- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480805133
感想・レビュー・書評
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夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介等々の年代物の日本文庫がたくさんおいてある凧屋旅館。
そこに訪れる人々に同じニオイのする文庫を薦める若女将の円
円は本から漂うニオイがダメで本を読む事ができない。
代わりに、お客様にお勧めした本の感想を聞き、お客様は感想を話しながら、悩みが解決していきます。
最終章5冊目で、キレイに伏線回収されました。5冊目の為の4冊な印象ですが。
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「こころ」を読んでいてよかったなあと思った。
「小僧の神様」は読まねばと思った。
本にまつわる旅館のストーリー。
花屋で働くことになったエピソードも嬉しくなった。
凧屋旅館に、泊まりに行きたい。 -
凧屋旅館が舞台となる話
若女将円さんが宿泊者に薦める本は的確であった
もし、わたしが泊まったらどんな本を薦めてくれるだろうか
円さん自身が本が読めない理由や海老澤文庫の成り立ちなど解き明かしていくのも面白かった -
「5冊目」まで気を持ちすぎて、あるいは気を持たせすぎて、体力切れしてしまい、かんじんの因縁話まで身が持たず、うまく入って来なかった
でも文庫旅館なんてワクワクするな
その人にまとわりつく匂いと本ってどんなふうなんだろう
みんなその人達にとっていい匂いのする本だといいな -
図書館本。
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文庫の併設された凧屋旅館。匂いに敏感な円は宿泊客の抱えた悩みを感じ取り、同じ匂いのする一冊の本を勧めてくれる。重い展開もある中で、凧屋旅館で「本」に出会った人々が少しでも幸せな道を歩んで行けたらいいなと思う。
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この旅館の若女将は本の放つにおいに悩まされ読むことができないという特異体質の持ち主。
どんな本なのかも知らないのに旅館を訪れた悩めるお客に最適な本を選びそしてその本の感想を語らせることで気付きを与える。
不思議な力を持つ若女将の振る舞いや接客が品良く変にキャラ立ちしていないのが好印象だった。
どの章も素晴らしかったけど最終章での展開と結末は正直ここまで心打たれることになるとは思いもしなかったので驚いた。
作中に登場する本も読んだうえでもう一度読み返したい。
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霧島の旅行人山荘や、黒川温泉ののし湯、等は、本やレコード、CD等がある空間が設えてある。経営者は、街から離れた旅館故、コンサートに行くとか、大きな書店で本を選ぶとか、出来ないだろう。それ故に自分の為、子供の為それらを買い求め、文化的な物に触れようとするのだろう。旅人に、それらに触れる場所を提供してあり、心地良い空間が誂えてある。そんな旅館は、造り等もてなしに遊び心がいっぱいで…。また、そんな旅館に出会いに行こうっと。まぁ、この作品にある文庫部屋とは、まるで意味合いが違うけどね。
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読みやすくて深い内容だった。
全て綺麗事で終わらせないのがすきだった。