自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫 た 83-1)

著者 :
  • 筑摩書房
4.14
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本棚登録 : 330
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434333

感想・レビュー・書評

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  • なるべく社会との関わりを薄め、できるだけ快適にゴロゴロして暮らすことを目指し実践したドキュメンタリー。

    「これはお前にピッタリの本だから読んでみて」とツッキー(友人)から紹介されて読んだ。

    結果的には、この国で生きていく上で一般的には当たり前とされているが自分には耐え難い部分や、感覚的にズレている部分はとても共感でき、同志を得たような気持ちになり元気がでた(ツッキーの予想的中)。
    ただ著者は生活の中で必要とするものが自分よりもかなり少ない(BはBasicでもある)。ここまでミニマルで淡い暮らしができるかというと疑問、というか不安がある、というかたぶん無理。

    著者のような「Bライフ」を実践するかはさておき、今の暮らしの中にある本当に必要では無いものと、それらを手に入れるために払っているコストを減らしたいという願望はたくさんの人が抱える問題だと思う。

    その問題に対してこの本では現実的な必要最低限(Basic)を目指しているが、目指す先はゴロゴロして暮らすことなわけで、目指す過程でストイックに頑張ってしまってはわけがわからない。なので極力テキトウにやるわけだが(Bはbabyish幼稚のBでもある)、そのテキトウさ加減のゆるい雰囲気が文面に滲みでていて読んでいて心地よい(リアルは色々大変なんだろうが)。

    ミニマムと快適さの狭間で薪ストーブを導入し、予期せぬ新しい喜びに目覚める下りもとても面白い。曰く、「生の火の魔力に魅了されてしまったのだ。ああ、筆者は馬鹿になってしまった。」
    自分も焚き火が大好きなので良くわかる。

    その他、現実的に問題となる法律やお金の情報や(3章)、自身がBライフを送ること、あるいはたくさんの人がBライフをしたらどうなるかなどの社会学的な考察(4章)などがあり、上記の問題に相対している人には貴重な経験談になると思う。

    人によって必要最低限は違うだろうが、それを見極めようとする作業や、現実的に無駄を減らすための行動は、この時代に生きる人には、豊かで後悔のない時間を過ごす上でとても大切なことだと思う。

  • なんか良い本だった。
    お金が無い仕事が大変などなど、心が窮屈に感じている人に読んでほしい。良い方向に気持ちが切り替わると思います。

  • 精神的に身軽でいたいという欲求で、敷地を買って自作で小屋を建てて生活していく過程

    ある種、ミニマリスト、もしくはサバイバルのような感覚で楽しく読めるが、
    実際に真似をするには難易度が高い。

    筆者の法律を読み解いたり、哲学する能力も素人には真似し難いかも。

  • こういう生き方もあると勇気づけられる本。
    林に小屋を建てて暮らすほどの意欲はないけれど著者のメンタリティは自分の普段の生活に取り入れられるように思う。

    贅沢が義務になっては本末転倒。社会保障や税金はいなす。利用できる制度はうまく利用する。など。

    最後の方でBライフが金銭的にお得かどうか、客観的に検証して疑問を呈しているのに誠実さと理性を感じ好ましく思った。

  • 簡潔に物事を正確に伝えてくれる文章。そしてそこここにキラッと光ってすぐに隠れるユーモア。

  • 2022/12/01

  • この本は「ポツンと一軒家」などの、「都会生活
    に疲れた人」にとっては、たまらなく面白いです。

    私も疲れているのかな?

    それはさておき、イメージ的にはキャンプの延長
    で、小屋を建てて一人に時間をどう楽しむのか、
    というような内面的なものを想像していました。

    しかし全く違ったのです。

    本当に物理的に小屋を建てる過程と、そこで普通
    に、限りなく普通に暮らしていくためのノウハウ
    が綴られているのです。

    しかも行政への対応までもです。

    つまり小屋と言えど、定住するための家となると
    手作りなんてもってのほか、となり建築基準法の
    遵守が必要になってくるので、そうならない為の
    対応方法なども書かれています。

    本当に土地を購入にしてサバイバル生活を送るの
    ではなく、現代の文明の力は全て利用して、でも
    定住建築から逃れるために(つまり建築基準法の
    適用)、電気やガスは引かず、ギリギリのライン
    で生活をしていくのです。

    なんだか楽しそうです。でも一生は無理だな、と
    軟弱は私は思った一冊です。

  • 家、作っちゃったんだ。家って自分で作っちゃえるんだ!作っていく過程が筋道立てて語られていますが、真面目で哲学的ですらあるのに、笑いながら読んでしまいました。土地の購入から、建てた後月2万円で暮らす老後まで、こんなに至れり尽せりだと、自分にも出来るかな、なんて妄想しちゃって、それだけでも楽しいですね!

  • 2022/08/25 読了

  • 一気に読了
    なんとなく妄想する事を実行に移した人のドキュメント
    リアルで面白い、分かりやすい、自分もやってみたくなる小屋暮らしの教科書
    トイレを自作するって大変なんだなあ

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