- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480814616
作品紹介・あらすじ
懐かしい人たち、きらめくような時間、忘れがたいできごと。みずみずしい感性で、まっすぐに自分を見つめた、のびやかなエッセイ。
感想・レビュー・書評
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お父さんが大指揮者っていうのは凄い。
娘の目から見た父親像によって、大指揮者のイメージがまた違って見える。家庭的な面や実直な人間性、逞しさや優しさなどがエピソードからにじみ出る。
シンプルでストレートな征良さんが書く文章が、またいい。 -
(2011.09.16読了)(2005.05.05購入)
東日本大震災、太平洋戦争、中東情勢、と気の重いテーマの本が続いてしまったので、ちょっと息抜きに選んだ本です。
以前、「おわらない夏」を大変楽しく読ませてもらったので、今度は、どんなのかなと思って期待して読んだのですが、ちょっとまじめすぎて、あまり楽しめませんでした。
エッセイは、著者の失敗談や並みじゃないこだわり、等が描かれていると驚きあきれながらも、楽しく読めるのですが、若さのせいか、自分をさらけ出して読者を楽しませてくれるほど、まだ自分を捨て切れていないようです。売文にはなりたくないのでしょうか。
「音楽の友」「翼の王国」等に掲載したものを一冊にまとめたものです。
三つの章に分けてあります。
第1章、思い出のむこうへ
第2章、暮らしと旅のあいだ
第3章、音楽と出会って
●雪の音(64頁)
世界の音を全部吸収してしまう、しーんとした雪の音は全身にしみわたる。音のない音。
●キックボクササイズのジョアン(100頁)
芯から優しく、それゆえに強いこと。技術に優れるだけでなく、人を思いやれること。自分を極める強さと、愛情深く優しい心を持ったジョアン。いつか私も、あんなふうに強くて美しい女性になりたい。
●バッハは癒し(136頁)
不思議なことに、バッハを弾き始めると心が安らぐように感じたんだ。僕はバッハを弾いているうちに、自分の奥底に何かの力が湧いてくるのを感じた。それは決して怒りとか憎しみとか、そういった種類の力じゃなかったんだ。
●小澤征爾(148頁)
技術的なことは私にはわからないけれど、父の音楽にはスポーツ選手のような、全力を尽くしている迫力が感じられるからとても好きだ。それはたとえどんなに静かな曲でも、地響きするようなエネルギーとなって、父の創る音楽の向こうから伝わってくる。
●鏡(175頁)
人に対する自分の態度が自分に対する人の態度となって帰ってくる。
☆小澤征良の本(既読)
「おわらない夏」小澤征良著、集英社、2002.11.20
「しずかの朝」小澤征良著、新潮社、2008.11.30
(2011年9月21日・記) -
指揮者・小澤征爾を父にもつ征良さんのエッセイ本。
読んでの感想は、とても暖かい。
幼い頃から外国と日本を往き来しているので、様々な感性を持っている著者だなと。
幼少から今までの感じたこと、家族のこと、友達のことを正直に綴られているのに泥臭くなく美しい表現で描かれている。
偽りもないのになぜだろう?と思ったら、
やっぱり音楽家である父親の影響(豊かな感受性など)を幼少の時から受けているからかもしれない。
毎日の日々を穏やかに、ささやかな美しい表現とともにこの方は生きている。
凄く羨ましく憧れます。
でも決して卑屈になるのではなく、私も今ある日々を穏やかに、そして小さな変化の幸せを感じながら、生きていきたいと読んで素直に思いました。 -
筆者の幼少時からの思い出が幾つも綴られています。
沢山の愛情を受けて育ったのだろうと思わせる、
筆者のまっすぐな人柄もあらわれています。
ヨーロッパでの社交界デビューの話は驚きました。
さすが。
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遠くても、離れていても自分の中で大切な場所ってあるなぁって思った。文章は穏やかで落ち着いた気分になります。061207