つくられた卑弥呼 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480098917

作品紹介・あらすじ

邪馬台国の卑弥呼は「神秘的な巫女」だった? 明治以降に創られたイメージを覆し、古代の女性支配者達を政治的実権を持つ王として位置づけなおす。

感想・レビュー・書評

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  • 現在広く定着し、そのイメージにおいてほぼ誰もが疑わずに同じ答えを述べるであろう「卑弥呼」。
    彼女ははたして、「政治は男が行い、女は巫女」という社会の「神秘的な未婚女性」という古代支配者だったのか。
    その疑問を軸に近代化によって固定されてしまった卑弥呼像を、魏志倭人伝の読み直しや日本書紀や風土記の女性支配者との記述の照らし合わせ、古代の戸籍、古墳の被葬者の男女差などによって洗い直す。
    それは、「男と女を分ける」歴史の流れの見直しでもあった。

    昨今よく耳にし、叫ばれるようになったジェンダー問題。
    それが卑弥呼のイメージにまで及ぶという。
    個人的に印象に残った項は、日本書紀の雄略天皇(ワカタケル)と倭人伝の卑弥呼の対比でした。

    歴史を読む上で知らず知らずのうちにかけている現代男女差の眼鏡。
    それを取り払うきっかけになると思います。

  • 第1章 『風土記』の“女”を読む
    第2章 『魏志』倭人伝の“女”を読む
    第3章 飯豊王の物語を読む
    第4章 ジェンダー記号としての「ヒメ」を読む
    終章 卑弥呼像の創出

    著者:義江明子(1948-、大阪府、日本史)

  • 『つくられた卑弥呼――〈女〉の創出と国家』
    著者:義江 明子

    親本は同タイトル(2005年、ちくま新書)。
     
    【版元】
    邪馬台国の卑弥呼は「神秘的な巫女」だった? 明治以降に創られたイメージを覆し、古代の女性支配者達を政治的実権を持つ王として位置づけなおす。
    シリーズ:ちくま学芸文庫
    定価:本体1,000円+税
    Cコード:0121
    整理番号:ヨ-18-1
    刊行日: 2018/10/10
    判型:文庫判
    ページ数:224
    ISBN:978-4-480-09891-7
    JANコード:9784480098917

    [内容紹介 新書版から]
    邪馬台国の女王卑弥呼。日本人なら誰もが知っているこの女性について、教科書で「すぐれた巫女であり、人に姿を見せることもまれで、弟が彼女を補佐して実際の政治を行っていた」と習わなかっただろうか。しかし、この卑弥呼=神秘的巫女説は、実は近代に創られたものである。本書は『魏志』倭人伝のほか、『風土記』『古事記』『日本書紀』の伝承を、木簡等の新出史料や古代女性史研究の成果をふまえて丁寧に読み解き、卑弥呼を“戦う”王ワカタケルと同種の、政治的実権をもった王として位置付け直す。卑弥呼に象徴される古代の女性首長たちの実像を明らかにし、現在の女帝論議にも一石を投じる衝撃の論考。
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480098917/

    【目次】
    はじめに――卑弥呼の実像をもとめて
    第1章 『風土記』の“女”を読む
    第2章 『魏志』倭人伝の“女”を読む
    第3章 飯豊王の物語を読む
    第4章 ジェンダー記号としての「ヒメ」を読む
    終章 卑弥呼像の創出

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著者プロフィール

帝京大学名誉教授

「2021年 『女帝の古代王権史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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