが片付けば消えゆく制度である(p165)

    ・引退に向けての周辺強化とは、カネ(金脈)とヒト(人脈)である(p180)

    ・1999年の全国消費実態調査によれば、家計資産に占める宅地資産の割合は61%、住宅資産を加えると75%に達する(p188)

    ・引退準備にあたっては、家族(特に妻)との話し合いに基づく理解が大事である(p190)

    ・現在の職場では当たり前のことも、業種や国境を越えれば大きな価値を生むことがある(p211)

    2012年2月11日作成

  • 自分は現在51歳。転職、資格、第2の人生設計など真剣に考えなければいけないと思う。自堕落な生活を改善しなければならない。

  • [ 内容 ]
    わが国の経済は低迷を続けている。
    多くの企業が、人員整理、賃金カットなどのリストラを敢行、中高年の雇用は悲惨な状況だ。
    特に、五十五歳以降の人たちに対する処遇は厳しい。
    多くのサラリーマンにとって、ローンや子供の教育が一段落するこの年齢。
    しかし年金はもはやあてにできない。
    本書は、かつて余生だった五十五歳以降を、高度成長期の単線・単眼的な捉え方でなく、寿命八十歳時代をベースとした人生再構築期とし、さまざまな角度から「五十四歳引退」を提唱する。
    中高年にあらたな挑戦を呼びかける静かな革命の書。

    [ 目次 ]
    第1章 なぜ五十四歳引退なのか
    第2章 戦えないジャパニーズ・ビジネスマン―ピカピカでなかった国際人
    第3章 五十四歳引退の決意とタイミング―五十歳引退のはずが…
    第4章 引退して何をすればいいか―的を絞るのは得策か?
    第5章 まずは自分探し―「自分探し」は「自分晒し」から
    第6章 めざせ海外駐在員―日本で得られないものを得る
    第7章 個人力の磨き方―サラリーマンだからこそできること
    第8章 引退準備としての転職―大転換の前の小転換
    第9章 引退に向けての周辺強化―セーフティネットは自分で張ろう
    第10章 五十四歳までに引退しよう―最後の本音のメッセージ

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著者プロフィール

ふせ かつひこ
1947年生まれ。
一橋大学卒業後、総合商社に勤め、
十五年間の海外勤務を含め、国際ビジネスに従事。
2002年より著作活動を始め、下記のように
世代論、日本人論などを中心とした新書や
貿易実務書など著書多数。
古代の物流にも関心を持ち、
近年、日本列島を取り巻く海辺各地を取材。
古代史関連の著書に
『元商社マンが発見した古代の商人たち 歴史新書』
(洋泉社、2012年)がある。他、著書に
『54歳引退論―混沌の長寿時代を生き抜くために
 ちくま新書』(筑摩書房、2003年)、
『島国根性を捨ててはいけない 新書y』
(洋泉社、2004年)、
『アフリカに賭ける―ある商社マンの痛快人生』
(彩流社、2010年)、
『最新版 世界の資源地図』(岩本沙弓との共著、
青春出版社、2011年)、
『世界が見た日本人 もっと自信を持っていい理由
 日経プレミアシリーズ』(大賀敏子との共著、
日本経済新聞出版社、2014年)、
『なぜ世界の隅々で日本人がこんなに感謝されているのか
 PHP新書』(大賀敏子との共著、PHP研究所、2016年)、
『貿易実務の基本と仕組みがよ~くわかる本[第4版]
How-nual図解入門ビジネス』(秀和システム、2017年)
など。

「2018年 『海の古代史 幻の古代交易者を追って』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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