海を越える日本文学 (ちくまプリマー新書 149)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 37
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688514

作品紹介・あらすじ

海外での村上春樹人気のなぜ?を皮切りに、海を越える/越えられない日本文学にまつわる翻訳事情を紹介。また、日本文学が東アジアで読まれることと、欧米で読まれることの、意味の違いについて論じる。

感想・レビュー・書評

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  • ちくまプリマー新書だけあって読みやすい。
    海外にあっても村上春樹は人気だという。
    日本文学を翻訳、翻訳作品を通して見る。
    翻訳事情なども書かれている。
    また、海外で日本文学がどう受けとめられ、認識されているかも紹介する。

  • 日本語で読んでも咄嗟には理解できないもの、時代的・社会的背景がなかなか理解できない歴史もの、そのあたりが翻訳にそぐわないってのは、前にもどこかで読んだことある気がするし、なるほど納得できる。結局、日本で売れる外文が、圧倒的にエンタメ作品が強いっていうのも、そのあたりに原因を求めることが出来る訳で。とすると、純文とされながらもバカ売れして、エンタメ臭もぷんぷん漂うハルキ作品って、改めて稀有な存在。国内外を問わず既に売れっ子だけど、更なる飛躍のため、祈・ノーベル文学賞受賞。

  • 文学

  • 著者は中国出身の日本文学研究者(現在は明治大学に所属)。村上春樹の持つコスモポリタニズムは説得力がある。経済成長を成し遂げた中国の若者たちに支持される理由、またアメリカをはじめとして欧米でも読まれる理由が明らかにされる。英訳と原文を対照させることで、従来の日本文学にはなかった村上春樹の文体の特質も浮かび上がらせている。

  • 残念ながら現代中国の読書界の貧困が如実に分かってしまう。村上春樹の分析も浅薄だし、翻訳の不可能性についての例示もありきたり。著者の日本文学研究が浅いというわけでなく、実は自国の歴史文化への視点の甘さにあるのでは。

  • 勉強になりました。

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著者プロフィール

1953年生まれ。華東師範大学卒業。1988年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、1991年同大学院博士課程修了。博士(学術)。東北芸術工科大学助教授、国学院大学助教授、明治大学法学部教授を経て2008年より現職。著書に『恋の中国文明史』(筑摩書房〈ちくまライブラリー〉、1992年/ちくま学芸文庫、1997年、読売文学賞)、『近代中国と「恋愛」の発見―西洋の衝撃と日中文学交流』(岩波書店、1995年、サントリー学芸賞)、『美女とは何か――日中美人の文化史』(晶文社、2001/角川ソフィア文庫、2007年)、『夢想と身体の人間博物誌――綺想と現実の東洋』(青土社、2014年)、『時代の憂鬱 魂の幸福――文化批評というまなざし』(明石書店、2015年)ほか多数。

「2024年 『与謝野晶子の戦争と平和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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