建築屍材

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488023560

感想・レビュー・書評

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  • 私は門前典之氏の作品が好きでほぼ読んでいる。
    この作品だけ未読だったので読んでみたが、少し辛い評価になってしまった。
    謎はてんこ盛りだし、文章は読みやすい点は二重丸。
    だが逆に謎が多すぎで一つ一つの注目度が分散してしまったと思う。メインの謎は3人の死体の消失の謎だが、死体があると思われる建物を散々探しても出てこなかったのに、結局その建物から出てきたのはがっかり。警察の調査ミスだと思う。
    たしかに隠し場所はちょっと意外ではあるが・・・。
    とはいえ門前氏の新作がでたらまた読みたいと思う。

  • 事実上、門前氏のデビュー作。密室からの容疑者消失、死体隠滅、謎の足跡、ダイイング・メッセージ、連続殺人・・・
    とにかく盛りだくさんの内容。

    しかし、ここまで謎が必要だったかという気はする。謎を盛りだくさんにして、登場人物も不要なまでに増やした結果、話がかえってまとまりが無くなったている。
    ひどいオチの謎も、混乱気味な解決もあるし、不要な会話も多く、章の移行も不要だったりわかりにくい部分もある。

    せっかくロジックをしっかり作ったのだからもっと整理して話を刈り込めばずっと面白くなったと思われる。

    特に、探偵役と相棒役のキャラが薄っぺらくて退屈。
    探偵役のキャラをやたらエキセントリックな設定にするのは食傷気味かなぁ。超個性的なキャラにしようとして、結果的にどの探偵役も似たり寄ったりになってる。
    アイデア満載の意欲作ではあるので、次回作に期待。

  • 説明は余分なのに人物描写が少ない、が読み易い

  • 門前さん 初めて読みました。
    動機が弱いよな・・・

  • 「屍の命題」と同じ探偵役が蜘蛛手某なんだけれど、別にシリーズでもそうでなくても探偵の個人的なエピソードで読者を引っ張るわけではないのであくまでも本格推理が前提の事件物語
    人間らしい顛末は脇役の少年少女だけであとはなぞなぞなその連続
    (?/07/'14)

  • 正直文章はあまり上手いとは思えない。話の展開もイマイチ退屈。しかし死体消失のメイントリックは鮮やか。手がかりの与え方も上手い。本格好きならば読む価値はある。

  • ガチガチの本格ミステリーが読みたくなって
    いろいろ探した結果、門前典之氏に行き着いて
    鮎川哲也賞を受賞したデビュー作の本作から読んでみた。

    しっかりと本格を志向して、建築会社勤務という
    バックグラウンドを活かして書かれた作品であることは
    確かだし、今後に期待できる新人・作品だと
    本作の時点では思えるが、一つの作品としてみると
    荒いところや未成熟な点も目に付くところではある。

    作品の構成として、時々説明がないまま唐突に
    話や会話が展開されて状況がつかみなくいところがあるし
    語り手の宮本と探偵役の蜘蛛手は石岡と御手洗をダブらせる上
    蜘蛛手は特に御手洗の人物像を借りてきたかのようだし、
    ほかのキャラも特徴がなく魅力に欠ける。

    建築に関する蘊蓄も語られる分量の割に話に直結するところは少ないので
    個人的には割とへえーと言う気持ちで読めたものの
    冗長さは否めない。

    人体消失トリックもまさかこれはないだろと思って
    考えから消した方法が真相で唖然としたし、
    ダイイングメッセージもいろいろと釈然としない。

    と、いろいろ粗はあるものの
    作者の本格にかける誠実な思いというか本格魂は
    ストレートに感じられるので
    上であげた七難を目をつぶって
    今後に期待したくなる作品ではあった。

  • 作者の経験(建築)に基づいて作られたミステリーです。
    先ず、建築資材やコンクリートの専門的な話が長いです。かなり苦痛でしたし、そこまで割く程のトリックでもなかったのでガッカリしました。
    また、そのトリックの核を成す部分で、「これは不可能なんじゃないか」と思える箇所があり、あまり納得出来なかったです。
    ダイイングメッセージも唖然としました。死にかけている被害者が、そんなややこしいことを思いつくとは到底思えません。
    推理する楽しさはあるものの、「答え」に納得がいかない作品でした。

  • 第11回鮎川賞受賞作。
    建設中のビルで浮浪者がナンバリングされたバラバラ死体を発見、というプロローグから、密室からの人間消失、被害者宅に配達された小指、生乾きのコンクリートに残った謎の足跡、など本格ミステリ的なガジェット満載。
    しかし建設途上のビルが舞台ということで建築についての蘊蓄がかなり多く、またトリックに対する情熱と比べてストーリーやキャラ要素が少々地味なので読みづらかった。ダイイングメッセージもちょっと無理矢理な感じ。
    とはいえ、犯人の動機などギョッとするようなところもあり、ミステリとしては面白かったと思う。

  • ホームレスの目撃したバラバラの遺体。ナンバリングされ綺麗に並べられた3人分の遺体。消えた遺体の謎。達也と裕一の目撃した工事現場に入った謎の影。建設現場から消えた人影。送り付けらた小指の秘密。江津要蔵、秘書の三井薫、教師の玉村洋一。建設現場で殺害された左官工。現場に残されたコンクリートの上の足跡。建設会社の所長・山刀、現場主任・蜘蛛手。蜘蛛手の推理。作業中に転落した西中。背中に刺さったナイフの秘密。

    市川図書館
     2011年9月14日読了

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著者プロフィール

2001年に『建築屍材』で第11回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著作に『エンデンジャード・トリック』『首なし男と踊る生首』『灰王家の怪人』『屍の命題』『浮遊封館』など多数。

「2021年 『卵の中の刺殺体 世界最小の密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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