veneziaさんの感想
2013年9月27日
シリーズも3巻に入ったが、依然としてプレ・ルネサンスの段階である。この巻で取り上げられているマザッチオは15世紀前半に生きたが、伝記的には不明な部分も残るし、残された作品の総数もけっして多くはない。代表的な作品としては、フィレンツェのブランカッチ礼拝堂の壁画群だろう。彼の絵はトータルに見れば、未だゴシック様式にとどまっているようでいながら、部分を見ると、そこにルネサンス絵画を発見する。そのような絵だ。特に人物の顔の表情にそれが顕著に見いだせるようだ。