石の音、石の影

著者 : 舟越保武

• 筑摩書房 (1985年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[美希さんの感想 · 2012年9月21日]

先日読んだ車谷長吉の「忌中」という短編集の中に引用されていた舟越保武の文章がすごくよくて、その中の「病醜のダミアン」という彫刻作品がどうしても見てみたくて、図書館で借りた。ハンセン病患者に神父として寄り添い、それでも自分はハンセン病ではないので「われわれにとっては～」と言えないことに呵責を感じ、患者とともに生活した１０年の後、ついに病を発症しようやく「われわれは」と外からじゃない言葉を発することができた、と言うダミアン。そのダミアンの面立ちが病により崩れてしまった後の作品が「病醜のダミアン」。当の患者たちや関係者からの反対にあい、ついに表だって展示することはなかったらしい作品。車谷長吉の作品の中でも「奥にしまわれていた」というようなことが書いていた。今ではどうなのだろうか。「巨岩と花びら」という文章が素晴らしかったから作品を見たいと思った。生で見たら迫力あるんだろうな。
北海道には釧路に三点、展示されているらしい。
「長崎殉教者２６記念像」、見に行きたい。

「信仰と詩心の彫刻六十年――舟越保武の世界」という本を読んだのですが、検索で出てこないのでこちらに書かせてもらいました。

[猫丸(nyancomaru)さん · 2012/09/24]

｢検索で出てこないので｣
展覧会の図録だからですね、、、
やっぱり穏やかさと信仰の賜物なのかな？(と言いつつ無神論者の猫でした)

[美希さん · 2012/09/24]

>nyancomaruさん☆

読み応えのある素晴らしい図録なんでいろんな人に読まれてほしいんですがね～。巻末に遠藤周作も書いてるし。穏やかさというよりは激しさを感じますね。ご本人の学生時代の顔が彫刻のようでした。

[猫丸(nyancomaru)さん · 2012/09/26]

｢激しさを感じますね｣
そうなんだ、、、まぁ作られたモノと、ご本人が一致する訳じゃないですものね。
｢学生時代の顔が彫刻のようでした。｣
それが、気になります！