- Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480430465
作品紹介・あらすじ
「仄聞するところによると、ある老詩人が長い歳月をかけて執筆している日記は嘘の日記だそうである。僕はその話を聞いて、その人の孤独にふれる思いがした」(落穂拾い)明治の匂いの残る浅草に育ち、純粋無比の作品を遺して短い生涯を終えた小山清。不遇をかこちながら、心あたたまる作品を書き続けた作家の代表作を文庫化。いまなお新しい、清らかな祈りのような作品集。
感想・レビュー・書評
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初めて知った作家さん、作品でした。自身の経験をベースに非常に丁寧に描かれた作品。いくつか同じテーマのもののあって、それでもそれぞれに少しずつ違っていて、大団円の結末で終わるタイプの短編集というよりは、人生の切り抜きとしてすごく楽しめました。犬の生活、夕張の宿が好きです
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甘く暗い本だった
紅葉が落ちる感じがした -
私小説として、個人の感じたことを淡々とつづっている。だからどうなの??歯がゆさも感じる。他の人も触れているように、ビブリアで入れ込んでいたから。
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読みにくさはあるが、ゆっくり読めば味わい深い作品ばかり。
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ビブリアの影響で読みました。確かに読みにくい所もありましたが、落穂拾いは読み進めるのにそこまで時間はかかりませんでした。
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ビブリア古書堂の事件手帖で志田のお気に入りとして登場。
私小説というものは、以前に田山花袋を読んだことがあるけどその時は微妙な印象だった。小山さんは性格的に自分と重なるところがあって共感できた。なんというのか、素朴な美しさみたいなものを感じた。作中で田山花袋がすごい賞賛されてたのは「え~?」って感じだったけど。
少年時代のことを扱った作品が多くて、中勘助の『銀の匙』を読んでた時のことを思い出した。
小川洋子さんがラジオ番組の中で「少年が出てくる作品が無条件に好き」と言われていたけど、自分もそうなのかもしれない。
ビブリア関連の本をあと二冊持ってるので今年中に読みたい。 -
短編集。残念ながら冒頭から数作は、とても読みづらいのです。その山を越えると、著者の、なんというか成長後の作品達が迎えてくれるというか。他の方の感想を見なければ、頁を繰るのを止めていたかも。万人にも馴染める作品から並べてあればいいのに、と思ってしまいました。
ジャンルとしては、私小説の部類でしょうか。自分の有り様や裸の気持ちを文字にして明かすのは、勇気のある人だと思います。 -
日経新聞 2016年4月23日 夕刊、文学周辺 509
「小山は自然文化園の猿やリス、井の頭の路辺の花に癒された。」 編集委員 工藤憲雄 -
「ビブリア古書堂の事件手帖」第1巻登場作
小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』収録