- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480816825
作品紹介・あらすじ
読書猿氏推薦! 本を繰り返し開くことは自分自身と向き合うことである。既知と未知のネットワークを創造的に発展させ、「自分ならではの時間」を生きる読書論。
感想・レビュー・書評
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読書猿さんの帯文を見て気になり、購入した。
一度目の読書は、受動的なものだが、再読は能動的、創造的なものになる。読書の創造性とは、今まで自分が作り上げてきた言葉のネットワークを、様々に組み替えて思索、創作することだ。
著者は再読をテラフォーミングに例えている。上にも書いたがこれも「読み落としや読み間違いを認識して、読者がじぶんのなかの既存のネットワークを組み換えること」だ。
また、カルヴィーノやナボコフなどを例に挙げ、どう再読するか?を紹介している。
著者の主張とは少しズレるかもしれないが、人生をかけて何度も読み返す本に出会いたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブクログと出会ってようやく2年。
読書の習慣を身につけようと「1年間で◯◯冊読む!」なんて目標を立てて、少しでも早く、一冊でも多く読もうと躍起になった時期もあった。(未だに引きずっているかも)
筆者にとっては、それは「読み捨て」とのこと。いやはや、仰る通りである。ちょっとくらい分からない箇所があっても、私はどんどんページをめくってしまう。下手したら、通勤電車の中で眠い目をこすりながら、気づかぬうちに1見開き(2ページ分)飛ばしても気づいていない。申し訳ない。。
再読することで時の流れを感じながら、自分そして作者と向き合いながら成長していくことが、真の意味の読書であるのなら、それはとても孤高な行為だ。
一方で、徒に冊数を稼いで、読書会で自慢するための「読書家ごっこ」をしている薄っぺらい自分を自覚させられた。前からウスウスと気づいていて、直視していなかったのだが、今回は正面から指摘されてしまった気がする。
ただ、指摘を受けて、絶望したわけでもなく、不快にもなっていない。いつか私にも、読み捨てを繰り返したフェーズから、じっくり読み再読もするという、新たな読書人生のフェーズへの転換点が来るのかもしれない。
ストイックな感想になってしまったが、自分が「読みたい」と思った時に読むのがベスト。だから積読も悪くないし、最初のページから順番に読む必要もない。自由な読書スタイルの可能性を知って、気楽になることが出来た。
そして、早速この本も再読したのだが、面白かった章から「つまみ食い」のように楽しませてもらった。 -
永田希(1979年~)氏は、米国コネチカット州生まれの著述家・書評家。書評サイト「Book News」を主宰し、「週刊金曜日」、「週刊読書人」、「図書新聞」、「HONZ」等でも執筆している。
本書は、『積読こそが完全な読書術である』(2020年)の続編とも言えるものであるが、『積読~』の主張は、(私なりに要約すると)「読書において最も重要なのは、世の中にある本を手当たり次第に読むことではなく、自分なりのテーマや基準で選択し、常に中身(関係性含め)を確認しつつ入れ替えなどのメンテナンスも行う蔵書(=ビオトープ的積読環境)を持つことであり、本を読むという行為はその延長線上にあるべき」というものである。
そして、本書では、端的に言えば、「読んだことがない本をできるだけ多く・速く読むだけではなく、既に読んだことがある本を再読するべき」と主張している。その主たる理由は、人の頭の中にある情報のネットワークは、時間が経てば(その間の様々な経験や情報の出入りにより)変化しており、再読した時には過去に読んだ時とは異なった情報・刺激を与えることになり、そのネットワークが更に組み替えられる(その組み替えを、月や火星の地球的環境への作り替えを指す「テラフォーミング」に喩えている)からである。そして、どのような脳内情報ネットワークを築くのかということは、現代社会において常に情報の濁流に晒されて生きている我々にとって、「どのように生きていくか」と同意の、極めて重要なことなのである。
そのほか、再読のメリットとして、①注意深く再読することにより、(初読の本を次々と読み捨てたり、再読するにしても読み慣れた部分だけを読んでしまう)「現状維持バイアス」を打破できる、②繰り返し読むことにより、その度により深い何かを見せてくれる本があることを知ることができる、③新しいジャンルに興味を持ったときに、棚卸として既読の本を再読することにより、新しいジャンルを自分のネットワークにより深く結びつけることができる、等を挙げている。
また、ショウペンハウエル『読書について』、カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』、ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの文学講義』、松岡正剛『多読術』、斎藤美奈子『趣味は読書。』等の読書術、読書論的な本のほか、ミヒャエル・エンデ『モモ』、ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』、マルグリット・デュラス『アガタ』、プラトン『パイドロス』、『国家』、トリスタン・ガルシア『激しい生』、マーガレット・アトウッド『侍女の物語』、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』等、古今の多様なジャンルの本から引用が為され、前著と同様、内容があちこちに寄り道・拡散していくのだが、それは正に著者の脳内情報ネットワークの広さを示しているとはいえ、少々読みにくさを感じた。(知識をひけらかしている、と見るのは意地悪過ぎるか。。。)
(2023年4月了) -
読むことが好きだからこそ読みたいという気持ちを大切に自然体で読書を楽しみたいと思った。読みたくなければ読まないし軽い気持ちで接する。所詮紙の上に垂らされたインク。白い四角い箱。苦しさや焦燥感で好きなことが嫌いにならないようにしたい。
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これはひどい
よくわからない内容を
よくわからない文章で書いている
再読はテラフォーミングって
なんやねん
絶望的にセンスがない
著者のプロフィール見ると
コネチカット州出身て
これ、洋書を和訳したの
ってくらい、読みにくい
タイトル買いしちゃいそうなので、
必ず、パラパラっと中身を少し読んでから
購入を判断してください -
本の読み方について論述しているのだが、考え方が合わないというか、なぜ今更そのようなことを論ずるのかが理解できない。書評欄で高く評価されていたので購入したが、当たり前すぎて、腑に落ちる意見が書かれていない。読書好きの人も、研究に携わる人も、当たり前のように多数の本を読んでいるわけで、本を読むことの意義や読み方を論理的に示されてもピンとこない。残念な内容でした。
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ネットワークを組み替えるという説明によって再読を価値付けたのは良かったと思う。
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f.2023/3/28
p.2023/3/24