半農半Xという生き方【決定版】 (ちくま文庫 し 47-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480432063

作品紹介・あらすじ

農業をやりつつ好きなことをする「半農半X」を提唱した画期的な本。就職以外の生き方、転職、移住後の生き方として。

感想・レビュー・書評

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  •  知人に薦められて読書。

     半分農業、もう半分はその人の得意なこと。
     この半々で生きていこうという著者は主張する。
     実際に京都の綾部市で、この生活を実践する著者の周りでも半分農業をやりながら、もう半分で生計を立てている。
     そういった生き方を何かぴったり当てはまる言葉として「半農半X」と定義づけた。

     生き方としての本であるため、ビジネス書ではない。
     思想はまとまっていないし、こういった思想で社会がよりよくなると、その主張はおかしくないか?という部分もある。
     しかし、現代の何かに特化しすぎた、特に東京一極集中には違和感を感じながら生きている。

     何かに特化するよりは、農業もできたほうが生活力高いよなぁ~とノンビリ構えているほうが生き方的には理想だ。
     ちなみに俺にこの本を薦めてくれた人は、ガチで一年間の農業研修中の人なので、それはもう頑張ってください。

  • 半農半Xとは、農的な暮らしを取り入れながら別で仕事をして生活を成り立たせるライフスタイルのこと。Xがあるので、半農で無理して作物をお金に変える必要がなくなる。農家は素晴らしい仕事だと思うけど、これを専業にしてしまうと、機械化や農薬などどうしても効率重視に走ってしまい、本来の農作業の豊かを享受できなくなると思った。他で収入があり生活はできるので、心の赴くままに農作業を楽しめる。とてもいい生き方だし、行き過ぎた利益主義の社会から距離感をとって豊かに暮らすことができると感じた。人間は自然に活かされていて、足るを知る大事さを知るきっかけになるだろう。あと自分達で食べ物を自給できれば、災害や物価の影響に左右されない生き方を構築できるので、個人的にどの時代においても1番基盤の強い生き方だと感じた。理想的な暮らしだと思ったので、少しずつシフトしていきたい。まずは家庭菜園から始めて、他の本なども参考にしようと思います。

    ◎参考になるページ
    13.15.30.56.60.61.150.151.184.185

  • 良書。この本の初版が18年も前であることに驚いた。ここ数年で話題になっていることの多くが随分前に語られていた。「天の意に沿って小さく暮らし、天与の才を世に活かす」すごくしみる言葉を教えられました。自分の才は何か?どう活かせるのか。小さいことからでいいのでできることを探したくなりました。

  • 本の内容は好きだし、半農半Xという生き方もさまざまな事例を見て素敵だと思った。
    でも自分がまだ人間的に未熟な部分がある為だが、少し主語が天だったり、どこか自分は宗教くさく感じてしまってあまり刺さらなかった。

    ただ社会人になって、これからの生き方を考えていく上で今までに自分の中になかったひとつの例を知る事ができてよかった。また、農業だけでは無くUターン(都会育ちの自分はiターン?)が地方にとって良いと言うこと、空田畑や民家などがあると言う事、里山ねっと、あやべと言う支援してくれる団体もあると言う事を知れて、薄々田舎暮らしも良いと思っていた気持ちが膨らんだ。

    自分は後半は少しだれてしまったが、前半はとても面白い本でした!

  • 半分の農業と半分の何か、で生きていこうと提唱する人の本の補足版。
    当時の本に紹介されていることのその後も少し紹介されている。

    生きがいとかそういった感じになってる人もいてこういう人生もあるんだなとふむふむと読み込んだ感じ。
    私には出来なさそう。

  • 刊行されてからそれなりに時間が経つけれど、繰り返し見出され直すコンセプトを提唱している本。農とXという一対は、大きく対置され、対立すると同時に補完しあい、循環する。陰陽に通ずるダイナミズムがある。この構造の安定性と、半農半Xというどうにもこなれない字面の不安定さとの関係もまた、新鮮さを失わない理由だろうか。翻訳される機会などに、造語で一語にしようかと考えたりもしたようだが、そうしなかったのは正解だろう。
    一万の物語を生み出すことというだけあって、たくさんの半農半Xの実践者のエピソードが紹介される。一方で、抽象的に概念化されるときは、故事成語のようなものが援用されて、なるほどなとは思うものの、その構造を類似概念と厳密に比較考量するようなことにはならないので、わかるんだけど物足らなくもあった。
    私も実践者となってみれば、わかるようになるのかもしれない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/744838

  • 専業農家ではなく、農業に携わりながら何かほかの仕事をする。社会とのかかわり方を複数持ちつつ、その一つは農でありたい。という提言。

  • 昔読んだ。機会があって再読。
    ずっと田舎暮らしには興味があったが、自分の場合この本に例示されているような移住は現実味はなかった。
    ただ田舎的くらしや活動の興味は引き続きあるので、拠点のひとつとして、もっと田舎に接近できれば、と改めて思った。

  • 食を保障するだけの農を営み、得意なことや好きなことで現金収入を得る。自立して自分の生き方ができる方法の提案。著者の実践の紹介が中心になる。

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著者プロフィール

半農半X研究所代表/総務省地域力創造アドバイザー/AtoZ Maker
1965年京都府綾部市生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程(メディアアート領域)単位取得退学、美術博士。フェリシモに約10年在職したのち1999年、33歳を機に故郷の綾部へUターン。2000年に「半農半X研究所」を設立し、21世紀の生き方、暮らし方として、「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱してきた。古典的編集手法「AtoZ」を使って、人と地域(集落)のXの可視化や地域資源活用のためのアイデアブック(未来の問題集)づくりもおこなう。著書に『半農半Xという生き方【決定版】』(ちくま文庫)など多数。台湾、中国、韓国でも著書が翻訳、発売されている。

「2023年 『半農半X的 これからの生き方キーワード AtoZ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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