数学基礎論 (ちくま学芸文庫 マ 41-1 Math&Science)

  • 筑摩書房
3.90
  • (2)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480097637

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 集合概念は数学の基礎とされながらもいまだに不完全で不安定。優れた知性を総動員しても現実として得られるものが果たして何なのか予想もつかない。それを追求する数学基礎論は常に成果を追求してやまない現代社会にはなじまない学問領域である。人工知能との関連性も期待感として述べられているが頭の中でまだ交点が結ばない。ゲーデルの不完全性定理がもたらした衝撃は人間の知性の限界そのものではなく限界というものを理解し分析する重要性であった。それは知りたいとは思うが考えたいとは思わない。知ることと考えることは違う。

  • 記録

  • さまざまな集合論を含む数学基礎論について,当分野の有名人によるまとめであり,俯瞰するための一読した。

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22793165

  • 簡潔な記述で、ある程度この分野に親しんだことのある人にはわかりやすいが、初心者向けではない。解説がまた査読のコメントみたいで初心者にはかえって毒(誤読しやすい)。

  • 数学基礎論の入門書です。集合概念の説明に始まり、そこから発生するパラドクスとその解決策として公理論を導入しています。ZFC公理系を詳しく説明し、古典論理から直観主義に基づく直観論理、ファジー論理など応用についても解説しています。ゲーデルの不完全性定理も漏れ無く登場します。数学はこの定理によって証明可能性に限界があるのかと思っていましたが、そうではないと書いてあって驚きでした。ZFC公理系に「無矛盾である」とする公理を付け足し、さらに付け足した新たな公理系もまた「無矛盾である」と付け足しを繰り返し行うという発想があることに目から鱗。本書に書かれている通り、集合論を基点とする数学の本質はその自由性にあるという事実に思わず納得してしまいした。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

筑波大学名誉教授・東京工業大学名誉教授、理学博士。1927年 東京都生まれ。東京大学理学部卒業。東京教育大学教授、筑波大学教授、東京工業大学教授、放送大学教授などを歴任。主な著書に『線型代数学入門』(内田老鶴圃)、『記号論理入門 新装版』(日本評論社)、『数理論理学序説』(共立出版)、『数学基礎論入門』(朝倉書店)などがある。

「1989年 『数学概説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

前原昭二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×