俳句の誕生 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480823793

感想・レビュー・書評

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  • 「俳句の誕生」(長谷川 櫂)を読んだ。
    
骨太の俳句論です。
ここまで真剣に『言葉』について掘り下げるんですね。
    
少し長いが、印象的な部分を引いてみる。
『言葉以後の人類はこうして言葉の罠にかかってしまった。言葉の檻に閉じ込められ、言葉の鉄格子によって永遠の静寂から遠ざけられた。(中略)いいかえれば、言葉の檻に幽閉された人間がかすかに覚えている言葉以前の世界、永遠の静寂への郷愁!それこそが詩歌なのだ。』(本文より)
    
ついわかったようなつもりになってしまうが、ズーン!と深い深い世界なのだよね。
    
そういえば「切れ」については詳しく述べているが「季語」についての言及があまりなかったな。
    
お気に入りの俳句をふたつだけ引く。
《さみだれや大河を前に家二軒  蕪村》
《滝の上に水現れて落ちにけり  後藤夜半》

    あー面白かった。

  • 俳句という世界の衰退を嘆く実作者の一人。
    そして、それは俳句の再生には繋がりにくいのではないのかなーなどと思う。

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著者プロフィール

長谷川櫂
一九五四年(昭和二十九年)生まれ。俳人。「読売新聞」に詩歌コラム「四季」を連載中。朝日俳壇選者、俳句結社「古志」前主宰、インターネット歳時記「きごさい」代表、「ネット投句」「うたたね歌仙」主宰。著書に、句集『虚空』(読売文学賞)、『震災歌集 震災句集』、『沖縄』、『九月』、『太陽の門』のほか、『俳句の宇宙』(サントリー学芸賞)、『古池に蛙は飛びこんだか』、『俳句の誕生』などの俳論、『俳句的生活』、『俳句と人間』などのエッセイ、『和の思想』、『文学部で読む日本国憲法』などの日本文化論がある。

「2023年 『四季のうた 雨ニモマケズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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