がっかり行進曲 (ちくまプリマー新書 271)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 100
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689757

感想・レビュー・書評

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  • 子の試験問題で取り上げられたということで借りたもの。しかし、この分量で半生を描くってのは、さすがにちょっとしんどいな。それぞれの人物像もほとんど見えてこないし。それにしても、どの部分が問題になったんだろ。

  • 久しぶりの中島たい子さん。
    近頃中島たい子さんの小説を全く読んでいなかったので、こういう10代が主人公になってるものも書かれるんだなぁと意外でした。あー、でも私も持病あったから、布団から起き上がれない、学校に行けない、やりたいことがない、将来どうしたらいいか分からない、という自分はダメな人間だと思っていたので、すごく分かる。
    入院するほど大変な病気じゃないけど、急に具合が悪くなって大事な日に限って休んでしまうことが続く、というのが、本人は充分苦しんでるんだけど、中途半端に元気で中途半端に病気で、そんな自分は「がっかり」な人生を歩んでるんだと思ってしまうのだ。
    それでも、数少ない個性的な友人の存在に励まされていくんだけど。高校時代の様子をもうちょっと書いてほしかったなぁと思う。二宮先生の言葉は温かい。こんな言葉を生徒にかけてくれる教師がもっといっぱいいたらいいな。
    不登校でもさ、迷っててもさ、失敗してもさ、堂々と生きたらいいのだ。ありのままで、いたらいいのだ。
    久しぶりにビートルズを聞きたくなった。Let it be.
    タイトルの「がっかり行進曲」は、がっかりばっかりの人生だけど、それでも私たちは生きていくし、前進していく、ということかなぁ。
    小学校高学年から中学生くらいの子に読んでほしい。

  • 私はアレルギーがあるので、実花ちゃんの気持ちが少しわかる気がします。

  • あくまで中高生向けだった。

    学校、家族、そして自分に、がっかりしながら大人になっていく。
    でも実は、
    仕事、恋愛、結婚、そしてやっぱり自分…
    大人になってからもがっかりは続いていくんだよ、と思ってしまった。

  • 重い喘息持ちの少女、実花。行事のたびに発作が起き、諦めなければいけない日々に「がっかり慣れ」している。そんな実花の成長を、小学生、中学生、高校、その後と描いている。
    喘息で休みがちなせいか少し変わった子で、誰にも理解されない淋しさに気付いている。その気持ちを誤魔化せないまま成長していく苦しさが描かれていて、とても面白かった。すごく読みやすくて、中高生にオススメ。

  • 喘息持ちで、大きな行事の前になると発作が出る女の子の成長を描く。
    読みやすいし、持病がなくても学校に馴染めず、自分のしたいこともはっきりしない子は多いので、十分共感できる内容。小学校からの友達の光樹くんの、個性が強すぎて敬遠される様子もよく理解できる。
    基本的にはいい本だし、子どもにも薦めやすいと思う。
    ただ、個人的には、主人公が「旅をしてる」と胸を張って言えるというのには違和感を持った。大人だからだと思うけど。
    実家が経済的に豊かだからこういう生き方ができるわけで、貧しかったら、嫌でも働かないといけない。親も心配してないと言うけど、親の立場で言わせてもらえば心配してるに決まってる。持病のある娘がいい年して定職につかず、パートナーがいるわけでもない。仕事があってもパートナーがいても心配の種は尽きないが、それでも自分たちが死んだあとも生きていけるだろうという安心材料にはなる。
    更に言えば、簡単に登場人物を死なせないで欲しい。死なせれば、読者に衝撃を与えられるし、死んだあとの物語がまとめやすいけど、それは必要な死なのか。
    たとえ大人になって疎遠になっても、子どもの頃のふれあいは本物だったわけだし、読者は生き方が下手な光樹くんがどんな大人になるかにも興味があったはず。そこをぶちきる展開は必要だったのか。
    そこのところが納得できない。

  •  ぜんそくで学校行事の日に休むことが多い実花。教室内の様子を見る目は、「休んでしまった次の日」をすごく感じさせます。自分のこと、親のこと、女の子の友だち、男の子の友だち、いろいろ悩める中高生におすすめします。学校の先生になりたい人にも読んでほしいなとも思います。
    (一般担当/うっかり行進曲)

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