ガーデン殺人事件 (創元推理文庫 103-9)

  • 東京創元社
3.41
  • (2)
  • (9)
  • (8)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 71
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488103095

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 後期作品群は一般的に評価が高くないらしいが、個人的に本作僧正殺人事件より楽しめた。適度に推理しやすくきれいな展開。犯人は当初equanimity という言葉通りの冷静沈着に見えたのにちょこちょこ怪しい動きや綻びが出てきて結末はとても衝動的。そもそも玉の輿確定していないのに想定相手の遺産目当て殺人を始めてしまう気の早さはめちゃくちゃだがなぜか作品の欠点になっていない気がする。ワイヤアクションの走りのような小芝居と協力する刑事軍の平常運転モードが面白かった。良かれと思って提案したことが裏目に出たガーデン家かかりつけ医の先生は気の毒。意外にお転婆好きで、よくわからない程度に恋に悩んだらしいファイロ・ヴァンスが微笑ましい。内容にほぼ関係のない出馬表が挟まれた特別仕様になっているのも微笑ましい。古い文庫本は字が小さいので避けていたが、実際読むと大変に味のある古い翻訳が癖になる感じ。舞台はほぼマンハッタンの屋上庭園付きペントハウス固定で、Xの悲劇で当時のニューヨークの乗り物事情が妙に楽しかったのと同様、推理以外にも情景描写が楽しめて、通俗読み物的にも気に入った。

  • ヴァン・ダイン9作目。
    ヴァン・ダインの作品はいつも、殺人事件が起きるところから始まるが、今回は殺される人が最初に喋っているシーンが有るのが印象的。今ではこういう形式が一般的と思うが、当時としては凄かったのだろうか。
    古典的パズラーとしてみると、そこまで難しく無いかな?と言う印象。動機の面など、ちょっと疑問を感じる点はあるが、よくできているのだろう。

  • ヴァンスもの。競馬が終わった途端、賭けに失敗したことで自殺してしまうものがでるが、それは巧妙な殺人だとヴァンスは指摘する。全体的になかなか面白い作品で、犯人はちょっと驚かされました。トリックに関してはさほどあるわけではありませんが、後期の作品としては面白い作品でした。もっとも、前半は競馬関連のことですが、その競馬が密接に事件にかかわってこないのは、ちょっと今までの作品とは違う感じがしますね。

  • 高層アパートの屋上で頭を打ち抜かれた男。発砲は2回のはずが銃声は1回。
    そしてその後金庫室で見つかった看護婦。彼女はガスにより殺される寸前だった。
    犯行を見破ったと宣言した夫人が毒殺されるにいたり真相を見破ったヴァンスの仕掛けた罠。

    2009年2月19日再読

全5件中 1 - 5件を表示

ヴァン・ダインの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×