漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア 46)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 68
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017323

作品紹介・あらすじ

宮本武蔵は決闘に遅れなかった!?赤穂浪士は浅野内匠頭が殿中刃傷に及んだ理由を知らなかった!?近藤勇は池田屋事件を無理やり起こしていた!?鍵屋ノ辻の仇討ちは都合よく行きすぎた!?人使いの荒い監督に強引に引きずり込まれ、チャンバラ映画のプロットだてを手伝う羽目になった主人公。居酒屋で額を寄せ合い、あーでもない、こーでもないと集めた史料を検討すると、巌流島の決闘や忠臣蔵の討ち入りなどよく知られる歴史的事件の、目から鱗の真相が明らかに…!綾辻行人・有栖川有栖両氏に絶賛された第二回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、挑戦的歴史ミステリ短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 有名な歴史的事件の謎が居酒屋で解決されるのですが、その謎と解決のすっきり感が魅力です。
    でも、自分の好みとは違うなあ。解決の説明部分がまさしく説明調なので、そこが退屈に感じました。

  • 私の好みではありませんでした。

  • 歴史の謎を解いていく短編集。
    一番面白かったのは「亡霊忠臣蔵」。忠義、お家って大変です。

    何分、そう明るい訳ではない時代ので、割合、元になった原文を載せてあるのが、私には面白かった。

  • シナリオライターの主人公が文献を調べ、映画監督がそれを元に解き明かす形式で巌流島や忠臣蔵と言った歴史上の出来事の真実は実は違っていた、と明かす歴史ミステリー。

    時代を経て、手が加えられ、事実が物語に変化してしまうのだなぁ、と思いました。
    忠臣蔵のなぜ吉良上野介を討ったのか、の理由が一番の驚きでした。主従関係に理屈や正当な理由は必要が無いのですね。

  • 史実考察ミステリ短編集。重すぎず、わりとさらっと読めました。忠臣蔵の話が個人的には良かったと思う。

  • チャンバラ映画のプロット作りの過程で歴史上の事件の意外な真相が明らかになる、という歴史ミステリ短編集。巌流島の決闘、赤穂浪士の討ち入り、池田屋事件、鍵屋の辻の決闘が題材となっている。
    どれも有名な事件だが、一般に知られている話は長い時代を経てフィクションに近い。
    シナリオライターの主人公が文献や史料を読み込んで謎や矛盾点を明らかにし、監督がそこから真実を浮かび上がらせるという構成で、なかなか面白かった。
    しかし、元の資料を作中に提示してくれるのは歴史好きにはいいのだろうが、個人的には古文の読み下しはかなりつらく、スルーしてしまったところもあり。自分で推理を働かせながら読むには気合いが必要かも。

  • 宮本武蔵は決闘に遅れなかった?近藤勇は池田屋事件を無理矢理起こしていた?そんな歴史系ミステリです。この手のミステリ大好きなんですが、いい作品は数少ないですよね。やっぱりいい加減なものでは読者は納得しないし、ありきたりな結末じゃ満足しないし。
    ジョセフィン・テイの『時の娘』がこの分野の代表かな。名作ですよ!

  • 感想未記入

  • オーソドックスな歴史ミステリー。文献を検討して通説とは真逆の結論を導き出す。突拍子もない説だが読んでいるとひょっとしたらと思わせる説得力はある。誰でも知っている事件を扱っているので理解しやすかったからか。オーソドックスさがいい効果を生んでいたと思う。新撰組の話が一番印象的だった。不利な状況で敵に挑む。チャンバラの醍醐味である。人気が高い理由が今更ながらよくわかった。ただどうしても古文は読むのに骨が折れる。そこを何とかしてくれていたらもっと評価は高かった。

  • 巌流島や忠臣蔵など、日本の歴史で有名なエピソードについて、あーでもないこーでもないとみんなで言い合う話。4編収録。
    この手の話は突飛な解釈であればあるほどおもしろくはあるけれども、非現実的すぎるとそのおもしろさも薄まる。そのバランスがうまくとってある。
    続編ないのかなあ。

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著者プロフィール

1975年京都府生まれ。立命館大学卒。2005年、綾辻行人・有栖川有栖両氏に絶賛され、短編「漂流巌流島」で第2回ミステリーズ!新人賞を受賞しデビュー。文芸社からは『浮世絵師の遊戯 新説 東洲斎写楽』、『近江屋 一八六七年』を刊行。その他の著書に『名刀月影伝』(KADOKAWA)、『妖曲羅生門 御堂関白陰陽記』(光文社)、『京都東山 美術館と夜のアート』(東京創元社)などがある。

「2021年 『【文芸社文庫】 新説 東洲斎写楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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