- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480864659
作品紹介・あらすじ
沖縄のヤンキーたちはどのような現実を生きているのか。暴走族の若者たちとのつき合いに始まり、一〇年以上にわたって調査をしてきた社会学者がその全貌を描く。
感想・レビュー・書評
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うわ~この本、めちゃくちゃ読みにくかった。
なんだろう…なんかもう読んでてツライというか
ヤンキーの思考を理解するのに時間がかかるというか…
社会学者の打越正行さんが沖縄で出会ったヤンキーのみなさんにインタビューしたり、一緒に仕事をしつつ聞き取りしたものをまとめたもの。
なんというか…
親や彼氏や先輩からのDV話(これはどのインタビューでもある)やら、仲間の結束の話やら、女遊びの話やら、お金の話やら、仕事の話やら…
10年間も聞き取り調査した著者がすごい…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
決して読みやすい本ではない(論文が主軸のため)が、長期間に渡る参与観察の内容、アプローチはすごい。欲を言えば「沖縄ならでは」の事象であるのか、その部分が素人にも伝わる(他地域との比較)ように書かれていれば、もっと考えさせられる本となったのではないか。
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沖縄のヤンキーたちと深く関係を構築して得た情報が詰まっていて、圧倒的に一次情報というか、この人でなければ書けない本なんだろう、ということにとても感動しました。
本書に描かれる特有の先輩後輩の関係は会社のパワハラなどにも似ているけど、当事者には、もっと選択肢の狭さに切実なものがあるんだろうな、と思った。
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地元で、人生決まるって、極小世界すぎる。
先輩後輩の関係性の文化、異次元の話すぎて、外国の話聞いてるのかとおもった。 -
沖縄に住むようになり、もっとこの土地について
知りたいと思い読み始めた。
取り扱う内容や、インタビューの様子をそのまま
載せているのは面白かったが、何度も同じことが
書かれていたり、方言が強かったりと、少し
読みにくいように感じた。
取り扱っている内容に期待してしまっていたため
それを上回るような作品ではなかった。
ただ、インタビューの内容からはとても
リアルさが伝わってきて、作者の凄さを感じた。 -
読み物というより、やはり論文なので、少し読みにくく感じたが、自ら体験して知っていくのはすごいと思った
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上間陽子さんの著作からこの本を知り連読。このような社会学の研究法もあるのか。関与観察といっても10年も長き間に調査対象者に対して仲間として同じように仕事をして、後輩のように使われて、信頼を得ていく。社会学と文化人類学の違いはわからないが、文化人類学的な手法の様にも感じた。彼らの生の言葉を方言も交えて書かれているので、会話の理解に時間はかかるが、生の言葉だけに言葉は重い。沖縄の置かれている環境に直ぐに結びつけるのは尚早かもしれないが、沖縄の現実が彼らの生活に反映している部分はある様に読めた。
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22/02/17
知らないなら知ったほうがいい。たぶん。 -
暴走族のパシリになり、彼らが働く建築会社で一緒に働いたりしながら話を聞き出した本。一生のうち「この時」にしか書けないタイプの本であるし、同時に「彼でなければ書けなかった本」でもあるだろう。
社会学における「参与観察」では、学者たちにとって非日常的な社会、階層を対象とするので、本書のようなターゲットは定番ともいえる。だけど、21世紀初頭の沖縄というところに特質があるのかもしれない(その特質は他地域より顕著に見えやすいだけだと思うけど)。
沖縄の特質といえば、本書で女の子へのヒアリングをする際にしばしば同席する研究者仲間の上間さんって、『海をあげる』の作者の人か。
なるほど。彼女のスタンスに影響を受けると、沖縄の特質をクローズアップする傾向になるような気がする(上掲書は未読だが、インタビューの内容などから)。