宗祖ゾロアスター (ちくま学芸文庫 マ 23-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087775

作品紹介・あらすじ

ゾロアスターは多くの姿と名をもつ。預言者、魔術師、占星術師、ザラスシュトラ、ゾロアストレス、ツァラトゥストラ…「古代神学」の系譜ではモーセやピュタゴラスと並ぶ賢者としての、さらにはイエスの降誕を伝えたとされる東方三博士のはるかな祖先としての、下ってはニヒリズムの超克者たるニーチェの分身としてのゾロアスター。幾多の宗教批判者、さらに聖典の探索や儀礼の調査に赴いた東洋学者や探検家も、この謎に満ちた開祖のイメージをさまざまに彩った。本書は、ヨーロッパによるアジア理解の歴史の中にゾロアスター像の変遷を辿る、類のない文化史=精神史の試みであり、この著者にして初めて書きえた意欲作である。

感想・レビュー・書評

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  • 1章、2章はヨーロッパにおけるゾロアスター伝説の形成と近世における実像の探求について。後半の3章、4章でゾロアスターの(伝説的)生涯とゾロアスター教の歴史が概説される。全般的に神秘と謎のイメージから離れようとするものではないが、そのようなアプローチにおいては学問的に誠実でコンパクトな入門書として機能しているように思われる。参考文献リストあり。

  • 拝火教という言葉からイメージしていたゾロアスター教は間違っていた。
    一神教に初めて辿り着いたのはアブラハムかもしれないが、ゾロアスターはすでに一神教を意識していたようだ。

  • 2003-07-00

  • これは人物史ではない。書物の中に現れた人物をいかにして発掘してきたかの人々の手つきを記した本である。
    特に西洋人のそのアグレッシブさには、なかなか頭が下がる。それはゾロアスターの為に探されたのではなかった。

  • 西洋から見たゾロアスターの受容史の集大成。

  •  ゾロアスター教に関する入門書。ゾロアスターの伝説から教義、その聖典アヴェスターの解読への道のり。後世の人がゾロアスターに対してどんな感情を持っていたかを解説する。今でも謎のヴェールに包まれているゾロアスター教を理解するための足掛けとしてとても重要な本。

  • ツァラトゥストラとも言われる拝火教教祖の姿を追う。私は宗教を問われると拝火教徒と答える(←ウソ)。

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著者プロフィール

アフガニスタン文化研究所所長。
1957年名古屋大学文学部卒業。1975年より和光大学教授(アジア文化史・思想史)。2003年和光大学退職、名誉教授。東京藝術大学・帝京大学客員教授。
1964年名古屋大学アフガニスタン学術調査団一員として初めてバーミヤンを訪れ、以来アフガニスタンほか、西アジア、中央アジア、南アジアの古代遺跡の実地調査を行う。現在は主にアフガニスタンに関する文化研究を進めると共に、2003年7月から開始されたユネスコ日本信託基金に基づくバーミヤン遺跡の保存・修復の事業に参加している。

「2021年 『アフガニスタンを知るための70章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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