半径50メートルのセカイ 超日常的アイデア発見法

著者 :
  • CCCメディアハウス
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484222264

作品紹介・あらすじ

2020東京オリンピックの「聖火台」デザインで観客を魅了し、3年後の2025大阪万博では日本館の総合プロデューサーを務めるデザインオフィス「nendo(ネンド)」代表&チーフデザイナーの佐藤オオキ。
東急ハンズの全面リニューアルも話題で、ふたたび「時の人」になっている。
そんな佐藤オオキのアイデアは彼の日常における、「半径50メートル」の中で発見される。何気ない日常から”マジック” はどうやって生まれるのか。聖火台やハンズを生んだスケッチ30点も公開する。

感想・レビュー・書評

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  • nendoのチーフデザイナーである佐藤オオキさんの本。半径1,5,50メートルと自分から周りへのそれぞれの距離感で感じたことをデザインに昇華するプロセスを描かれている。

    日常のちょっとした出来事が、ふとした瞬間にデザインに結びつくオオキさんの思考回路がとても素晴らしく、本当にいつも新しい発見をさせてもらっている気分になる。

    彼こそが、本当の0から1を生み出せるデザイナーであり、思考の整理の仕方を、非常に参考にさせていただいている。

  • 【概略】
     アイデアが生まれるトリガーには、どういったものがあるのだろうか?場所なのか空気感なのか何かの媒介だったりするのか。本書では、デザイナー・プロデューサーとして活躍する著者がその生活圏を半径1メートル・半径5メートル・半径50メートルに区切り、そこから浮かび上がる「?」から筆者の挑戦とのつながりをエッセイ仕立てで紹介してくれる。

    2024年02月07日 読了
    【書評】
     本屋さんで本を手に取る時って、予備知識なく取ることが多くて。なんとなく雰囲気というか、「おっ、面白そう♪」などというなんとも抽象的な感覚が優先して。値段も見ないし。著者の経歴も、かなりの斜め読み。経歴が凄いからといって文章が面白いとは限らないしね。
     本書の著者である佐藤オオキさんという方も、ごめんなさい、全く存じ上げなくて。ジャケ買いならぬタイトル買いで手に取って読み進めた。
     「ほぅ・・・」という息をついて本を閉じた、読み終えた。なんだこの人は、なんどこの人が紡ぐ文章は。なんかね、ほどよい気候の、晴れたお天気で、少しばかりのそよ風を感じながら木漏れ日を浴びてるような、そんな感じ。「こんなリズムとワードチョイスで文章を書き綴ることができる、そんな大人になりたい!」と、既に大人の領域に入って歴の長い自分が思ってしまった。
     リズムがよいのよワードチョイスがよいのよ。具体的な話と、それにまつわる抽象的だけど一般的でイメージしやすい例えがほどよく交差されてて。デザインとか建築とか、そういったジャンルにいない自分でも、すごくイメージしやすい筆運びなのよ。
     そして、デザインとか建築といったジャンルにいないけど、いわゆる「企み」をする立場にある人達・・・イベント企画とか、コンサルティングとか・・・そういった人達は、何かしらの学びがあるよこの本には。なんかめっちゃ感動したもの。目の前に(本を読み終えるまで著者がどんな方とか一切検索とかしなかったけど、勝手にイメージして妄想して作り上げた)佐藤オオキさんや仲間の皆さんがいて、佐藤さんの話を末席で聴いているような、そんな錯覚に襲われたよ。こんなのはじめて。
     この本は、話題に出したい過去のプロジェクトに近しい日常のよしなしごとをくっつけて書き下ろしたのか、はたまた普段から日常のよしなしごとに対して何かしらのひっかかりを感じていて、そのひっかかりから「そういえばこういうプロジェクトをやったことがあって」のような形で書き綴ったのかわからない。けれど、物凄く些細な、本当に素通りしちゃうような事柄から世界を広げてるの。自分も「脱・スピーチネタ欠乏症」というワークショップで似たようなことを共有したことあるけど、そんなレベルじゃない。もっともっと・・・なんというか、妄想癖というか想像癖というか、広げ方がエグい。そして、噺家さんのような形で、誰も傷がつかないような形でストンと話を落とす。凄いよマジで。
     よく会社に入ったばかりの子達が「こんなことをするために会社に入ったんじゃない。もっと大きなことをやりたい」なんて悩みを持つこと、あるじゃない?こんなこと意味ある?みたいな作業色が強い事柄ね。佐藤さんは、そういったところに面白味を持たせることが凄く上手な気がする。こんなこと意味ある?というのが受動的な、与えられた仕事に対して自身の工夫を加えずにいるとしたならば、佐藤さんの場合はそれを能動的にとらえ、自身のテイストを加えることで面白くしてるように見える。そういう着眼点をもって本書を読み進めると、デザインとか企みとか関係のない立場の人にとっても、良いかもしれない。
     自分はデザインとか建築設計とか、そういった土俵に立ってはいないけれど、企業にファシリテーターとして関与するようになったりして、喜餅ならではのその企業の盛り上げ方を行なう立場になってしまった。すごい良いタイミングでこの本に出会えて本当によかった。
     まったく説教じみてないし、自己啓発感も皆無、でもストーリーから佐藤さんの思考回路を垣間見ることができるし、それを自身のフィールドに応用・変換することができる、そんな本だよ。もっともっと佐藤オオキさんの著書を読んでみたいと思った。珍しいよ、メルマガを自分から登録しちゃうなんて。

  • 日常生活のあらゆる事象に対する解像度の高さに驚く。
    そんなとこからデザインアイデアにジャンプするの!!?

  • 著者は、デザインオフィス nendoのチーフデザイナーである佐藤オオキさんです。
    佐藤さんはこれまでに、ローソンのロゴやボールペン、そしてTOKYO2020の聖火台など様々なものをデザインしています。
    そんな佐藤さんが、どのようにして作品を生み出してきたのか、が書かれている本です。
    結論を言えば、タイトルにもあるように、アイデアは半径50メートルの中にあると言うことです。
    この本で学んだことは、生活の中で気になったことはスルーしないということです。なぜ気になったのか、どうしてそのような状態で存在しているのか、を考えながら生活していこうと思った1冊でした。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060888

  • 日ごろの感じ方、モノの見方、こだわり。
    この違いが掛け合わさって、おおきなアイデアにつながる。

    心もちの違いか、それとも能力なのか。

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著者プロフィール

デザインオフィス nendo チーフデザイナー
1977年カナダ生まれ。2002年早稲田大学大学院修了後、デザインオフィス nendo設立。建築・インテリア・プロダクト・グラフィックと多岐にわたってデザインを手がける。作品はニューヨーク近代美術館(米)・ポンピドゥー・センター(仏)・ヴィクトリア&アルバート博物館(英)など世界の主要美術館に多数収蔵されている。TOKYO2020の聖火台をデザインし、現在は2024年稼働予定のフランス高速鉄道TGV新型車両のデザインに取り組むほか、2025年大阪・関西万博 日本政府館 総合プロデューサー/総合デザイナーを務める。

「2022年 『半径50メートルのセカイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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