ロシア語だけの青春 (ちくま文庫 く-26-4)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438898

作品紹介・あらすじ

東京の雑居ビルにあった「ミール・ロシア語研究所」で、一人の高校生が全身でロシア語学習に取り組み、人気語学教師になるまでの青春記。解説 貝澤哉

感想・レビュー・書評

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  • 猛烈に高校生、いや贅沢言わずに大学生でいいので戻らせてほしい!
    それができないなら、大学生の頃の自分に念を送る。
    「マンツーマン授業の後に熱が出るくらい必死に語学を勉強しろ~~~
     時間と体力を自分のためだけに使えるのは今だけ!!!一生のお願い!」

    という感じで、黒田青年とロシア語の青春を読み終わりました。
    まあ濃いこと、濃いこと。
    でも最後の方でもまだ29歳くらいの出来事だったので、本当にわずかな青春時代をロシア語とともに暮らしたんだなぁと、おそロシア。

    もう青春は遠い昔、何ならそろそろ第2の青春かという年頃の私ですが、語学に対するやる気がみなぎってきたぞ。

    ところで、ロシア語に興味を持った高校生がふらっと(じゃいかもしれないが)ロシア語研究所にたどり着ける東京という街に驚いた。

  • 言語学者(NHKの「ロシア語会話」の講師(2001、2002年度))の著者が「ミール・ロシア語研究所」でロシア語学習に励んだ日々が綴られている。

    やっぱり語学は努力と根性なんだなぁと痛切に感じました。近道なんてないんですよね(溜息

    余談ですが、現在NHKのロシア語講座はラジオだけだそうです。こういう需要を考慮するとラジオってなくならなさそうですね。

    ***************************************
    大学は英文科に進みましたがなんと大学に入るまでリスニングはほぼやったことがなかったです。よく合格できたなと自分でも驚きます。今の教育とは全然違いますね。ちなみに大学に入ってから孤独に自主勉(ヒアリングマラソン、1000時間なんて全然聞けませんでした…)しました。調べたらヒアリングマラソンは今年の1月で販売終了してました。時代の流れですね(汗

  • ロシア語に興味を持った著者が高校生から通った「ミール・ロシア語研究所」なる謎のロシア語教室の思い出を語るエッセイ。ひたすらに例文の暗唱、音読を繰り返し求められ、徹底的に発音を直される「体育会系」の教え方だったそうだけど、ものすごく力が付いたらしい。確かに言語って結局話せないと身につかないなと感じるし、実際その厳しさに見合う教室だったのだというのが読んでいてよくわかる。必死に授業についていった著者も、学生のうちからお金をもらえるだけの仕事ができるようになっているのだ!
    しかし、先生たちがここまで真剣に生徒と向き合ってくれるのはすごい。現在は閉校しているというのが残念だけど、時代を感じるテキストの話や変わり者の教室の仲間たちの話など面白く一気に読んでしまった。昔大学で学んだ語学を懐かしく思い出したりして、久々にちょっと学びたくなる。しかしこの本で嫌というほど語られるのは、語学だけじゃなくて「学ぶ」ってことは基礎をおろそかにしない胆力と継続力が必要なのである、ということなのだ!生半可な気持ちで手を出すのではなくて、まず今やっている勉強をもっとまじめにせねば、と気が引き締まる思い。やる気が出る読書だった。

  • ミールというロシア学校の体験エッセイ本。
    黒田先生ご自身が体験したお話です。
    面白くてサラサラと読めました。

  • 語学✕青春はおもしろくなるに決まっている。
    単行本は現代書館から2018年。

    奈倉有里「ことばの白地図 翻訳と魔法のあいだ」で彼女のロシア語ロシア文学への浸かりっぷりに改めておどろかされた(+どうしてスラヴ語界隈にはこういうとんでもない人が定期的に現れるのだろうと改めて思った)勢いで、こちらも読み始めた。1958年から2013年まで代々木にあったという「ミール・ロシア語研究所」に生徒として(いつしか)教師として関わった思い出をまとめた本で、語学指南書としても読める。奈倉さんや黒田先生の話を聞いていると、やはり時間をかけたインプット、好きこそものの…を地で行く熱意、地道な音読・暗唱練習などにまさる道はないのだなあと思わされ、日頃の自分の授業を反省しない訳にはいかない(とはいえ、日本に来ている交換留学生や大学院生のニーズを考えるとミール方式も万能ではないのだが)。信頼できる先生や同じ志を持った仲間、自分なりの居場所を見出してそこを中心にして生活が回っていくということこそ青春の醍醐味なのかもしれないと思えた。

  • きれいな大学で外国語を学ぶ?きれいで整った空間で外国語を学ぶのって、どのくらいリアルなんだろ。
    自分も、あの狭い部屋でなんとか道を切り拓きたいと思って毎日やってたんだよな。

    ひたすら発音と暗唱。それで十分。

  • 毎日同じお師匠さんの所へ通って、同じことを習うのである。「身につける」というのは、そういう訓練を通してのみ実現できる。

    暗唱してこなかった学習者の外国語は、底が浅いのだ。

    優秀でないわたしにできるのは、辞めないことだけだな。

  • こういう学生生活送ってみたい

  • 本当にロシア語だけだった。なぜロシア語か、なぜそこまで時間を割いてロシア語の勉強を続けられるのかという点はあまり触れられないまま、とにかくロシア語の勉強を続ける姿が清々しく、ちゃんと青春物語になってる。

  • もしかしたら、単行本も読んだことがあったかも。

    伝説のロシア語学校、ミールで学んだ著者の青春記。解説で貝澤氏が言っているように、たった半年で訛りのないロシア語の基本的会話ができるようになるなら、英語学習などにも応用できるだろう。まさしく、体育会系である。私にはとても無理だが。

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著者プロフィール

黒田 龍之助(くろだ・りゅうのすけ):1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』『世界のことば アイウエオ』(ちくま文庫)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ロシア語の余白の余白』『外国語の遊園地』『外国語の水曜日 再入門』(白水社)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『物語を忘れた外国語』(新潮文庫)など多数。

「2023年 『ロシア語だけの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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