- Amazon.co.jp ・本 (871ページ)
- / ISBN・EAN: 9784486019244
作品紹介・あらすじ
数学学習の"全方位独学法"を提供。ガウスが、数学の女王と讃えた整数論を主題とし、対象の理解の為に様々な手法を駆使する。「発見法的」に始め、「証明」へと進む。結果は「数値実験」により再確認され、「グラフ」により視覚化される。人物小史など内容は多岐に渡る。ラムダ計算の概要から、函数型言語の基礎までを紹介し、LISPの方言であるSchemeにより整数論を表現する。本文で語られた初等整数論の基礎が、附録ではプログラムとして与えられ、具体的な数値として議論される。函数型言語の入門書としても最適。
感想・レビュー・書評
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前半は初等整数論の解説,後半は前半で学んだことを計算機で確認するという趣向.
Scheme を使ってプログラムを書くために,Scheme の設計思想や文法についての解説が250ページもある.あまりわかりやすくもなくて,LISP 系の言語が初めての私はここでげんなりしてしまった.上手に飛ばし読みをすれば良いのだろう.その苦労の結果できたプログラムでやれることがちょっとしょぼい.
書き方もくせがあって,読み手を選ぶと思う.
私は苦手だ.
p.247 の黄金比の連分数展開は間違い.単純連分数の連分数展開は一意的だからこういうことはありえない.右辺の数の正体は Knuth たちの Concrete Mathematics のp.307あたりにのっている.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数学の棚を見ていたら「(LISPは数学へと再帰する)」だなんて帯に書かれた本があって、思わず手にとった.
「素数夜曲―女王の誘惑 」の改訂版
実際には「素数夜曲」と「女王陛下のLISP」の合作である、みたいなことが 「404 Blog Not Found」 (http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51810854.html)で言われていたけど実際そのとおりだった.
前半が「素数夜曲」、整数論について9章からなる講演という形の文章.
後半、ページ数としては半分以上が「女王陛下のLISP」で、Schemeをゼロから学ぶことができる.
前半の整数論は、第4夜(章)くらいまでは中学生でも分かるレベルでナメていたらフェルマーの小定理の辺りから理系大学生のはずの自分でも難しく感じた.丁寧に書かれているので根気よく、というよりも一気に読み通すような気合を見せずにのんびり読むつもりでいればきっと小中学生でも理解はできるんだろう.
後半のSchemeは帯にも書いてあったが「関数型言語の入門書としても最適」だそうで、関数型の理念がたしかに勉強できる.ただSchemeかぁ.Schemeは自分は丁度一年くらい前に学校で習って、たしかにその時は良い言語だと思ったけれど、デフォルトでカリー化してくれるOCamlやらHaskellを知ってしまって、改めてSchemeに触ると(lambda ...)が入れ子になって面倒だなあ.Scheme自体へのディスりになってしまったけど、
付録という形を取った後半「女王陛下のLISP」は付録AからDまでの4つに分割されており、A~Cは所詮Schemeの勉強の為の文章である.最後のDは、 これまた分厚くページ数はA~Cを合わせたのと同等ではなかろうか、内容はSchemeによる数学実験である.これも一気に読むものではないと思う.少しずつ、今日はこれ、明日はこれを試してみよう、と.そういう読み方がいいのではなかろうか.たぶんすぐに飽きてしまう.
それと、この本の中で定義された関数があとになって再利用したりするので一度写経したものは保存しておくとよい.
これはネタバレだが、タイトルもサブタイトルもパロディだったのですね.元ネタはおそらくコレだろう、と見つけたけれど聞いたこともないものだった.
驚いたのは、Schemeの組み込みにfilterが無かったということ. -
数学鈍器本
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素数の話からフィボナッチ数列、フェルマーの最終定理と、神秘的で気になっていた理論が分かりやすく読みやすく書かれています。高校生の頃読みたかったな。
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数学の女王たる数論についての教科書である。同著者による「素数夜曲・女王の誘惑」の改訂版となっているが、LISPの方言であるSchemeのプログラムによって数論を表現するという話題が大幅に加筆されており、情報系の学生にも興味深い内容となっている。(電子情報学専攻)
配架場所:工2・図書室
請求記号:412:Y86
◆東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2003069649&opkey=B149033358712615&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0 -
やっと読み終わる。さすがに900ページはあろうかという数学書はタフである。
前半の講義の部分は素数から始まる整数論だが、最終的に虚数まで届く。後半はその前半の講義内容をプログラミングという形で実装していく。
プログラミングがわからなくても、このような方法を使っていくんだなと感じるだけでも十分である。 -
本書の本質とは全く関係ないないが、本文に登場するプログラムはEmacs + Gauche で検証されたものとのこと。タイトルはLISPだがSchemeが使われている。