恋の中国文明史 (ちくま学芸文庫 チ 2-1)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480083326

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  • 13/09/11 中国文化史とも読める。

  • 古代中国では、儒教の広まり以後はその影響の強い中原の上流階級ほど恋愛は制限される。しかし異民族文化の相次ぐ流入に影響を受け、(一旦漢族文化に回帰した宋代を除き)恋愛感情の発露や交際は自由になっていく、というのが本書の主題である。もちろん自由と言っても現在とは比較にならないだろうが。後代から見れば、唐のエキゾチック美女「胡姫」や明の濃厚な「金瓶梅」、そして筆者が満州族の影響を受けたからこそ若い男女の同じ屋敷の中での生活を描けた「紅楼夢」の方が儒教ガチガチの文化より圧倒的に面白い。中国文化と言えば周辺国に影響を与えた「中華」の面が語られることが多いが、実は周辺文化も取り入れ続けてきたことが分かる。

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著者プロフィール

1953年生まれ。華東師範大学卒業。1988年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、1991年同大学院博士課程修了。博士(学術)。東北芸術工科大学助教授、国学院大学助教授、明治大学法学部教授を経て2008年より現職。著書に『恋の中国文明史』(筑摩書房〈ちくまライブラリー〉、1992年/ちくま学芸文庫、1997年、読売文学賞)、『近代中国と「恋愛」の発見―西洋の衝撃と日中文学交流』(岩波書店、1995年、サントリー学芸賞)、『美女とは何か――日中美人の文化史』(晶文社、2001/角川ソフィア文庫、2007年)、『夢想と身体の人間博物誌――綺想と現実の東洋』(青土社、2014年)、『時代の憂鬱 魂の幸福――文化批評というまなざし』(明石書店、2015年)ほか多数。

「2024年 『与謝野晶子の戦争と平和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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