身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書 1157)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 152
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068590

感想・レビュー・書評

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  • 6年かけて読み終えたことになります。いろいろな本を読む合間に一章ずつ、少しずつ読んできて、ついに読み終えました。
    難しい本ではないので、そんなに長期間で読まずに一気に読んだ方が良いようにも思います。スズメ、カラス、ハト、ツバメ、ハクセキレイ、コゲラについて書かれてます。
    この本の嬉しいところは、緩い感じ。都会に暮らす鳥を語ると文明についても語ることになっていきますが、そうすると~べきだという論調になりがちだと思います。しかし、その押しつけがましさが微塵もない。世の中には多様な事情があるのだから、その事情を考えないといけない、ということがあるのでしょうか。鳥と人、自然と人、文明と人との適切な距離の取り方、ということをそれとなく教えてくれているように思います。
    6年前、この本を読み始めてすぐ買った双眼鏡でずっと窓外を飛び、木に憩う鳥を見てきました。世界が広がる本です。
    都会や市街、庭について語った言葉ではありませんが、「ゆったりと、ほこほこと、がちゃがちゃ、が同居した空間です」という言葉が印象に残ります。素敵な空間だと思います。

  • スズメ以外の鳥は名前がよくわからないので、しばらくはハクセキレイとコゲラに注意して街を歩いてみよう。

  • 鳥類(特に雀)の研究をされている著者による良書でした。身近な鳥たち…雀、鳩、烏を中心に燕、ハクセキレイ、コゲラを加えた鳥たちに対する愛情が感じられる記述で、面白く読みつつ、大変に参考になりました。鳥の生態は興味深く、その観察は面白いですね。…と同時に鳥と人間の生活との共存についても考えさせられます。

  • Twitterで筑摩書房をフォローしていたら「鳩が雀をほうり投げる瞬間!」と題された画像(本書p105掲載)が流れてきて、何だこれは⁉︎と笑ってしまったのがきっかけで手にした一冊だ。スズメ、カラス、ハトは勿論のこと、ヒヨドリもムクドリもセキレイも、春先の梅にメジロの姿を見ることもあるし、自転車通勤の川沿いを行けば、カモ、サギ、カワウの子育てコロニーに出会う。都市に棲む野鳥を見て楽しんでいる。それで、人間と人間以外の動植物の共生を考えるとき、著者が第6章で述べている考え方には共感することが多数。

  • 2015-12-26

  • 鳥。スズメ。ハト。カラス。ツバメ。ハクセキレイ。コゲラ。
    身近な鳥の生態を、人の立場とも関連して紹介。
    この本を読んでいる日に、家の庭で初めてハクセキレイを発見し、とてもタイムリー。可愛かった。
    気合を入れてバードウォッチングをしなくても、身近な鳥を眺めるだけでも十分に楽しめる、と思わせてくれる良い本でした。

  • 2015年12月刊。タイトルの「身近な鳥」とは「街(都市)に住む鳥」という意味。ほとんどのページを、スズメ・ハト・カラスの3種類に割いているという、普通の野鳥本とは一味も二味も違う本。他の本に載っていないような内容が盛りだくさん。街(都会)と人と野鳥の関係を深く掘り下げている点がとても興味深い。

    ◆【引用メモ】ハトの仲間では、こういった(親鳥がヒナに餌を与える)シーンを撮ることは不可能です。なぜなら、ハトの仲間は、なんとミルクで子育てをするからです。(中略)ミルクを出す場所は、食道の一部です。(p.112)

  • 「本格的なバード・ウォッチングもいいけど,実は街中にいる身近な鳥たちにも目を向けてみると,結構楽しいよ」ということで,スズメ,ハト,カラスをはじめとする街の鳥の生態について紹介された1冊。著者の茶目っ気たっぷりの解説に,何度も笑った。ところどころ,おおらかな説明があるけれど,そこがまた何ともお茶目で。帰り道が楽しみ♪

  • 詳しく書かれているのは、スズメとハトとカラス。特にカラスの生態を興味深く読んだ。カラスってガァガァうるさいし、悪さばっかりするし、迷惑千万!と思ってきたけれど、ちょっと気をつけて観察してみようかな。そういう気持ちにさせる優しい書き方だ。

    「第6章については、書くのに覚悟がいりました」とあとがきにあるが、ここが一番おもしろかった。人間の身近にいる鳥については、軋轢が生じやすい。その解決策を考える際の基本方針が三つあげられていているのだが、なるほどなあと納得できるものだ。
    「都市では人間本位で考える」「良く言えば寛容、悪く言えば曖昧な線引きをする」「控えめに鳥と接する」
    それぞれの詳しい説明は省くが、「初めから、ほどほどのところでやめておけば、ルールなど作らなくてすむことが多い」という考え方に共感する。これって鳥に限らず、いろいろな場面で言えるのではないかなあ。 

  • スズメ、カラス、ハト、ツバメの本。
    読み物なので、これから興味をもって観察してみようかな、って人にオススメです。

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著者プロフィール

北海道教育大学函館校国際地域学科 教授

「2020年 『はじめて学ぶ生物文化多様性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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