- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488017798
作品紹介・あらすじ
再会した英国人少年クリスと検閲官エノを待っていたのは、オルゴールを作り続ける孤島の洋館で勃発した連続不可能殺人だった! 著者渾身の巨編、〈少年検閲官〉連作第2弾。
感想・レビュー・書評
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少年検閲官から3ヶ月後。書物がない世界で、ミステリの要素を記述したガジェットを巡る物語。
ミステリを描こうとする主人公と、検閲官の二人、そして出会った少女の関係性がとにかく強烈です。
オルゴールに彩られた館と終末に向かう世界。最高。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
油断した完全にやられた。物理トリック(図!!図!!)の量と多重解決の必要性。『少年検閲官』から続く書物の禁じられた世界とガジェットの存在。この題材との物理トリックが組み合わせれて起きたハウダニットの行く先には、とんでもなく美しい物語があった。
「クロック城物理トリックは良かった」
「アリスミラー城この犯人は意外だった」
「少年検閲官の設定は良かった」
私の読んだ北山作品は、面白いけどどこか物足りなさがあった。
本作は全て詰め込んだ。私は詰め込まれた作品が好きだ。
幻想的な物語に本格ミステリの舞台、仕掛け。
甘く見ていた。読後ここまで心が揺さぶられるとは。恐ろしく本格ミステリであり、どうしようもなく切ない。
傑作なり。 -
独特の世界観による近未来(またはパラレルワールド)を舞台にしたミステリ。
二転三転するトリックの解明と犯人当て。ラストに明かされる真相。
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シリーズ第2弾。
前回の方が『書物がなくなった世界』『検閲官』というコンセプトがガッチリしてたと思います。今回はどちらかというと書物云々より人と愛とか、そっちの方が重点的な感じがして、少年検閲官読んでなくても普通に読めると思います。
トリックとか事件のあれこれより、序章のお話と最終章の最後の3ページが…
外だったから我慢したけど、家で読んでたら泣いてました…。
どこか異国のブラックファンタジーっぽく読める本でした。 -
少年検察官シリーズ第二弾。
温暖化によりゆるやかに崩壊していくことが決められている世界、冒頭に「序奏」として描かれる「ある物語」、そして現在の僕と二人の少年検閲官、言葉が喋れない少女、孤島で起こる連続殺人……もう、作品に含まれる要素全てが、この『ミステリ』を構成し、完成させるために存在している。まさに全てがこの物語に奉仕している。どこをとっても美しい、愛おしい。(読み終わった後に、あのシーン、このシーンと反芻すると、さらにその想いが強くなる)
ラストの余韻も素晴らしく、続編が楽しみ。 -
私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2016.4.4読了
なかなか良かったが、少し読み進め難かった。
序奏の物語がとてもムードが感じられて、良かった。
そして、その序章を受けて少年検閲官というシリーズになっている物語に展開していくのだが、この少年検閲官の物語も独特なムードを持っていて、互いに似ているような雰囲気が重なりあって、かえってこの小説の良さを妨げている様だ。
謎解きのところも作者が良く用いるらしい、いくつかの解を重ねて提示するもので、それなりに楽しめるが、私はシンプルな謎解きで良いので、最初の物語をもっと膨らませたものを読んでみたかった。 -
少年検察官シリーズ第二弾。
世界観が全てという小説。儚げで物悲しい雰囲気の中、連続殺人事件が起こる。トリック的には少し無理がある気がするけど、そこは雰囲気で何とか納得。
なかなか少年検察官の実態には触れない。もう少し次に繋がる流れが欲しい。