ボーンヤードは語らない

著者 :
  • 東京創元社
3.77
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本棚登録 : 701
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028404

作品紹介・あらすじ

U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。ジョン少佐は、士官候補生時代のある後悔の念から、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を依頼する。マリアたちは快諾するが、その陰には、ふたりの抱えるそれぞれの過去――若き日に対峙した事件への、苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した、雪密室の殺人。少女時代のマリアが挑んだ、ハイスクールの生徒たちを襲った悲劇。そして、過去の後悔から刑事となったマリアと漣がバディを組んだ、”始まりの事件”とは? 大人気シリーズ第4弾は、主要キャラクターたちの過去を描いた初の短編集!

感想・レビュー・書評

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  • 最初のふたつは語り手が信用できないやつ…違和感はたくさんあるので、わかる人にはわかるのかな。いつもの、ひっくり返された感が好きなので一気に読んでしまうけれど。
    淡々と綴られているけど、漣の後悔はけっこう深いんだろうなあ。マリアと違って、自分の大切なひとを失ったわけではない、のがまた、じわっとくる。
    あとレッドデビルの冒頭が、百合っぽくてとても……好きです。

  • マリアと蓮の過去の因縁の事件トリックも奇抜で面白い。マリアと蓮が刑事になった理由、親友や友人を救えなかった贖罪からであった。次の事件に期待

  • マリア&蓮のシリーズの短編集。
    マリアがなぜ刑事になったのかなど前日譚的なものが多く、面白かった。

  • これまでのマリア&漣シリーズで1番良かった。

    赤鉛筆は要らない
    最後の九条の手紙でのどんでん返しが気持ち良くも、明かされた断罪の記録が切なさをはらんでて好き。読み終えた後にタイトルを見て「そういうことか〜」ってなるのがまた気持ちいい。異性の先輩から今日は泊まって行きなさいと驚きの提案をされるも、先輩の心情を察してスマートに対応する九条はさすが男前だ。

    レッドデビルは知らない
    これまた切ない。そしてヴィンセントはクソ野郎過ぎて、ホント地獄に落ちてもらいたい。ハズナとジャックが恋仲だったと警察から明かされた時は信じられなくて最後の最後まで懐疑的だったけど、結局真実だったのか。。。マリアにも秘密にしてたなんて、マリアはちょっと寂しかっただろうな。結局タイトルのレッドデビルは知らないってそういうこと?

    そしてスケープシープは笑わないに続く。。。作家さんってほんと上手くストーリー考えられるよなぁと感心する。おかげで読書体験を楽しませてもらってます!次の最新作も楽しみだ。

  • 借りてきてから短編集という事に気がつく。ジョンの勤務地での変死や蓮の学生時代の古典推理小説的な話、今のマリアの原点ともなったと言うべき事件などこのシリーズ好きにはたまらない話ばかり。お気に入りはマリアと蓮顔合わせの物語。

  • マリア&漣シリーズ4作目。
    今回のはシリーズ初の短編集が4つ。
    どのお話も面白かったですが、いつか「レッドデビルは知らない」のヴィンセントの罪を問い詰めてほしいです。

  • 23/10/17〜10/24
    『ボーンヤードは語らない』
    夢見ていた世界と違うことを知り絶望の中で、、
    虐待のシーンが辛い

    『赤鉛筆は要らない』
    雪の上の足跡といえば、小学生の時に読んだルブランの『八点鐘』の中の『雪の上の足跡』を思い出す。あるブログによれば、ルーツはルブランで、のちの作品がバリエーションをつけて買いているのだとか。今回のスキップみたいな歩き方楽しいなぁ
    でも、内容は重い。虐待のシーンがこちらも辛い

    『レッドデビルは知らない』
    差別描写が辛い
    いつもサンドイッチを車で食べているけど、サンドイッチ好き?
    ルームメイトいい味してる。大人のふりするのとか、助手としていいね
    この短編集、全体的に救いがないなぁ

    『スケープシープは笑わない』
    こちらも人種差別
    頭で理解していても、感情では差別してしまう、というのは難しい問題だと思う
    よく知らないものをなんとなく忌避するのとは違って、同居し相手をよく知っていても沸き上がる嫌悪感とはどう向き合えばいいのだろうか

    でも、救いのある終わり方でよかった

  • 主要キャラの過去短編集。この短編集で、"憧れや安寧を求めて、社会に踏み込んだものの外面と内面は違う”ということを教えられる。閉ざされた大小の社会の実情に踏み込んでみたら苦痛を伴い逃げられない。マリアと漣は、巨大な氷山の一角、氷山を溶かす心積もりで警察官に成ったのかと思うと胸が軋む。特にマリアは、過去の事件の悔しさと悲しみを心に刻み紅玉色の瞳に熱を宿している。
    トリックもそうだが、自身の経験もあって引き寄せられる短編集だった。お気に入りは、表題作とは異なる『赤鉛筆は要らない』、『レッドデビルはしらない』の2作品。
    今後も続くであろう、マリアと漣のコンビの行き先を見届けていきたい。

  • 3.0

  • このシリーズ初の短編集であり、マリアと蓮の学生時代のエピソードとあって期待が高まったのだけど、
    うーん…
    彼らは昔から変わらず、こういう雰囲気だったんだな。
    2人の性格や行動に、過去と現在で大きな違いはなく。
    過去の出来事をきっかけに、何かがすごく変わってたりすると意外性があって良かったんだけど。。
    もうあと少しだけ、深く!キャラクターの内面を深掘りしてくれたら、このシリーズをもっと楽しめそうな気がする。
    次作に期待!

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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