北朝鮮外交の真実

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480863645

作品紹介・あらすじ

拉致・核の恫喝・資源の争奪…。日本の国益はどうすれば守れるか?北朝鮮外交の最前線での実務経験を踏まえ、日本外交を立て直す。

感想・レビュー・書評

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  • p.48
    本当に必要な「情報(インテリジェンス)」:

    ①その「インテリジェンス」が「作られた事実」を伝えるものなのか、「ありのままの事実」を伝えるものなのかを識別する能力(リテラシー)を持っていること[...]

    ②「インテリジェンス」を「検証」する手段を直接・間接的に有していること[...]

    ③「インテリジェンス」は「真実の伝達」だけではなく「操作」のための手段でもあり、その意味で、友人であっても「操作」の魔の手を持っている危険性があることを常に意識していること

  • 情報を駆使すること。

  •  キーワードとしてはHUMINT、人的ネットワークといったところか。経済感覚・損得勘定とネットワーク概念がこの筆者の発想の根本にあると考えられる。
     外交と民主主義の折り合いをどうつけるかに関しては、実務経験のある筆者はマスコミ、情報の媒介者に着目してなかなか興味深い考察を行っている。
     ただ、問題点。相手国のメディアへの働きかけを議論の中心に据えているが、メディアが国家によって統制されている国に対してはどのように働きかけるのか?逆に相手の防諜にひっかかることになるのではないかという疑問が一点。二点目は、相手側からの働きかけに対する防衛策として、同国人同士での「共感」の共有と述べている。まぁ日本ならそういう議論はありかなと思ったりしなくもないが、transnationalな移動が増えるこのご時勢にどうなんでしょ。しかもその共感があれば他国による世論への働きかけは排除できると言ってるが、これは微妙だなぁ。なんらかの価値が絶対化されかねない。

    総じて、学術書としてはとんでも本の域を出ない。しかし、外交に携わったものが持つ今の日本に対する違和感・問題意識などが窺い知れる。そういう意味では読む価値あり。


    ※外務省志望者には薦めません

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著者プロフィール

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役CEO。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務省に外務公務員Ⅰ種職員として入省。アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)などを歴任し、2005 年、外務省を自主退職。2007年、株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)を設立。2017年より国際商業会議所(ICC)G20 CEO AdvisoryGroupのメンバーを務める。2022年より学習院女子大学で教鞭を執る。『PAX JAPONICA The Resurrection of Japan 』を英国にて出版(2017年)。その他、日独英で著書・翻訳書多数。2023年に立教大学大学院人工知能科学研究科にて修士号取得。独自の手法により作成・提示する「未来シナリオ」は、大きな反響を呼んでいる。

「2023年 『図解でわかる! 2030年の未来予想図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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