モンゴル人の中国革命 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480071828

作品紹介・あらすじ

内モンゴルは中国共産党が解放したのではない。清朝、国民党、共産党と草原の民はいかに戦い、敗れたのか。日本との関わりを含め総合的に描き出す真実の歴史。

感想・レビュー・書評

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  • 中国革命ってなんのことかと思ったら、先の大戦を利用した国民党と共産党の内戦のことだった。

    かつて世界を席巻したモンゴル人の悲哀。
    なんでこんなに「堕ちる」と普段から背筋が伸びる方々が、いかに、その時代に翻弄されたか。
    「抗日」がうまく利用されたことに、申し訳なさを感じる。

    所詮、笑顔で近づいて、軒の端っこを貸してと言ってくる彼らに、気を許してはいけないという歴史の著述である。

    ただ、読みづれー。文章が。
    人の名前が覚えられん。

  • モンゴル人の立場から描いた20世紀前半の中国の歴史といういうべきか。しかし、著者は「中国の歴史」とするのは反対するであろう。
    歴史の見方というのは、立場を変えれば一変するという好例である。

  •  本書前半のムクデンボーと徳王、後半の奇玉山。いずれも歴史書というより、悲劇に終わった英雄譚のようだ。日本、国民党、共産党のどの陣営についた又は反抗したモンゴル人でも、民族の誇りと自決への渇望は共通だと本書から伝わってくる。書名どおり、一般的な中国近代史とは全く異なるモンゴル人の革命史があると感じた。
     また、少なくとも著者の少年期にはこのような歴史はモンゴル人に広く共有され、2000年代にもまだ生き証人は存在していた。父が共産党側にいたからこそモンゴル人の著者は教育を受け今の立場があるのではとも想像するが、もしそうならば皮肉だ。

  • 東2法経図・6F開架 B1/7/1364/K

  • 222.6||Yo

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著者プロフィール

1964年南モンゴル・オルドス高原生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。専攻は文化人類学。博士(文学)。著書に『「中国」という神話』(文春新書)、『墓標なき草原――内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店・司馬遼太郎賞受賞)、『日本陸軍とモンゴル』(中公新書)、『逆転の大中国史』(文藝春秋)など多数。

「2018年 『モンゴル人の中国革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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