箱の中のあなた ――山川方夫ショートショート集成 (ちくま文庫 や-61-1)
- 筑摩書房 (2022年12月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480438539
作品紹介・あらすじ
日本文学に大きな足跡を残した夭折の天才・山川方夫のショート・ショート作品を日下三蔵氏の編集で送る全2巻。代表作「親しい友人たち」収録。
感想・レビュー・書評
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夭折の天才であると述べられている。ブラックユーモアも混ざりながら、オチも用意されてるショートショートという事で、好きな人にはハマる要素が全開であろう。また表紙もオシャレになっていて、それだけでも手に取りたくなる本でもある。2023年に改めて文庫として出版された本であるので、今後もショートショートというジャンルの幕開けともなるかもしれませんね。
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大好きな作家。
この人の作品は全体的に淡々としているような冷たさがある。でも話に引き込んでいく魅力がある。自分が一番衝撃を受けたのが「お守り」という作品。どの作品も人間の根底を暴いていくような一面があり、読んでいて少しヒヤッとする。でもこれがクセになる。この全集でなくても、買って読んでみてほしい。 -
すごく面白いけど、暗いねん。
何かじとーっと暗い。。。
ホラー要素が必要とあるけど、ホラー嫌いやねん。。泣 -
ショートショートと言われるとどうしても星新一と比べてしまう…自分の好みは星さんの方でした。
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新年1冊目はこれ!と決めてた!!
リアルに情景、人物の心緒が想像しやすいものが多く、そのためかどの話も読み終わった後に後味の悪さが残る。うわぁ〜と思うオチのものがたくさんあり、特に「予感」はそう。
「未来の中での過去」が心に残って、この話だけ何回も読んでいる。老教授の言葉が刺さる。 -
山川氏は所謂純文学とエンタメの境界領域で活躍した作家さん。教科書に採用されたこともあって、代表作と目される「夏の葬列」も〝オチ〟の後に、主人公の独白が続くという、ショートショートとしては異形なもの。巻末の座談会にもあるようにショートショートに明快な定義なんてないのだけれど。とはいえ、望まない結婚を強いられそうになっている女性の屈折と飼い猫の死を重ね合わせた「猫の死と」や、発表媒体が三田文学だという「昼の花火」が、一般的なショートショートの概念を外れているのは間違いのないところ。他にもショートショートとしては歪さを感じさせる作が多い。むしろ、きちっとまとまっている方の作が、今の眼では古さを感じさせもするので、その辺りが読みどころかも知れない。