オイラーの贈物: 人類の至宝eiπ=-1を学ぶ (ちくま学芸文庫 ヨ 9-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480086754

感想・レビュー・書評

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  • 高校生から大学初等の方々にぜひとも読んでもらいたい本です。これ程素晴らしい数学書はなかなかお目にかかれないと思いますよ。皆でオイラーの公式の美しさを堪能しましょう!

  • 数学の教科書。高校まで、いやずっと使える。

  • 数学の世界が拡がる。高校生の時に読んでおくと大学数学に取り掛かり易いと思う。

  • (2005.10.08読了)(2002.08.07購入)
    副題「人類の至宝e(iπ)=-1を学ぶ」
    「博士の愛した数式」(小川洋子著、新潮社、2003年)の中で出て来た博士の愛した数式とは、オイラーの公式と呼ばれるものでした。eのπi乗に1を足すと0になるというものです。
    このオイラーの公式を著者の小川さんは、以下のように表現しています。
    「果ての果てまで循環する数と、決して正体を見せない虚ろな数が、簡潔な軌跡を描き、一点に着地する。どこにも円は登場しないのに、予期せぬ宙からπがeの元に舞い下り、恥ずかしがり屋のiと握手をする。彼らは身を寄せ合い、じっと息をひそめているのだが、一人の人間が1つだけ足し算をした途端、何の前触れもなく世界が転換する。すべてが0に抱き留められる。オイラーの公式は暗闇に光る一筋の流星だった。暗黒の洞窟に刻まれた詩の一行だった。」(176頁)
    このオイラーの公式について、数学の基礎から積み上げて、オイラーの公式の証明まで、学べる本が積読の中にあったことを思い出し、探したがなかなか見つかりませんでした。しばらくして他の本を探している時に見つけたので、読もうと思いながらも、本格的な数学の本なので、じっくり時間をかけないと読めないと思い、今年の夏休みに田舎に持ち帰り、主要なところは読みました。本論300頁の後ろに付録が120頁もついているので、今までかかってしまいました。
    オイラーを大辞林で引くと次のようにでていました。
    オイラー[Leonhard Euler](1707-1783) スイスの数学者。変分法の創始など解析学を中心に多くの功績を残すとともに力学(剛体に関するオイラーの運動方程式)・天体力学などにも貢献。その名を冠した公式・用語が多数ある。
    18世紀の数学者です。200年以上前に分かったことでも、現代の一般の人には、簡単には理解できないことがあるということを知るのも大事なことではないでしょうか!
    本の裏表紙には、次のように書いてあります。
    「代数、幾何、解析。数学の多くの分野はただ一つの式に合流し、そしてそれを基点に再び奔流となって迸(ほとばし)る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環:オイラーの公式。ファインマンは「これはわれわれの至宝である」と嘆じた。」
    自然対数の底eのことをネイピア数というのだそうです。円周率はπ。円周の直径に対する比の値。虚数はi。i²=-1。二乗するとマイナス1になる数です。プラスの数だけが数だと思っている人もいるでしょうし、プラスの数とマイナスの数だけが数だと思っている人もいるでしょう。虚数は、名前からして本当の数じゃないと思っている人もいるかもしれません。ところが数学の世界では、もちろん物理の世界でも、虚数は正の数や負の数と同等の数なのです。オイラーの公式は、本当は、以下の形なのだそうです。
     e(±iθ) = cosθ± i sinθ
    括弧の中は累乗です。eのiθ乗と表現したいのですが、僕のワープロソフトの知識ではできないので、簡略化させてもらいました。この形が、指数関数、三角関数の知識が必要な所以です。θの部分が、πになった形が、e(iπ)=-1です。移行すればe(iπ) + 1 = 0となります。
    学校では、代数、幾何、解析は、それぞれ相互に関係のない数学の分野という形で教えているかのようですが、オイラーの公式は、相互に深い関係があることを教えています。
    高校で微分、積分まで学習した人が、数学の世界を自己学習で体感しようという場合にこの本は役に立つように思います。
    藤原正彦さんの本でも紹介している、インドの天才数学者のラマヌジャンの発見した、πの近似値を与える式も紹介してあります。

    著者 吉田 武
    1988年 京都大学工学博士
    2000年 「虚数の情緒:中学生からの全方位独学法」で第16回技術・科学図書文化賞最優秀賞受賞

    (「BOOK」データベースより)amazon
    代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、そしてそれを起点に再び奔流となって迸る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環:オイラーの公式。ファインマンは「これは我々の至宝である」と嘆じた。本書は、この公式の理解を目標に、数学の基礎を徹底的に解説して、三万部を越えるベストセラーとなった独習書『オイラーの贈物』の完全文庫化であり、増補改訂版である。記述は極めて丁寧かつ平明であるため、意欲溢れる中高生の副読本としても好適である。

  • これは良いです。絶賛お薦め。
    理系の大学生にはこれを副読本にすることをお薦めします。

著者プロフィール

京都大学工学博士(数理工学専攻)。

「2021年 『はじめまして数学リメイク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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