明治の話題 (ちくま学芸文庫 シ 22-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090362

感想・レビュー・書評

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  • 初めて知ったひと
    本当に楽しく読める、そして気持ち穏やかになる名随筆だ

  • とにかく作者の半端ない知識量に圧倒されっぱなしだった。
    明治の文学、ニュース、流行や、政治の人間関係まで、作者の愛する明治時代へと、縦横無尽に私たちを連れ出してくれる。

    師匠・寒川鼠骨の師匠にあたる、正岡子規やその周辺の人々の、ちょっとしたエピソードが楽しかった。
    「図書館」の一節、
    (図書館を利用すると、)どんな本を借りてもかならず誰かがすでに目を透していることに驚くが、そういう単純な事実も図書館を利用しなくてはわからないのだという。
    これも、上野図書館に日参して、独学に励んだという柴田の素直な感情なのだろう。
    じわりじわり、味のあるよい本だった。
    ゆっくり一年ほどかけて読むのに適していると思う。
    百年ほど前の日本の、優しい一面が見えた。

  • やたら高いと思うのだが、この人の本だと迷わず買ってしまう。それだけ魅力的なのだ。この本を読んでいると、明治ってあんがい最近なんだな、と自然に思えてしまうところが不思議なような不思議でないような。

  • 柴田宵曲の文章はほのぼのとします。こういう明治なら好きだなあ。
    とはいえ宵曲は明治30年生まれ。内容は各書物の引用という随筆の王道スタイル。実体験ゆえの生々しさがないせいでそうおもうのかな。
    明治についての本というと雑学を集めたものが多いのは、それだけ体系的に捉えるのが難しいのでしょうか。

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著者プロフィール

1897年、東京生まれ。ホトトギス社で句集の編集に携わり、俳人・寒川鼠骨に師事した。江戸学の祖・三田村鳶魚にまつわる編集作業でも知られ、『子規全集』全15巻、『三田村鳶魚・江戸ばなし集成』全20巻などに携わる。怪異・妖怪にも深い関心を持っていた。著書に『古句を観る』『評伝 正岡子規』(岩波文庫)、『柴田宵曲文集』全8巻(小沢書店)、『明治の話題』『明治風物誌』(ちくま学芸文庫)、編書に『奇談異聞辞典』(ちくま学芸文庫)、『幕末武家の回想録』(角川ソフィア文庫)など。1966年没。

「2022年 『完本 妖異博物館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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