金木犀と彼女の時間 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 126
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017958

作品紹介・あらすじ

拓未に告白されたとき、菜月の人生三度目のタイムリープが始まった。この状態に陥ると、菜月は同じ一時間を五回繰り返すことになる。つまり菜月は、このあと拓未に五回告白されるはずだった。しかし一回目、告白の場所に向かおうとした菜月の目の前で、拓未は屋上から墜死する。なぜ!? チャンスはあと四回、それまでに彼の死を止める方法を、絶対に見つけなければ! 女子高生が文化祭中の校舎を駆け巡る、鮮やかな学園ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • クラスメイトの墜落死という悲劇を好転させたいのに、時間と回数に限りあるタイムリープの中で何度も悲惨な結末を繰り返す絶望感。
    冒頭で描かれた菜月の幼少期のタイムリープ体験が読んでいてもかなり辛かったので、原因も犯人も全く分からない彼の死が繰り返される状況は余計に厳しく感じる。
    誰もが少しずつ怪しい様に感じたけれど、時間を越える毎に散りばめられた要素が嵌っていって「最後の1回」に綺麗に繋がったのは爽快だった。
    文化祭開催中の高校生の盛り上がりも浮足立つ雰囲気も味わえるので、まさしっく金木犀の甘い香りを感じながら読みたい話。

  • 文化祭が舞台となる小説のひとつとして。

    文化祭の最後に、クラスの人気男子から告白された主人公の菜月。その返事をしようとした瞬間、時間が1時間前に巻き戻されてしましました。
    彼女がこの「タイムリープ」を経験するのは人生で3度目。
    せっかくなら文化祭を楽しもうと思っていたところ、なんと自分に告白するつもりだった男子生徒が屋上から転落して死んでしまうという事件が。
    変わるはずのない未来がなぜ変化しているのか、その理由をつきとめ、男子生徒を救うために「5回」という限られたタイムリープの中で菜月が奮闘します。

    この文化祭当日の事件描写だけでなく、文化祭の準備に取り組む高校生たちの熱量やクラス内での人間関係の摩擦などについてもシッカリと描かれており、ミステリ小説としてだけでなく、YA小説としても楽しめる作品だと思います。

  • タイムリープものミステリ。同じ一時間を五回繰り返す「リプレイ」を時たま起こしてしまう主人公。何事もない平和な文化祭の一日で、とても素晴らしい日になるはずだったのに。リプレイしたとたんになぜか起こってしまう惨事。いったい何が原因でそんなことが起こってしまうのか、そして惨事を防ぐためにはどうすればいいのか。ミステリとしての謎ときもさながら、主人公の孤独な戦いが手に汗を握るサスペンスも絶品です。
    リプレイの回数が限られていることもあって、リミットの迫る緊迫感と、惨劇を防げなかった絶望感とがひしひしと胸に迫りました。こんな状況に置かれたら気が狂いそうです。それでも頑張り続ける彼女は実に健気で、応援したくなりました。そして最後の時間でのあれやこれやにはとにかく感動。とてもスリリングながら、明るい楽しさと爽やかさも感じられる青春ミステリでした。青春って素晴らしい。

  • ミニコメント
    拓未に告白されたとき、菜月のタイムリープが始まった。この状態に陥ると、菜月は同じ一時間を五回繰り返す。しかし、告白の場所に向かおうとした菜月の目の前で、拓未は屋上から墜死する。一体何が起きたのか?
    チャンスはあと四回、それまでに彼の死を止める方法を、絶対に見つけなければ。
    女子高生が文化祭中の校舎を駆け巡る、鮮やかな学園ミステリ。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1199798

  • 同じ1時間を強制的に5回繰り返すタイムリープの話。高校の文化祭に起こるので青春感もあり。
    時間が繰り返されるたびに事件が大事になってくるのでグイグイと読めました。
    ただ、重い話ではないのでサクッと終わりました。面白かったです。

  • 読みやすくスルスルと読めました。
    タイムリープものは結構好きで、そこに青春が絡んできて、難しくもなく楽しむことができました。

    少し軽くて物足りない感じもありましたが、これはこれでいいのかな。

  • 図書館の児童書コーナーでなんとなく手に取ってなんとなく借りた本。
    ちょうど今期の木10ドラマ「知ってるワイフ」見てるとこだったので、出だしでいきなりおどろく。
    途中展開がもどかしくてなんでや!?と何度も思ったけど、まぁそれなりに理由がつけられていたのかも。
    七回死んだ男を読んだ時の興奮が懐かしい。濃いのがほしい。

  • 拓未に告白されたとき、菜月の人生三度目のタイムリープが始まった。
    この状態に陥ると、菜月は同じ一時間を五回繰り返すことになる。
    つまり菜月は、このあと拓未に五回告白されるはずだった。
    しかし一回目、告白の場所に向かおうとした菜月の目の前で、拓未は屋上から墜死する。
    なぜ!?
    チャンスはあと四回、それまでに彼の死を止める方法を、絶対に見つけなければ!
    女子高生が文化祭中の校舎を駆け巡る、鮮やかな学園ミステリ!
    (アマゾンより引用)

    伏線がきれいに回収されてスッキリした。
    非現実的なお話ではあるけれど、面白かった。

  • タイムリープ体質な高三の菜月が陥る人生三度目のそれ。同じ一時間を五回繰り返す筈が一度目に告白をしてくれた拓未が直前に屋上から墜死。彼の死を食い止める為に何度も校舎を駆け巡る。文化祭に賑わう高校がさわさわした感じ。友達やクラスメイトの女子たちも溌剌としていて殺人も絡むけれど淀まず秋の風が吹き抜けた。

  • リプレイが怖かった。これ以上読み進めるのが怖いくらいに。でも面白いからついよんでしまうんよなぁw

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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