無論初めからすっかり現今の文学(これは古代の文学に比べて、ずっと直接的にわれわれの神経に語りかけるものである)の虜になってしまわないようにしなければならない。
まして新聞を読むことに夢中になるなどもってのほかである。
(序論より引用)
ホメロスやらギリシャ悲劇にはまり、
それらがつくられた背景を知りたく読み始めた。
百年以上前のドイツの大学の講義を書籍としてまとめたものだが、
門外漢の私にとって古さは感じられず、
また考古学などの専門的な知識がなくても読む事が出来た。
それは古代ギリシャの詩や書物、演説など残されたものから
当時の文化を考察するという視点だからであろろう。
ただし、引用されている文献を読むことが前提とされており、
初めに引用したように、古代ギリシャに没頭するように心がけなければ
なかなかついていけない面もある。
(のでサラリーマンにはちょっとつらい)
この本を読んでいる間に私が手に取った本を以下に書いたので、
参考になれば幸いです。(★は頻出)
●古代ギリシャ史(ポリス)を一望できる本
『古代ギリシアの歴史 - ポリスの興隆と衰退』 伊藤貞夫 講談社学術文庫
●叙事詩
『イリアス』 ホメロス 松平千秋訳 岩波文庫★
『オデュッセイア』 ホメロス 松平千秋訳 岩波文庫★
『仕事と日』 ヘシオドス 松平千秋訳 岩波文庫★
『神統記』 ヘシオドス 廣川洋一訳 岩波文庫★
『四つのギリシャ神話 - ホメーロス讃歌』 逸身喜一郎・片山英男訳 岩波文庫
●ギリシャ悲劇・喜劇
『ギリシャ悲劇I』 アイスキュロス ちくま文庫
『ギリシャ悲劇II』 ソポクレス ちくま文庫
『ギリシャ悲劇III』 エウリピデス<上> ちくま文庫
『ギリシャ悲劇IV』 アイスキュロス<下> ちくま文庫
『ギリシャ喜劇I』 アリストパネス<上> ちくま文庫 ※絶版?
『ギリシャ喜劇II』 アリストパネス<下> ちくま文庫 ※絶版?
●その他
プラトン・アリストテレスの著作 ★
『プルタルコス英雄伝<全三巻>(抄訳)』 プルタルコス 村川堅太編 ちくま文庫★
『ギリシャ案内記<全二巻>』 パウサニアス 馬場恵二訳 岩波文庫★
『歴史<全三巻>』 ヘロドトス 松平千秋 岩波文庫★
『戦史<全二巻>』 トゥーキュディデース 久保正彰訳 岩波文庫★ ※絶版?
『ギリシャ神話』 アポロドロス 高津春繁訳 岩波文庫