くらべる日本 東西南北

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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487811281

作品紹介・あらすじ

好評の「くらべる」シリーズ最新刊。今回は日本全国をくらべてみた。ご当地あるある決定版。

感想・レビュー・書評

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  • おかべたかしさんの本の7冊目。
    先ずこの表紙画像をよーく見てみて。
    どちらも「スコップ」と呼ぶけど右の大きい方は関東版。
    左の、子どもが砂場で遊ぶような小さいものが関西版。
    シャベルもそれぞれ逆で、本書ではその解説が掲載されている。

    そもそもの発端は「似ていることば」↓↓に記載された記事から。
    https://booklog.jp/users/nejidon/archives/1/4487808944

    それが話題になってこの本が出されたという流れ。
    「くらべる東西」↓↓
    https://booklog.jp/users/nejidon/archives/1/4487810337

    ではどんな解説かと言うと、以下がそれ。
    『工業規格の規定やメーカーの定義には「足をかけられるものがシャベル、足をかけられないのがスコップ」で「シャベルは掘るもの、スコップはすくうもの」というものがあるらしい。これに従うと関西の方が使い方としては正しいようにも思うが、関東版がなぜ逆になったのかは分かっていない』というもの。
    いや、それ以前に関東と関西のボーダーがどの辺りかが曖昧。
    何となく愛知県(日本海側は福井県)あたりかと思い込んでいたら、県民の意識も微妙に個人差があったりする。でもこれは謎のままの方が興味深いようにも思える。
    皆さんはいかが?

    ということで、今回は31項目。
    いつもながら着眼点の面白さにつられて読むことになる。

    「すあま」という和菓子。
    全国区ではなかったということにむしろ驚き。
    関西の人が見るとかまぼこに見えるらしい。
    ほんのり甘くて、強いて言えば「ういろう」をもっとあっさりさせたような。
    その「ういろう」は、実は山口県でも名物らしい。

    そして「かまぼこ」の板が西と東で違う。
    板の香りがかまぼこに移ることを好む関西では「吉野杉」を使い、香りが移ることを嫌う関東では匂いの少ない「もみの木」などが使用されるという。

    丸くて白い岡山のきび団子。
    ところが北海道では細長くて茶色い。
    それぞれ謂れもあるので「ええ?変!」なんて言わないようにね。

    その北海道では「坊主めくり」という遊びがないらしい(!)。
    全国的な百人一首では上の句から読んで紙の札を取るが、北海道では下の句だけを読んで木の札を取る。その木札に絵が描かれていないため、坊主めくりがないのだとか。

    大阪の定食はご飯とお味噌汁が縦に並び、東京は横並び。
    東京人は大阪の食堂で並べ直し、大阪人は東京でやはり並べ直す。
    食習慣というのはなかなか取れないものなのね。

    丸型の多い関西のつり革。三角が多い東京都のつり革。
    女性専用車両も関西は終日適用で、関東は平日のラッシュ時のみ。

    西日本に多い石垣の城。東日本に多い土塁の城。
    石垣をつくる技術集団を秀吉に縁のある武将たちが抱え込んだかららしい。
    徳川と縁の深い大名が多い東日本では、防御力の高い石垣をつくる必要性がなかったからというのがその理由。ここで登場する丸亀城が、それはそれは美しい姿だ。

    個人的に思い出すのは、沖縄のコンビニで肉まんを買った時「酢醤油は付けますか?」と聞かれたこと。九州地方は肉まんに酢醤油をつけるけど、沖縄も同じだったとはね。
    ちなみに「からし」を付けるのは関西だけ。関東はそのまま食す。(西の方、豚まんの話ね)

    前回も載せたけど、くれぐれも優劣をつけないように。
    多様性という面白さを味わい、文化の豊かさを学ぶのが本書の目的。お醤油の味比べのコラムなんてすごく面白いから読んでみてね。

    • 夜型さん
      nejidonさん猫さん、ごめんなさい。
      気が付けませんでした。

      麦茶にお砂糖は僕が通っていた塾の先生が言ってました。それは、母がそ...
      nejidonさん猫さん、ごめんなさい。
      気が付けませんでした。

      麦茶にお砂糖は僕が通っていた塾の先生が言ってました。それは、母がそういう飲み方をしたと言っていたのを不思議に思って聞いてみたのです。
      あ。僕は麦茶にお砂糖は入れて飲んだことがないのです。麦茶に牛乳でコーヒー牛乳は小さい頃にやったような記憶がありますが。

      心太は、酢醤油が好きくなくて、糖蜜が好きでしたね。供する際には酢醤油ばかりであまりそういう食べ方が出来ませんでしたが。

      たこ焼きはマヨネーズはかけず、ソースだけ。
      エビ、チーズとベーコンなどを入れた変わりたこ焼きなども好きです。
      たこ焼き器メーカーで、パンケーキ作る時の素で甘いケーキたこ焼きを作った時は面白かったですよ。
      中に小さいプリンとかトリュフチョコレートを入れたりして。
      2020/10/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      nejidonさん 夜型さん
      色々思い付き猫なので、気になさらず、思い出された時に、、、
      「麦茶」幼子のために少し甘みを加えるのか、昔?...
      nejidonさん 夜型さん
      色々思い付き猫なので、気になさらず、思い出された時に、、、
      「麦茶」幼子のために少し甘みを加えるのか、昔?は今のようにソフトドリンクが少なかったからかな?
      『みをつくし』で知った江戸の「心太」ですが、一本箸に驚いてます。。。
      猫家で「たこ焼き」入れるのは、タコと天カス。青ネギ・紅ショウガ少々(入れたり入れなかったり)。至ってシンプル。
      仔猫の頃はタコの代わりにチクワが入っていたりしました(貧乏だから?)、、、
      2020/10/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      nejidonさん 夜型さん
      色々思い付き猫なので、気になさらず、思い出された時に、、、
      「麦茶」幼子のために少し甘みを加えるのか、昔?...
      nejidonさん 夜型さん
      色々思い付き猫なので、気になさらず、思い出された時に、、、
      「麦茶」幼子のために少し甘みを加えるのか、昔?は今のようにソフトドリンクが少なかったからかな?
      『みをつくし』で知った江戸の「心太」ですが、一本箸に驚いてます。。。
      猫家で「たこ焼き」入れるのは、タコと天カス。青ネギ・紅ショウガ少々(入れたり入れなかったり)。至ってシンプル。
      仔猫の頃はタコの代わりにチクワが入っていたりしました(貧乏だから?)、、、
      2020/10/08
  • 「くらべる東西」の姉妹編。西日本と東日本だけに限定せずに、いろいろな2地域でいろいろなものをくらべてみようという写真+解説集。同じ名称のものが地域によって微妙に、あるいはかなり違うというのは、なかなか見る方としては面白い。へえーとなること請け合い。全国各地の情報誌みたいでもある。
    スコップとシャベルの東西での逆転や、納豆の違いなどはよく知られているだろうが、「いがまんじゅう」の違いには驚いた。あんころ餅の上に米がのっているものとばかり思っていたが、埼玉の鴻巣市では赤飯でくるんでしまっている。
    「かまぼこ板」は大阪では板のにおいが蒲鉾につくのを好むが、他地域ではそうではないらしい。
    「餃子」は浜松ではキャベツがメインで、宇都宮市では白菜がメインだとか。
    「ソースカツ丼」には、キャベツの上にカツがのっているものとキャベツがないものがある。
    「鎌」にもいろいろなタイプがあるらしい。
    「城」は西日本では石垣があるのが多く、東日本では土塁のものが多いとか。東日本は徳川の影響が強いから。
    「たぬき」たぬきうどんやきつねうどんの区別は難しい。
    「止まれ」道路上の止まれの塗装の字体が大阪と東京では違うなんて!
    全31+コラム。

    • nejidonさん
      goya626さん。
      おお、くらべるシリーズが増殖していきますね!
      皆さんさすがにシャベルとスコップにはもう言及されないようで・(笑)
      ...
      goya626さん。
      おお、くらべるシリーズが増殖していきますね!
      皆さんさすがにシャベルとスコップにはもう言及されないようで・(笑)
      私は「かまぼこの板」とお城の話が面白かったです。
      このシリーズはいくら続きがあってもキリなく読めそうですよね!
      2020/10/22
    • goya626さん
      実は、日本犬の写真にはほっこりさせられたのですよ。日本犬はかわいい。世界一です。蒲鉾の板や城のことは知らなかったです。まあ高級な蒲鉾なんて食...
      実は、日本犬の写真にはほっこりさせられたのですよ。日本犬はかわいい。世界一です。蒲鉾の板や城のことは知らなかったです。まあ高級な蒲鉾なんて食ったことないですしね。目でみるシリーズは、いくら続編が出ようとも飽きないだろうなあ。
      2020/10/22
  • 【あらすじ】
    好評の「くらべる」シリーズ最新刊。今回は日本全国をくらべてみた。ご当地あるある決定版。

    昔、何かのテレビ番組で「カレーに入れる肉は牛か豚か」というテーマで調査をしているのを見たことがあります。最終的に静岡の大井川を境に分かれていて、その理由が「昔の大井川は交通上の難所で、渡し船を使わないと渡れなかったことから、人の行き来が少なく、文化も分かれたのでは」とのことで、とても興味深いと感じたことを覚えています。
    普段何気なくやっていることや発している言葉が、実は地域特有のものだということはよくある話です。それが何故そうなったのか、理由を調べていくと面白い結論にたどり着くかもしれません。取り急ぎ、なぜ関西だけエスカレーターで立つのが右側なのかを知りたいです。

  • 日本全国から顕著な“違い”を選んで紹介。
    五十音順、見開きでそれぞれの画像。次のページに解説。
    充実したコラムやこぼれ話有り。
    撮影協力有り。主要参考文献有り。
    東西もあれど遠隔の市や県、隣接した地域でさえも違いがあります。
    鎌の形状と柄の長さ、みたらし団子の団子の数、春巻きの生地、
    スコップとシャベル、百人一首は全国と北海道で違うとは?
    芋煮は某番組で見たけれど、あれは動画で一瞬。
    こちらは写真なので、隅々まで比べられ、記憶に残ります。
    その楽しさは本だからこそ!
    え、こんなところにも違いが?の発見が楽しいです。“れ”とか。
    文章も簡潔で丁寧、かつわかりやすい。
    何度でも眺めてみたくなる一冊です。
    あ、でもわらび餅の黒蜜は、葛餅も影響していると思うけど。

  • 表紙の左はシャベルで、右はスコップ。
    これに異をとなえるあなたは、関西方面の方では?
    念の為言うと、工業規格、メーカー定義では「足をかけられるのがシャベル、足をかけられないのがスコップ」(84頁)だそうだ。
    関東は逆だがその理由はわからないらしい、が、衝撃的な事実だった。

    「芋煮」
    親戚から「イモニカイって知ってる?」と尋ねられた時、芋焼酎?(二階堂?)オモニの仲間かなんか?(韓国語?)と全くわからず固まっていたら、そうか、東京の人は知らないのか、と悲しそうに返された。
    しかも山形と仙台で使う材料が違うって?!
    芋煮、奥深い。

    「止まれ」
    路面の止まれの「れ」の字。(118〜121頁)
    大阪府と東京都で違うらしい。
    全国統一でないの?

    他にも「月極」「月決」、百人一首など、常識と思っていたことがそうでないことを知り、目から鱗だった。
    世界が広いの前に、日本も広い!

    それにしても、ダムカレー、ソースカツ丼、定食、餃子、なんてうまそう!!!
    腹が喉から手を出すぞ!
    そうそう、職場の人が、大阪から東京に来た時、「たぬきうどん」を頼んで「変な天かす」が出てきてびっくりしたっていっていたっけ。
    頼むときはご用心。

  • このシリーズ、いいなぁ。

    東西、日本を暮らしたことはあるけれど
    知らないことは、案外多い。
    南北、日本を旅してみたけれど、
    旅ではわからなかったことも多い。

    この本を読んで、また日本のあちこちを
    確認すべく旅したい。
    まずは山口のういろうを食べてみたい。

  • 私は18歳まで西(広島)で、それ以降は主として東(関東)で暮らしていますが、いろいろなことを西東比べてみた時、子供の頃の印象がいかに強いかを感じました。表紙でスコップと言えば、私は左側がイメージアップします(^-^) 餃子は、浜松(西)(肉多し)であれ、宇都宮(東)(野菜多し)であれ、どちらも美味しいです(^-^)

  • たくさんシリーズが出ているようだが、私は3年前に読んだ「くらべる東西」に続いての2冊目。

    せっかく両者の違いにこだわった面白い内容なのに、大事な文言が間違っていて残念。
    魚の並べ方は「関西では縦に並べて、関東では横に並べる」と書かれているコラム内の後半では「関西は横並び、関東は縦並び」と書かれている。
    文章から推察するとたぶん文字の間違いだとは思うが、もしかしたら昔と今では真逆になっているのか?と、わからなくなる。
    前者なら誤植、もし後者だとしたら文章の書き方が悪い。(第1刷)

    表紙にもなっているスコップとシャベルの件は、初耳で興味深い。
    「たぬき」「きつね」の件も、私は関東圏なので、関西圏の説明を読んでもいまいちよくわからないくらいに違っていた。
    人はたいてい自分の生まれ育った地域で身についた言葉や文化が「当たり前」「常識」であり、なんの疑いも持たずに日々暮らしているから、反対の物や異なる物を指し示されたらきっと双方が???となるのだろう。

    そういう意味では、もし関西の作家さんに推理小説でシャベルで穴を掘って死体を埋めたなんて書かれたら「えっ?」となってしまうし、主人公が「たぬき」を食べたとだけ書かれたら「蕎麦屋さんなのかな?うどん屋さんなのかな?」とわからないということが起こるだろう。
    幸い今までの小説でそういう違和感を感じたことがないということは、作家さん達はみなさんそういうことにもの凄く気をつけて調べて書いていらっしゃるのかな?と思ったりもする。

  • 同じものでも地方によっては違う品を紹介している本
    お腹がすきました

  • 『くらべる東西』から先に読了を勧めます。期待通り最高に面白い!食べ物に地域差があるのは想像つきますが、「止まれ」や「月極」は全国統一と疑いもしなかったのでただただ驚き。毎回うまく違いを見つけているなと関心。生産地と消費地、行けたら行く、撮影秘話など、コラムなども読み応えあり、どれがお気に入りとか選びきれない。東西編も再読したいし、2冊とも買っちゃおうかな。

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著者プロフィール

1972 年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務後、作家・ライターとして活動。
著書に『目でみることば』『似ていることば』『似ている英語』『目でみる漢字』(東京書籍)、『基礎教養 日本史の英雄』(扶桑社)、『風雲児たちガイドブック解体新書』(リイド社)などがある。個人ブログ「おかべたかしの編集記」。

「2018年 『くらべる世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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