フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480098542

感想・レビュー・書評

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  • フランシス・ベイコン、怖い絵を描く画家というイメージしかなかったけど、この本読んで絵の見方が変わりました。
    デヴィッド・ボウイの選ぶ読むべき100冊のうちの1冊です。日本語で読めるものを少しずつ読んでますがこのリストは今のところハズレなしです。

  • 苦手意識のあったベイコンだったが、これで一気に好きになった。
    この歪んだ顔は、ポストインターネット(もうこのタームも古臭く感じてしまうが)じゃないか。
    ●「私の望みは、対象をとほうもなく歪めて描くことです。ただし、歪めることで、かえってリアルな姿かたちの記録へと回帰するのです」
    ●「十七のときです。はっきり覚えています。舗装道路に犬の糞があって、それを見ているうちに突然思ったのです。これだ、人生とはこういうものだ、と」

  • 画風と裏腹に律儀で堅実な印象の画家ですね。
    いや、むしろ逆か。とも思ったり。
    自分も絵を描くので共感しつつ、勉強しつつ。
    非常に良いインタビューだと思います!
    @LIEB BOOKS, 名古屋

  • 彼の絵を実際にみないで、インタビューを読んでるなんて!
    彼は説明的な絵(illustration)を嫌っているが
    インタビュー読んでから絵を見るのは、
    直接神経組織に伝えたい彼の絵の目的にかなわない行為。
    彼の頭に浮かぶイメージに近づけるために、作為的に写実的な形を歪め、絵の具を投げつけ偶然性を利用しているのだなと、絵を見るよりも事前情報が意識に行ってしまう。 直接神経に届く前に意識に囚われてしまう。(彼の主張)

    絵を見なくとも、彼がやりたいことを知れてよかったと思う。
    私は、彼の作品はキュビスムに影響されたものかと思っていたが違った。
    歪ませ方には 厳密な計算があり、ここを歪ませたのはこういう理由があり、鑑賞者にこういう効果を与える、というような作品かと思っていた。

    “理由” “論理” は、疑ってかかりその理由論理は合ってるのか、無理な論理、理由にならない理由ではないかと自分で検証しなければいけない。 鵜呑みにしたら騙される。

    歪ませる理由は、歪ませた絵が直接訴えかける(強い絵)になるからだ
    直接訴えかける絵はどういうものかは、描いていく中で探し続ける。 ってさ。あぁ そうかと思った。
    直接訴えかける強い絵の基準は彼の中にある
    だから 彼にしか分からない絵なのだ
    論理や理由が 他者が理解できるものでなく
    彼にしか分からないものだ そうか。

  • 「芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです。」

    この一言ほど、フランシス・ベイコンという画家の特質を表している言葉はないかもしれない。奇妙に歪んだ肉体、快楽と苦痛に溢れた男性同士の性行為ですら表現対象とするその過激さ、画面を超えて伝わってくる叫びのシーンの描写など、ベイコンの絵画を特徴付けるモチーフは様々にあるが、そのどれもが彼なりのやり方で現実を表現しようとしているが故のアプローチであるのは、間違いがないだろう。

    我々はベイコンの絵画を前にして、ただひたすらに画面を通じて伝わってくる苦痛や恐怖を自らの心中にしまい込むしかない。現実が人々を時に容赦なく残酷に陥れるように、我々はベイコンの絵画から残酷さを感じ、そこから逃れる術はない。

  • 2018年6月10日に紹介されました!

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著者プロフィール

1924年、ロンドンに生まれる。美術評論家。執筆活動およびキュレーターとしての展示企画を通してアルベルト・ジャコメッティ、ヘンリー・ムーア、ルネ・マルグリットからフランシス・ベーコン、ルシアン・フロイドにいたる20世紀の重要な芸術家の作家評を確立。ヘンリー・ムーア財団評議員、テート・ギャラリー評議員、アート・カウンシル・オブ・グレイトブリテンのアドバイザー、パリ国立近代美術館の作品購入委員会メンバーなどを歴任。1993年、第45回ヴェネツィア・ビエンナーレではベーコン没後1年の回顧展キュレートにより金獅子賞受賞。2001年没。

「2018年 『ジャコメッティ 彫刻と絵画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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