- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480832047
感想・レビュー・書評
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短くて
淡々と進み
事件はないものの
凄くいい
本当にいい本だった -
登場人物それぞれがちゃんと生きてきて、年をとってきた今を描いていると強く感じだ。
別にこういう人生を送ってきた人だと理解できているといわけでなく、登場人物たちの皺とか体型とか髪型とか着こなしとかなんかそんなものを強く感じた。
なんだか微笑ましい話だった。 -
小川糸「こんな夜は」でのおすすめのご縁で読む。普通の主婦エレニと老教師クロスの両方に自分を投影できておもしろかった。
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平易な文章(訳)で書かれており、長さもそれほど長くないので気軽に読める。チェスシーンも沢山あり、チェスファンにはオススメの一冊。
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小川糸さんおすすめ
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チェスに興味があるので題名に惹かれて読んでみると、かなり面白いことが判明。
単調で静かな島での暮らしを送っているホテルの客室係の女性がチェスの才能を開花させていくお話。
静かな語りで特に大きな出来事もないのに、いつのまにか夢中になっています。
チェスをやってみたい気持ちがふくらんできます。 -
中年を過ぎた平凡に生活してきた主婦が、チェスに魅せられて夢中になる。田舎の生活と家庭を犠牲にするかもしれないほどの挑戦だ。そのようなことが私にも起こる可能性があるのだろうかと考える。そしてそのような運命ともいえる出会いが今後訪れるのだろうか。几帳面な性格などは私に似ていることもあり、人ごとに思えず、興奮して読了。他の登場人物も、周囲に存在しているような人々である、舞台がギリシアであるにかかわらず。
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地中海と、アポロン神殿の遺跡と、空の絶景。魅惑のナクソス島を舞台に、在仏のドイツ人作家が島に暮らす人びとを、詩的な表現の交じる小説にした。
主人公の女性は四十二歳で、ホテルの客室清掃係として働いている。夫は夕食を終えると出かけていき、二人の子どもは手がかからない。心の中にはほのかな、フランスへの憧れがあったのだが、パリから来た若いカップルの部屋にチェス盤を見つけてひらめいた。そうだ、夫の誕生日にチェスを贈ろう。一緒にゲームを覚えればいい。
しかしのめり込んだのは、彼女ひとり。夫に気兼ねしてチェス盤を冷凍庫(!)に隠す。島はひどく小さい。チェスのよろこびを分かち合いたいあまりに友に口を滑らせ、港じゅうの笑いものに。ところがトーナメントに出るためにアテネに行く土壇場に、今度は島の素朴さが味方するのだ。読了感がいい。
(週刊朝日 2011/4/22)