- Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488127121
作品紹介・あらすじ
嫌われ者のグレゴリー・マシューズが突然死を遂げた。すったもんだの末に検死を実施したところ、死因はニコチン中毒で、他殺だったことが判明。だが故人の部屋はすでに掃除されており、ろくに証拠は残っていなかった。おかげでハナサイド警視は、動機は山ほどあるのに、決め手がまったくない事件に挑むはめに…。巨匠セイヤーズが認めた実力派が、練りに練った傑作本格ミステリ。
感想・レビュー・書評
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ハナサイド警視シリーズ2作目。
家長であるグレゴリー・マシューズが突然死した!しかもどうやら他殺であるらしい…。一大事に親戚一同が大集合!となるわけですが、この一族みんながみんな個性的な上にとにかくしゃべる。
動機を持った怪しい容疑者達の不毛な会話がコントみたいでおもしろいです。
言いたい放題でやかましいマシューズ家の人々と、ハナサイド警視がうんざりしながら地道に捜査していく様子が笑えます。
強烈なキャラクターばかりのマシューズ家ですが、一番の注目人物はグレゴリーの甥であり相続人であるランドール青年。
曲者揃いのマシューズ家の面々の更に上をいく曲者で、警察さえも翻弄する不敵な態度はなんとも愉快。
「ハナサイド警視シリーズ」なのに、途中から誰が主人公なのか分からなくなりました。
登場人物達の会話とランドールの不可解な行動に惑わされて、犯人と殺害方法が巧みに隠されています。
端正な謎解きが楽しめ、登場人物達の掛け合いに笑い、可愛らしい素敵なロマンスまであって満足の1冊でした。 -
前作『紳士と月夜の晒し台』ファンの人は安心して今作もオススメ。あとはロマンス風味の小説、階上の人・階下の人がい出てくるイギリスの邸宅モノが好きな人にもオススメかな。
出てくるキャラクターがステレオタイプ的、でもきちんと描き分けられてて、それぞれが生き生きと作中で動いている。海外作品にありがちな登場人物の混乱が発生しないのも良い。
ひたすら、彼らが皮肉に満ちあふれた会話の応酬をしながら話を進めていくので、そこを喜劇として楽しめないと辛いかもしれないけど。
イギリスの風俗描写(女主人が屋敷を切り盛り、執事、朝の目覚めの紅茶をメイドが運んでくる、などなど)が生き生きと描かれてて、そっち方面を楽しむ読み方もできるかな。
『ハナサイド警視シリーズ』なのに、毎作こんなにないがしろにされる探偵役も珍しいよな。 -
資産家が毒殺された。同居している一族から嫌われていたため、容疑者は多い。当初、病死と思われており、ハナサイド警視到着時は現場は清掃された後だった。推理は一向に進まないが、鼻摘み者の遺産相続人の甥が、警察やクセ者揃いの一族を嫌味タップリかき乱す様が魅力的で飽きさせない。著者の真骨頂のオマケも有り。
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オースティンとはまるで違うと思う。
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2014年11月21日読了。
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前回の紳士と月夜の晒し台の、キャリントンが、でていたので、活躍するのかと、思ったら、飾りだった(笑)
こちらも、にぎやかな話だった。この作家は、ロマンス小説の作家かと思っていたら、しっかりした、推理小説だった。 -
ハナサイド警視シリーズ第2作目。
嫌われ者の家長が死に、検死の末に他殺だったことが判明。ハナサイド警視が捜査に当たるが部屋はすでに掃除されており証拠はまったく残っていなかった…
前作と同様、クセのある登場人物たちが大騒ぎを繰り広げて捜査陣を翻弄する。設定やストーリーはお屋敷に住む一族の殺人というステロタイプでも、この大騒ぎが楽しい。ラストのツンデレラブロマンス展開はさすがロマンス作家。
それにしてもハナサイド警視はそれなりに有能な捜査官だと思うのだが、主役にしては地味すぎでいいところを攫われる。そういうコンセプトのシリーズなのか…?