日常生活における自己呈示 (ちくま学芸文庫 コ-53-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480511768

作品紹介・あらすじ

私たちの何気ない行為にはどんな意味が含まれているか。その内幕を独自の分析手法によって鮮烈に浮かび上がらせた重要古典。新訳文庫オリジナル。

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公共の場で他人をじっと見ない、職場と家で言葉遣いが変わる、きちんとした場であえてふざけた態度をとってみる……。私たちが日々おこなっているこうした何気ない行為や振る舞い。そこにはどんな意味がひそんでいるのか。その背景を赤裸々なまでに分析してみせたのが、カナダ出身の社会学者、アーヴィング・ゴフマンだ。本書で彼は、人を社会という舞台のなかでつねに何らかの自己像を演出しようとしている存在だとみなし、パフォーマーとオーディエンスが織りなす相互行為として日常行為を捉えなおしていく。『行為と演技』という邦題でも親しまれてきたゴフマンの代表的著作、待望の新訳。
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誰もが誰かを演じている
相互行為論の新地平を拓いた不朽の名著、新訳決定版!

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【目次】
謝辞/まえがき
序論  
第1章 パフォーマンス  
第2章 チーム  
第3章 領域とそこでの行動  
第4章 見かけと食い違った役割  
第5章 役柄から外れたコミュニケーション  
第6章 印象管理の技法  
第7章 結論  
原注/訳注
ゴフマンは触発し続ける――訳者あとがきに代えて  
索引

感想・レビュー・書評

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  • 卒論のために読んだ。読み切るのつらかったーーー。なんとなく感じていることや過ごしていることをきれいに言語化してくれている感じなのかな。なるほどと思うことが多かった。

  •  原著1959年刊。
     人が他者の眼前でふるまう際に、どのような呈示内容、どのようなやり方で「演じる」のかということを徹底的に追究する、興味深い社会学。
     極めて日常的な、「ふつうの」シチュエーションを、独特の言い回しを含んだやたらと難解な語句で執拗に記述していく冒頭部分で、思わず「そこまで!?」と笑ってしまった。・・・いやいや、笑うところではない。シモンドン『個体化の哲学』にも似た、この徹底的な「記述への意志」はまさに、学術がそうあるべきところのものである。
     ゴフマンが独特の用語で執拗に解読してゆく日常のコミュニケーションは、豊富な具体例に支えられている。じっさい、ここまで個々の事例を渉猟しながら、徹底的に思考してゆく実践は、まったく凄まじい努力の積み重ねであろう。
     そのような著者の凄まじい努力が結実して、本書は難解ではあるが日常のパースペクティヴに新しい視点を切り拓いてくれるような、すこぶる興味深く、面白い書物だ。

  • 読了日 2023/09/10

    『行為と演技』の新訳版。どうしても読みたくて、でも『行為と演技』は戦える気がしなかったので。改訳されたこの機にチャレンジした。ノートを別途取る。

  • 新訳。これは文句なしの名著よね。

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著者プロフィール

アーヴィング・ゴフマン(Erving Goffman):1922-83年。カナダ生まれの社会学者。トロント大学卒業後、シカゴ大学大学院に進み、シェットランド諸島でのフィールド・ワークをまとめた論文で博士号を取得。カリフォルニア大学バークレー校、ペンシルベニア大学などで教鞭をとる。印象管理、スティグマ、全体主義的施設といった概念を提唱し、相互行為秩序の研究という新たな探究の分野を切り開いた。著書に『アサイラム』『集まりの構造』『スティグマの社会学』『儀礼としての相互作用』など。

「2023年 『日常生活における自己呈示』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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