- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065902
作品紹介・あらすじ
在日中国人は、いまや韓国・朝鮮系を上回って最大の外国人勢力となり、北京五輪の際には聖火リレーが行われた長野に、数千人が巨大な五星紅旗を掲げて結集した。GDP世界第二位の座を日本から奪った中国は、日本の優良企業や不動産を買い漁る。尖閣諸島漁船衝突事件では、領土的野心を剥き出しにした。このままでは日本は中国の華夷秩序に呑み込まれてしまうだろう。近代以降、経験したことがない新たな脅威から、日米同盟だけで果たして日本を守れるのか、日本はどう対峙すべきか。感情論ではなく、事実を踏まえて日中の戦略を検証する。
感想・レビュー・書評
-
98ページ「中華思想がDNAに刷り込まれた中国人」など、冷静さを欠く記述が散見。
土地や水資源の買い漁りとか、人口侵略的な、日本国内の中国人が、いざ日中間で何かあれば北京の指令でなにかしでかすとかいうのは、潜在的脅威としては確かに事実としてあるのだろうが、推測や決めつけ、感情論が多くて、あまり質の高い論説ではない。
中国や中国人の現在の意図はわからないが、そういう風にも使えるという点で、土地やら人やら、中国関連の国内の潜在的脅威というのはたしかにいっぱいあるんだろうな。
疑問なのだが、潜水艦の浮上航行って示威行動なのか?
超限戦の話はなかなか面白かった。武力行使によらず、武力攻撃に匹敵する威力を持つと。
1990年代初頭の中国は、国の中央機関ですら、ロビーは明かりがなく、冬でも省エネのため暖房を使えないみじめな有り様が見られたが、それを体験した世代が、続々と中央機関のトップ層に就きつつある。中国の対外膨張に向けた尽きることのないパワーは、こういうところからも来てるんだろうな。
対米従属しかできないのか、とか、中国の忍び寄る脅威とか、言いたいことはわかる部分もあるのだが、ちょっと感情的な内容だったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
覇権国家の存在、好むと好まざるに関わらず、主権国家として適切に対処していかなくてはならない。
中国の台頭は目覚しいものがある。近世における屈辱。鄧小平の「韬光養晦」を経て、胡錦涛の「国家動員法」、「超限戦」の時代へと大きく様変わりしている。
中国と接する国々が如何に、中国の圧力と戦っているか。
アメリカの干渉、アメリカ一辺倒の日本の政治家、官僚を一掃しなければ日本の未来はない。
大川周明の大アジア主義をきちっと再考すべき時代である。 -
・政冷経冷 時代に入った中国と日本の関係
・中国と周辺諸国の関係
・中国の行動の背景
を論述しています。
この本を叩き台に自分で調べるための目次としてはいいかと。
ただ、(アメリカを)『拒否できない日本』同様に文体が過激なので、鵜呑みにはできません。 -
中国を端緒として日本が置かれている外交状況が分かる本。中国の「法律戦」「心理戦」「世論戦」の「超限戦」は歴史的な覇権主義を感じる。が、何も日本の国益を妨害しようとしているのは中国だけではなく、米国が戦後日本に影響を与えている。でそのきっかけを与えた第二次大戦は、米国によって日本が引き込まれたのではなく、綿花貿易で国内の打撃を受けた英国によって巻き込まれたということがかなり驚いた。他の文献でも確かめたい。
著者は原子力を外交のカードとして使用したいようであるが、先の震災でその可能性は難しくなってしまった。
著者の考えでは以前国家は大きな力を持っているが、近年のジャスミン革命や、中国でさえも新幹線の事故でネットが世論を動かしたことがあるため、今後も引き続き国家が力を持つこととなると思うが、徐々にその力の影響力は弱まるのではないかと思う。今後の世の中は以前よりも明るい事を願う。 -
TOPPOINT 2011年3月号より。
日本と中国、色々勉強になります。 -
マスコミの視点の偏向を嘆息する箇所が数多くあったが,同感できるものが殆どだ.民放TVの金太郎飴のような低俗番組を作っている輩に読ませたい本だ.
-
この手の本が最近多い気がするが、どうかと思う。いわゆる「中国崩壊論」だ。完全には否定しないが・・・ただこの本に書かれている現状をどう受け止め、判断するか。大事なことがたくさん書いてある。水源のこと(21世紀は水戦争が起こる!と思う)、原子力のことなどなど。あとこういう本を読むと中国が嫌いになります(笑)
-
中国問題のみならず、日本のエネルギー問題にも踏み込んだ、今この時期こそ読んでおきたい良本。あとがきの決意も心に響いた。
-
中国とはどういう国なのか?中国人とはどのような思考回路を持っているのか?それを知るだけで日本が中国とどう付き合っていかなければならないかが分かると思う。自分も長野の聖火リレーを実際に現地で見たので中国との関わり方についていろいろ考えさせられた。あの日、長野の地にはためいた大量の五星紅旗の光景は今でも忘れることができない。