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- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480860248
作品紹介・あらすじ
星の歳時記をはじめとして、天文台をめぐる数々のエピソード、古典文学・芸術・芸能にあらわれた星空の美学など、多彩な話題を展開。星の文人野尻抱影を継ぐエッセイスとして知られる天文学者の初の随想集。
感想・レビュー・書評
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何かで見かけた『天文台日記』のタイトルが気になって気になって、いざ手を伸ばそうとしたらすれ違いになったので先にこっちへ。
和綴じ風にデザインされたカバーが古風なこれは筑摩書房版。今のところ入手しやすそうなみすず書房版がぜひ欲しい。
天文学者たる著者の寄稿を集めた1冊。専門的なことを御経か子守歌でも聴くように読むのも面白かろうと思ったのだけど、専門的なことにはつかず離れず、話題はただただ遠い宇宙の星々に終始することがない。星に惹かれた少年の頃そのままの瑞々しい感動を伝え、音楽や文学、さらに芸能の世界の星に触れ、天文台の設立とそこへ赴任してからの暮らしを綴り……ととても芳醇な文筆世界が繰り広げられていた。広く深い世界でありつつ、そこに自然と遊べるように導いてくれる語り口も、時に皮肉やユーモアを交えて、気難しくも親しみやすい。
「西国三十三か所」にある花山院のくだり、今読んでいる『幻想文学とは何か』の三島由紀夫「花山院」でリフレインして嬉しく驚いている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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