アレクサンドロスとオリュンピアス: 大王の母、光輝と波乱の生涯 (ちくま学芸文庫 モ 15-1)
- 筑摩書房 (2012年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480094490
作品紹介・あらすじ
アレクサンドロス大王の母、オリュンピアス。彼女は、蛇をあやつる怪しい密儀に没頭し、妖艶な魅力でマケドニア王フィリッポス2世の心をとりこにした魔性の女なのか。息子アレクサンドロスに狂おしいまでの愛情をそそぎ、その世界帝国建設を遠くから見守りつづけた賢母なのか。それとも野心と権力欲に衡き動かされて、夫の暗殺を背後であやつり、王族の女性たちを次々と手にかけて殺した稀代の悪女なのか。激動の時代を毅然と生きぬいた大王母の波乱と悲劇の生涯を通して、古代地中海世界の真実に迫る。
感想・レビュー・書評
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資料や参考文献としてだけではなく、物語として、小説的なものとしても十二分に楽しめる。
アレクサンドロス大王の背後で絶大な権力を握った彼女、オリュンピアスの波瀾に満ちた生涯。事実は小説よりも奇なりとは言うが、読むだに苛酷にすぎるが、彼女の生きざまがまざまざと浮かび上がり、アレクサンドロスの押し隠された一面を想像させてくれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書文庫
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アレクサンドロス本人の本は多いけれど母親の本は見かけないので読んでみました。
外交上の必要性とは言え、一夫多妻制は弊害が多いなぁ…が一番の感想かも。
『ギリシア人』では無い民族がギリシア世界で生きていくために王家の先祖をギリシア神話の神々や英雄に求める一方で一夫多妻制と言うペルシア的な制度を導入する状況がやや奇異に思えましたがアジアとヨーロッパの二つの世界に挟まれた小国にはこれが生き残る道なのでしょうか。
全体的に読みやすく面白かったです。が、文献や資料が少ないから仕方が無いのでしょうが『著者としてはこう思いたい』的な記述が目に付きました。他の考え方の研究者の本も読んでみたくなります。 -
漫画『ヒストリエ』 (アフタヌーンKC)を読み、興味を抱いた古代アテネ時代。
アレクサンドロスとその母、オリュンピアスに焦点を当てた本。
当時の人の思考は、便利化が進行した現代人にも通じるものがあるのではなかろうか?