モッキンバードの娘たち (海外文学セレクション)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 71
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488016609

作品紹介・あらすじ

これはわたしが母親になるまでの物語。娘であることから、娘を持つ母親になるまでの。その旅は母を埋葬した日にはじまった――漆喰塗りの古い屋敷。鳥たちがさえずる庭。不思議な力を持ち、奔放に生きる母とは逆に、堅実に生きてきたわたし。その母が亡くなり、わたしは新たな人生を踏み出そうとした矢先、なぜか彼女の力を受け継がされてしまい……。母娘、姉妹、家族をめぐる人々の絆を深く伝える物語。世界幻想文学大賞候補作。

感想・レビュー・書評

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  • 母と娘、姉と妹、女友達。母から受けた影響はある意味呪いだ。その呪いを解除して明日への力に変えること。娘だった女は母になり、また母と娘の物語を紡いでいく。全ての女性たちへの物語。泣いたり笑ったり、とても心を動かされた。

    この「モッキンバードの娘たち」、読んでみると表紙から受ける印象と若干違う。主人公は三十歳の保険数理士。やや強情で皮肉屋、つまり面白い女性。魔術や精霊の話も出てくるけど幻想的というより結構現実的(先物取引とか)。主人公が妊娠してからはおもしろ妊婦小説と言ってもいい。皮肉の効いたジョークもたくさん。

    そして少し前に東理夫さんの「アメリカは食べる。」を読んでいたこともあって余計に楽しめたかも。メキシコ料理、テックス・メックス、南部料理、ケイジャン料理……お話の中に美味しそうな料理がたくさん出てくる!偶然その時飲んでたバーボンの銘柄が出てきてニヤリとしたり。

  • 呪術や魔術がファンタジー要素というよりも、現実に登場人物の生活に入り込み物語を生々しく奥行きのあるものにしている。 憑依能力が母親から受け継がされたものであるからこそ、主人公はより苦悩するのだ。 「未亡人」や「ピエロ」と呼ばれる憑き物たち、現実の家族という名の呪縛、さらには失業、人工授精、など様々な要素が絡み合っていて、なんだか、ざらざらとしているのに温かみがあるような不思議な肌ざわりの物語になっている。 個人的にはスパイスの効いた美味しそうなメキシコ料理やケイジャン料理がたくさん出て来るのも良かった。

  • 「基本読書」で薦められていたこの本。なぜか超能力ものには惹かれるので購入(魔法ものは嫌い)。「乗り手達」を降臨させる能力のある母が死亡。それと同時に、心ならずも、忌まわしい能力を引き継ぐことになった娘が母となり娘を産み落とす・・・登場人物もチャーミングだし、娘を産む過程でこれまで憎んでいた母親のことを知る過程はつまらなくはない。。でも、翻訳されてハードカバーで売られるほど、面白い本かというとどうかな?読後感の印象は、超能力ものというより、家族ものといった感じ。

  • アメリカのヒューストンと言えば「ケネディ宇宙センター」「NASA」が真っ先に思い浮かぶ。それしか思い浮かばない。テキサス州であることも忘れていた。最先端の科学とジュラルミンの街のイメージがあったので、呪術と暑さと湿気の描写には驚いた。                 

    あとがきを読んで作者が男性だったことに改めて気づいた。だから女の小説のようであるけれど、男のプライドについての描写の方がホンモノかもしれない。

    「女はお金を持っていなきゃいけない」と言うのは本当だし「先物取引」と言うのが本来どういうものかということも教えてもらえる重層的で面白い小説だった。

  • テックス(テキサス)メックス(メキシコ)料理なんて言葉があるくらい、移民文化の混ざりあった南部の街での、家族のお話。住んでる人しかわからないような生き生きとした土着の生活。本当に男の人が書いたの?料理の作り方とか妊娠とか経験してるような、生理痛と日々戦ってるような、他にも読んでみたいが。いたこはあんまり重要じゃない感じ。主人公の妹がミランダカーで再生。ミランダさんも、家に帰ったら、ママ、ママ言ってそう。(家族大好き)

  • be attractive and be loved. characters. maybe, main characters are lost child and mockingbird. i want be happy to papa! view of front and back are wrong image for me.

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