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- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480863645
作品紹介・あらすじ
拉致・核の恫喝・資源の争奪…。日本の国益はどうすれば守れるか?北朝鮮外交の最前線での実務経験を踏まえ、日本外交を立て直す。
感想・レビュー・書評
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情報を駆使すること。
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キーワードとしてはHUMINT、人的ネットワークといったところか。経済感覚・損得勘定とネットワーク概念がこの筆者の発想の根本にあると考えられる。
外交と民主主義の折り合いをどうつけるかに関しては、実務経験のある筆者はマスコミ、情報の媒介者に着目してなかなか興味深い考察を行っている。
ただ、問題点。相手国のメディアへの働きかけを議論の中心に据えているが、メディアが国家によって統制されている国に対してはどのように働きかけるのか?逆に相手の防諜にひっかかることになるのではないかという疑問が一点。二点目は、相手側からの働きかけに対する防衛策として、同国人同士での「共感」の共有と述べている。まぁ日本ならそういう議論はありかなと思ったりしなくもないが、transnationalな移動が増えるこのご時勢にどうなんでしょ。しかもその共感があれば他国による世論への働きかけは排除できると言ってるが、これは微妙だなぁ。なんらかの価値が絶対化されかねない。
総じて、学術書としてはとんでも本の域を出ない。しかし、外交に携わったものが持つ今の日本に対する違和感・問題意識などが窺い知れる。そういう意味では読む価値あり。
※外務省志望者には薦めません
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