政治的リベラリズム 増補版 (単行本)

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  • / ISBN・EAN: 9784480867377

作品紹介・あらすじ

多様な価値観により深く分断された社会で、私たちはどうすれば共に生きられるのか。『正義論』への批判に応え、自らの構想を刷新した、ロールズの理論的集大成!

本書は、現代世界に突きつけられたこの難問に、
〈公正としての正義〉の構想をみずから修正し、答える試みである。
〈重なり合うコンセンサス〉〈公共的理性〉〈穏当な包括的世界観〉といった
鍵となる理念を駆使し、ロールズが提唱する「正義の政治的構想」とはいかなるものか。
分野を超えて世界的なインパクトをもたらした『正義論』を刷新する
後期ロールズの理論的集大成、ついに邦訳刊行!


多様な価値観に深く分断された社会で
私たちはどうすれば共に生きられるか――

正義は、可能か?

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  • 311.1||Ra||1e

  • 東2法経図・6F開架:311.1A/R18s//K
    東2法経図・6F指定:311.1A/R18s/Tamate

  • 【目次】
    序論
    ペーパーバック版への序論

    第一部 政治的リベラリズム ―― 基本的要素

    第一講義 基底的諸理念
    第1節 二つの基底的な問題に取り組む
    第2節 正義の政治的構想という理念
    第3節 協働の公正なシステムとしての社会という理念
    第4節 原初状態の理念
    第5節 人格の政治的構想
    第6節 秩序だった社会の理念
    第7節 共同体でもなければ、連合体でもない
    第8節 抽象的な構想の使用について

    第二講義 市民の能力とその代表・再現
    第1節 道理性と合理性
    第2節 判断の重責
    第3節 穏当な包括的世界観
    第4節 公示性条件 ―― その三つのレベル
    第5節 合理的自律 ―― 人工的であり、政治的ではない
    第6節 十全な自律 ―― 政治的であり、倫理的ではない
    第7節 人格における道徳的動機づけの土台
    第8節 道徳心理学 ―― 哲学的であり、心理学的ではない

    第三講義 政治的構成主義
    第1節 構成主義的構想の理念
    第2節 カントの道徳的構成主義
    第3節 構成主義的見解としての〈公正としての正義〉
    第4節 社会および人格の構想が担う役割
    第5節 客観性の三構想
    第6節 知識の因果から独立した客観性
    第7節 政治的に言うと、客観的な理由はどんな場合に存在するのか?
    第8節 政治的構成主義の領域

    第二部 政治的リベラリズム ―― 三つの主要理念

    第四講義 重なり合うコンセンサスの理念
    第1節 政治的リベラリズムはいかにして可能か
    第2節 安定性の問題
    第3節 重なり合うコンセンサスの三つの特徴
    第4節 重なり合うコンセンサスは無関心でも懐疑的でもない
    第5節 政治的構想は包括的である必要はない
    第6節 憲法上のコンセンサスへの諸段階
    第7節 重なり合うコンセンサスへの諸段階
    第8節 構想と諸世界観はどのように関連しているのか

    第五講義 正の優先権と善の諸理念
    第1節 政治的構想はどのように善の諸構想に限界を設けるのか
    第2節 合理性としての善性
    第3節 基本財と個人間比較
    第4節 市民のニーズとしての基本財
    第5節 許容されうる善の諸構想と政治的諸徳
    第6節 〈公正としての正義〉は善の諸構想に対して公正か
    第7節 政治社会の善
    第8節 〈公正としての正義〉が完備しているということ

    第六講義 公共的理性の理念
    第1節 公共的理性の諸課題と諸フォーラム
    第2節 公共的理性と〈デモクラティックな市民としての権利・義務〉の理想
    第3節 非公共的な諸理由
    第4節 公共的理性の内容
    第5節 憲法の本質的要素という理念
    第6節 公共的理性の手本としての最高裁判所
    第7節 公共的理性が抱える明白な諸困難
    第8節 公共的理性の諸限界

    第三部 制度的枠組み

    第七講義 主題としての基礎構造
    第1節 正義の第一主題
    第2節 適切な系列による統一性
    第3節 リバタリアニズムは基礎構造に関して特別な役割を持たない
    第4節 後ろ盾となる正義の重要性
    第5節 基礎構造は諸個人にどう影響するのか
    第6節 仮想的で非歴史的な合意としての初期合意
    第7節 初期合意の特別な諸特徴
    第8節 人間関係の社会的性質
    第9節 基礎構造の理想的な形態
    第10節 ヘーゲルの批判に対する返答

    第八講義 基本的諸自由とそれらの優先権
    第1節 〈公正としての正義〉の初期の達成目標
    第2節 基本的諸自由の特別な地位
    第3節 人格と社会的協働の諸構想
    第4節 原初状態
    第5節 諸自由の優先権(1) ―― 第二の道徳能力
    第6節 諸自由の優先権(2) ―― 第一の道徳能力
    第7節 基本的諸自由はたんに形式的なものではない
    第8節 基本的諸自由の十全に適切な制度枠組み
    第9節 諸自由はいかにしてひとつの整合的な制度枠組みに収まるのか
    第10節 自由な政治的言論
    第11節 明白かつ現在の危険のルール
    第12節 政治的諸自由の公正な価値の維持
    第13節 第二原理とつながりのある諸自由
    第14節 〈公正としての正義〉の役割

    第九講義 ハーバーマスへの返答
    第1節 二つの主要な違い
    第2節 重なり合うコンセンサスと正当化
    第3節 近代人の自由対人民の意志
    第4節 諸自由の根源
    第5節 手続き上の正義対実体的正義
    第6節 結論

    第四部 公共的理性の理念・再考

    「公共的理性の理念・再考」への導入

    公共的理性の理念・再考(1997)
    第1節 公共的理性の理念
    第2節 公共的理性の内容
    第3節 デモクラシーにおける宗教と公共的理性
    第4節 公共的な政治文化についての広範な見解
    第5節 基礎構造の一部としての家族について
    第6節 公共的理性の問題点
    第7節 結論

    解説 川本隆史
    事項索引/人名索引
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480867377/

    正義論 (改訂版)
    訳者(川本隆史)あとがき -『正義論』の宇宙、探訪
    https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314010740

    思想の言葉(2022年3月号 №1175)
    ロールズ・ヒロシマ・キルケゴール(川本隆史)
    https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/5630
    ロールズ・キルケゴール・マタイ伝(川本隆史)
    http://www.fuko.co.jp/tayori/index.html

  • 第一部 政治的リベラリズム――基本的要素

    第一講義 基底的諸理念
    第1節 二つの基底的な問題に取り組む
    第2節 正義の政治的構想という理念
    第3節 協働の公正なシステムとしての社会という理念
    第4節 原初状態の理念
    第5節 人格の政治的構想
    第6節 秩序だった社会の理念
    第7節 共同体でもなければ、連合体でもない
    第8節 抽象的な構想の使用について

    第二講義 市民の能力とその代表・再現
    第1節 道理性と合理性
    第2節 判断の重責
    第3節 穏当な包括的世界観
    第4節 公示性条件――その三つのレベル
    第5節 合理的自律――人工的であり、政治的ではない
    第6節 十全な自律――政治的であり、倫理的ではない
    第7節 人格における道徳的動機づけの土台
    第8節 道徳心理学――哲学的であり、心理学的ではない

    第三講義 政治的構成主義
    第1節 構成主義的構想の理念
    第2節 カントの道徳的構成主義
    第3節 構成主義的見解としての〈公正としての正義〉
    第4節 社会および人格の構想が担う役割
    第5節 客観性の三構想
    第6節 知識の因果から独立した客観性
    第7節 政治的に言うと、客観的な理由はどんな場合に存在するのか?
    第8節 政治的構成主義の領域

    第二部 政治的リベラリズム――三つの主要理念

    第四講義 重なり合うコンセンサスの理念
    第1節 政治的リベラリズムはいかにして可能か
    第2節 安定性の問題
    第3節 重なり合うコンセンサスの三つの特徴
    第4節 重なり合うコンセンサスは無関心でも懐疑的でもない
    第5節 政治的構想は包括的である必要はない
    第6節 憲法上のコンセンサスへの諸段階
    第7節 重なり合うコンセンサスへの諸段階
    第8節 構想と諸世界観はどのように関連しているのか

    第五講義 正の優先権と善の諸理念
    第1節 政治的構想はどのように善の諸構想に限界を設けるのか
    第2節 合理性としての善性
    第3節 基本財と個人間比較
    第4節 市民のニーズとしての基本財
    第5節 許容されうる善の諸構想と政治的諸徳
    第6節 〈公正としての正義〉は善の諸構想に対して公正か
    第7節 政治社会の善
    第8節 〈公正としての正義〉が完備しているということ

    第六講義 公共的理性の理念
    第1節 公共的理性の諸課題と諸フォーラム
    第2節 公共的理性と〈デモクラティックな市民としての権利・義務〉の理想
    第3節 非公共的な諸理由
    第4節 公共的理性の内容
    第5節 憲法の本質的要素という理念
    第6節 公共的理性の手本としての最高裁判所
    第7節 公共的理性が抱える明白な諸困難
    第8節 公共的理性の諸限界

    第三部 制度的枠組み

    第七講義 主題としての基礎構造
    第1節 正義の第一主題
    第2節 適切な系列による統一性
    第3節 リバタリアニズムは基礎構造に関して特別な役割を持たない
    第4節 後ろ盾となる正義の重要性
    第5節 基礎構造は諸個人にどう影響するのか
    第6節 仮想的で非歴史的な合意としての初期合意
    第7節 初期合意の特別な諸特徴
    第8節 人間関係の社会的性質
    第9節 基礎構造の理想的な形態
    第10節 ヘーゲルの批判に対する返答

    第八講義 基本的諸自由とそれらの優先権
    第1節 〈公正としての正義〉の初期の達成目標
    第2節 基本的諸自由の特別な地位
    第3節 人格と社会的協働の諸構想
    第4節 原初状態
    第5節 諸自由の優先権(1)――第二の道徳能力
    第6節 諸自由の優先権(2)――第一の道徳能力
    第7節 基本的諸自由はたんに形式的なものではない
    第8節 基本的諸自由の十全に適切な制度枠組み
    第9節 諸自由はいかにしてひとつの整合的な制度枠組みに収まるのか
    第10節 自由な政治的言論
    第11節 明白かつ現在の危険のルール
    第12節 政治的諸自由の公正な価値の維持
    第13節 第二原理とつながりのある諸自由
    第14節 〈公正としての正義〉の役割

    第九講義 ハーバーマスへの返答
    第1節 二つの主要な違い
    第2節 重なり合うコンセンサスと正当化
    第3節 近代人の自由対人民の意志
    第4節 諸自由の根源
    第5節 手続き上の正義対実体的正義
    第6節 結論

    第四部 公共的理性の理念・再考

    「公共的理性の理念・再考」への導入
    公共的理性の理念・再考(1997)
    第1節 公共的理性の理念
    第2節 公共的理性の内容
    第3節 デモクラシーにおける宗教と公共的理性
    第4節 公共的な政治文化についての広範な見解
    第5節 基礎構造の一部としての家族について
    第6節 公共的理性の問題点
    第7節 結論

  • そういえば、私のようなものにいただいてしまいました!ありがとうございますありがとうございますすごいです。

  • 【書誌情報】
    『政治的リベラリズム 増補版』
    原題:Political Liberalism
    著者:John Rawls(1921-2002)
    訳者:神島裕子、福間聡
    解説:川本隆史
    発行:筑摩書房
    A5判 704ページ
    定価 6,300円+税
    ISBN978-4-480-86737-7
    CコードC0010
    初版年月日2022年1月13日

    本書は、現代世界に突きつけられたこの難問に、〈公正としての正義〉の構想をみずから修正し、答える試みである。〈重なり合うコンセンサス〉〈公共的理性〉〈穏当な包括的世界観〉といった鍵となる理念を駆使し、ロールズが提唱する「正義の政治的構想」とはいかなるものか。分野を超えて世界的なインパクトをもたらした『正義論』を刷新する後期ロールズの理論的集大成、ついに邦訳刊行!



    【目次】
    序論
    ペーパーバック版への序論

    第一部 政治的リベラリズム――基本的要素
    第一講義 基底的諸理念
    第1節 二つの基底的な問題に取り組む
    第2節 正義の政治的構想という理念
    第3節 協働の公正なシステムとしての社会という理念
    第4節 原初状態の理念
    第5節 人格の政治的構想
    第6節 秩序だった社会の理念
    第7節 共同体でもなければ、連合体でもない
    第8節 抽象的な構想の使用について

    第二講義 市民の能力とその代表・再現
    第1節 道理性と合理性
    第2節 判断の重責
    第3節 穏当な包括的世界観
    第4節 公示性条件――その三つのレベル
    第5節 合理的自律――人工的であり、政治的ではない
    第6節 十全な自律――政治的であり、倫理的ではない
    第7節 人格における道徳的動機づけの土台
    第8節 道徳心理学――哲学的であり、心理学的ではない

    第三講義 政治的構成主義
    第1節 構成主義的構想の理念
    第2節 カントの道徳的構成主義
    第3節 構成主義的見解としての〈公正としての正義〉
    第4節 社会および人格の構想が担う役割
    第5節 客観性の三構想
    第6節 知識の因果から独立した客観性
    第7節 政治的に言うと、客観的な理由はどんな場合に存在するのか?
    第8節 政治的構成主義の領域

    第二部 政治的リベラリズム――三つの主要理念
    第四講義 重なり合うコンセンサスの理念
    第1節 政治的リベラリズムはいかにして可能か
    第2節 安定性の問題
    第3節 重なり合うコンセンサスの三つの特徴
    第4節 重なり合うコンセンサスは無関心でも懐疑的でもない
    第5節 政治的構想は包括的である必要はない
    第6節 憲法上のコンセンサスへの諸段階
    第7節 重なり合うコンセンサスへの諸段階
    第8節 構想と諸世界観はどのように関連しているのか

    第五講義 正の優先権と善の諸理念
    第1節 政治的構想はどのように善の諸構想に限界を設けるのか
    第2節 合理性としての善性
    第3節 基本財と個人間比較
    第4節 市民のニーズとしての基本財
    第5節 許容されうる善の諸構想と政治的諸徳
    第6節 〈公正としての正義〉は善の諸構想に対して公正か
    第7節 政治社会の善
    第8節 〈公正としての正義〉が完備しているということ

    第六講義 公共的理性の理念
    第1節 公共的理性の諸課題と諸フォーラム
    第2節 公共的理性と〈デモクラティックな市民としての権利・義務〉の理想
    第3節 非公共的な諸理由
    第4節 公共的理性の内容
    第5節 憲法の本質的要素という理念
    第6節 公共的理性の手本としての最高裁判所
    第7節 公共的理性が抱える明白な諸困難
    第8節 公共的理性の諸限界

    第三部 制度的枠組み

    第七講義 主題としての基礎構造
    第1節 正義の第一主題
    第2節 適切な系列による統一性
    第3節 リバタリアニズムは基礎構造に関して特別な役割を持たない
    第4節 後ろ盾となる正義の重要性
    第5節 基礎構造は諸個人にどう影響するのか
    第6節 仮想的で非歴史的な合意としての初期合意
    第7節 初期合意の特別な諸特徴
    第8節 人間関係の社会的性質
    第9節 基礎構造の理想的な形態
    第10節 ヘーゲルの批判に対する返答

    第八講義 基本的諸自由とそれらの優先権
    第1節 〈公正としての正義〉の初期の達成目標
    第2節 基本的諸自由の特別な地位
    第3節 人格と社会的協働の諸構想
    第4節 原初状態
    第5節 諸自由の優先権(1)――第二の道徳能力
    第6節 諸自由の優先権(2)――第一の道徳能力
    第7節 基本的諸自由はたんに形式的なものではない
    第8節 基本的諸自由の十全に適切な制度枠組み
    第9節 諸自由はいかにしてひとつの整合的な制度枠組みに収まるのか
    第10節 自由な政治的言論
    第11節 明白かつ現在の危険のルール
    第12節 政治的諸自由の公正な価値の維持
    第13節 第二原理とつながりのある諸自由
    第14節 〈公正としての正義〉の役割

    第九講義 ハーバーマスへの返答
    第1節 二つの主要な違い
    第2節 重なり合うコンセンサスと正当化
    第3節 近代人の自由対人民の意志
    第4節 諸自由の根源
    第5節 手続き上の正義対実体的正義
    第6節 結論

    第四部 公共的理性の理念・再考
    「公共的理性の理念・再考」への導入
    公共的理性の理念・再考(1997)
    第1節 公共的理性の理念
    第2節 公共的理性の内容
    第3節 デモクラシーにおける宗教と公共的理性
    第4節 公共的な政治文化についての広範な見解
    第5節 基礎構造の一部としての家族について
    第6節 公共的理性の問題点
    第7節 結論

    解説 川本隆史
    事項索引/人名索引

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著者プロフィール

ジョン・ロールズ (John Rawls)
1921-2002年。アメリカの倫理学者。元ハーヴァード大学教授。1950年プリンストン大学にて「倫理の知の諸根拠に関する研究」で博士号取得。コーネル大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)を経て、1962年ハーヴァード大学哲学部教授に就任、哲学科主任を経て、1991年より名誉教授。ほかの著書に『正義論』(改訂版、川本隆史・福間聡・神島裕子訳、紀伊國屋書店、2010年)、『万民の法』(中山竜一訳、岩波書店、2006年)、『公正としての正義 再説』(エリン・ケリー編、田中成明ほか訳、岩波現代文庫、2020年)、『ロールズ政治哲学史講義』(Ⅰ・Ⅱ、サミュエル・フリーマン編、齋藤純一ほか訳、2020年)などがある。

「2022年 『政治的リベラリズム 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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