イタリア・ルネサンスの巨匠たち 1 フィレンツェ絵画の先駆者

著者 : モニカ・キエッリーニ 野村幸弘

• 東京書籍 (1994年5月1日発売)

感想・レビュー・書評

[veneziaさんの感想 · 2013年9月26日]

この『イタリア・ルネサンスの巨匠たち』シリーズはチマブーエに始まる。それはひとえに16世紀の人ヴァザーリが『芸術家列伝』を「チマブーエ伝」から始め、「絵画芸術に最初の光明をもたらした画家」としたからにほかならない。ただし、チマブーエについては13世紀後半に活躍したこと以外はほとんどわかってはいない。また、残された壁画類は残念ながら損傷も褪色も激しい。板絵は幸いにも状態はいい。ビザンチン・ゴシック様式からルネサンスへの飛翔とはいうものの、その滑走路へ向かう途上といったところか。向こうには煌めきが見えている。