明智光秀と本能寺の変 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480072412

作品紹介・あらすじ

下克上の時代。なぜ明智光秀は織田信長を討ったのか。私怨だったのか、朝廷か足利義昭か、徳川家康の陰謀だったか……戦国ミステリーを明智の人生で読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 大河ドラマを楽しむために読んだ一冊。できる限り良質な史料から読み解いた本。
    でもそういうものからだと分からないことも多いのですね。

  • 明智光秀の生涯をたどりながら、本能寺の変を考察した本書。

    論理的に書かれていると感じた。

    資料批判を行いつつ、先行研究も参照している。

    特に、光秀の単独犯説に集約したのは、面白味はないが納得できた。

    まぁ、光秀だけが謀反を起こしたならともかく、他にも散々信長はそむかれているのだから、確率は高くなっていたのだろう。

    たまたま光秀だけが届いた、と言うことなのかも。

  • ひとまず読みましたで候う。

  • 明智光秀について、一次資料に基づき描写している。

  • 本能寺の変研究、最前線。更なる一次資料の発見及び読み込みで、年々研究が進んでいる。
    光秀が信長を伐った真相、やっぱ、それですよね。

  • 一次資料から明智光秀の人物像と本能寺の変を再検証。
    朝廷、幕府などによる黒幕説は一次資料にも証拠が無く、蓋然性も全く無いと喝破。
    変後の光秀の右往左往ぶりから、計画性も無くて突発的に変に及んだこと、政治的思想なども持ち合わせていなかったと結論づけている。

  • 第1章 本能寺の変の勃発
    第2章 光秀の出自と前半生
    第3章 京都における光秀
    第4章 信長と義昭の決裂
    第5章 「鞆幕府」の成立と光秀の動向
    第6章 光秀の大躍進
    第7章 本能寺の変「陰謀説」に根拠はあるか?
    第8章 光秀の最期

    著者:渡邊大門(1967-、神奈川県、日本史)

  • まぁある意味全く面白くない内容。
    でも色々探ってみたところ、一人の人間の思いつき的な後先考えない思い詰めた行動だったという結論は、凄く凡人の共感を呼ぶし、すっきりした感はあります。辛かったんだろうなぁ、、、光秀。
    そう考えると本作、労作だなとも思います。

  • 著者は、本能寺の変についての陰謀説をことごとく退け、光秀の単独犯、しかも、周到な準備などはなく決行直前に突発的に決断した大博奕だった、と言い切っている。その動機についても、二次史料等に基づく不安説(家康の饗応役解任や光秀による家臣引き抜きへの叱責、長宗我部元親の取次役更迭、秀吉の台頭/光秀の零落など)は誤りであるとした上で、将来への漠とした不安やストレスが光秀を突発的に謀叛へ導いた、としている。

    確かに、著者の論理は筋が通っているが、二次史料を信が置けないとしてバッサリと切り捨て、また、一次史料の幾つかについても疑問を呈しつつ、自説を断定的に述べているところにちょっと違和感を感じた。結局、どうあがいても史実を正確に突き止めることは不可能なのだから、これは戯れ言、これは作り話、と断定されてしまうと、却って著者の見識を疑ってしまう。むしろ、二次史料に創作話が盛られているのであれば、その背景を考察して欲しかった。

    なお、光秀の前半生について、
    ①光秀は土岐明智氏の出身ではなく、美濃の土豪クラスではなかったか。
    ②光秀が越前・朝倉氏に仕えた可能性は低い。
    ③光秀は藤孝に仕え、同時に義昭の足軽衆に登用された可能性が高い。
    と推測している部分や、「意外なほど信長は保守的であり、天皇に対する奉仕も怠らなかった」という指摘、正親町天皇は譲位して上皇となり「治天の君」として院政を敷くことを望んでおり、信長の譲位の勧め(新天皇即位の儀式や大嘗祭の費用負担込みの申し出)に喜んでいた、との解釈などは、なかなか面白かった。

  • 昨年から今年にかけて読んだ、明智光秀本3冊目。

    明智光秀について、信用出来る一次資料と軍記物等の二次資料を紐解いて、著者の渡邊大門先生の考察を書いている1冊。

    面白かったのは、謎に充ちた光秀の前半生の話。

    土岐明智氏の出身と言われる光秀だが、名門明智氏の出身なのに義昭配下時代の身分が「足軽衆」なのは不自然、明智氏出身を自称した可能性があるって話。
    ※ただ、光秀家臣に美濃出身者が多くいるので、出自が美濃なのは正しいのではとの事。

    また、朝倉義景家臣時代も、一次資料は見つかっておらず、軍記物などで、光秀が朝倉の本拠地「一乗谷」では無い場所で暮らしていたと記されている点を指摘し、朝倉家臣は一乗谷集住が義務化されているはずなので、不自然であるとの事。

    上の2点は初めて聞いた話だったので面白かったし、本能寺の変黒幕説で有名な

    朝廷黒幕説
    怨恨説
    足利義昭黒幕説
    四国政策転換説

    の全てを、資料を元に否定しているのも興味深かったです。

    新書なので、優しめに書いてあるはずなのですが、自分には結構難しくて、読むの大変でした_(:3」∠)_

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著者プロフィール

(株)歴史と文化の研究所代表取締役。専門は日本中近世史。
『豊臣五奉行と家康 関ケ原合戦をめぐる権力闘争』(柏書房、二〇二二年)、『倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史』(星海社新書、二〇二一年)、『関ケ原合戦全史 1582-1615』(草思社、二〇二一年)、『戦国大名の戦さ事情』(柏書房、二〇二〇年)。

「2022年 『江戸幕府の誕生 関ヶ原合戦後の国家戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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