- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488135089
作品紹介・あらすじ
高校生のピップにある招待状が届いた。試験休み中、友人宅で架空の殺人の犯人当てゲームが開催されるという。舞台は1924年、孤島に建つ大富豪の館で、参加者は同級生とその兄の7人。開始早々に、館の主が心臓を刺されて死亡しているのが発見される。勉強が気になって乗り気ではなかったピップだが、次第にゲームにのめり込んでいき……。ピップの明快な推理を堪能できる、爽やかで楽しい『自由研究には向かない殺人』前日譚!
感想・レビュー・書評
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ピップと友人がマーダーミステリーパーティを開催!自由研究シリーズ前日譚 #受験生は謎解きに向かない
■あらすじ
試験が終わったピップと友人たちは、友人宅を占拠しての犯人当てゲームのパーティ開催していた。ひとりずつ役柄やセリフを与えられ、家でおこった殺人事件を解決していくゲームだ。手がかりが司会役から提示され、アリバイなどをみんなで確認していく。単なる遊びだったはずが、ピップはいつの間にかゲームに夢中になっていき…
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい!こんなマーダーミステリーやってみたいなぁ~
最近は脱出ゲームや推理ゲームのイベントが開催されてたりするので、料金を払えば楽しめるのもありますが、そうじゃないんですよね。仲の良い友人同士、美味しいピザを食べつつ、きゃっきゃゲームで大騒ぎする。しかも友人、男女の微妙な距離感を測りながら、休日をエンジョイする感じ。いいなぁ~、私もあの頃に戻りたい。
さて本作は大人気自由研究シリーズの前日譚、文庫160ページほどの短い中編です。にもかかわらず、謎解きとしては超ドエンタメに仕上がっていて、まったく一筋縄ではいきません。正直、もっと膨らませればそのまま長編にできるくらいの濃さで、ミステリー好きにはたまらない内容です。
まず、登場人物たちが挑戦する犯人当てゲームですが、この品質が高いんです。キャラの役柄、ゲーム展開していくため指示書、手がかりの出し方なんかがめっちゃ凝ってるのよ。まさに自分も参加してるような、ワクワクドキドキがたまらなく、自由研究1作目を思い出しちゃう。むしろゲームパッケージ化して、そのまま販売できるんじゃないでしょうか。
ゲーム真相、そして本作の結末としても、綺麗に仕上がってます。物語が収束していく感じ、やっぱりそうなりますよねっていう予定調和な感じが、むしろ大好きでした。
■ぜっさん推しポイント
本作は自由研究三部作を楽しんだ方へのボーナストラックのような作品です。作中に出てくる友人たちや、時折でてくる見覚えのある名前が懐かしい。この後、彼らがどうなるか知っているからこそ、この平和で温かい時間を見てると、心が浄化されていく感じがしましたね。
もちろん本書から読んでも問題ありませんが、まさかまだ本編三部作を読んでない方はいませんよね。きっとあなたの人生にワクワクをもたらしてくれる名作で、全三部作とも年間ランキングでもトップの実績があるミステリーですよ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いやー斬新なシステムやなー
大好きなラビィが出て来ないんで、★4までですが、うん面白い
三部作の前日譚なんですが、匂わせがたくさんあるので(もちろんその匂わせが本作の面白ポイントなんですが)前日譚だから!と本作から読み始めるのは絶対なしです
オチがすごい良かったですね
ヒップらしさが出てて、ちゃんと本編に繋がる感じ
前日譚としてかなり優秀
でもって読者参加型ストーリーもかなり優秀
って読者参加型ストーリーって何?(お前が言い出したんだろが!)-
2024/03/23
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2024/03/23
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私の中では、『自由研究〜』から始まる3部作は完結済と受け止めていたので、本作は正直今さら感がありました。でも、やっぱりピップが気になるんだなあ‥。あくまで続編ではなく第1作の前日譚ということで、読むことにしました。
物語は、ピップの友人宅で仮想殺人事件の犯人当てゲームをする展開です。招待状が届き、絶海孤島の屋敷や参加服装等の指定の他、配役や役柄、ブックレットが与えられるという、かなり凝ったマーダー・ミステリー・ゲームになっているようです。
実際の殺人事件は起きない平和的なゲームに、最初気乗りしなかったピップも、次第にのめり込んでいきます。
数多い情報を冷静に分析し、多角的に推理していくピップの観察眼や判断力を通した推理は、間違いなく3部作に相通じるものがあります。
それ故、最終ラウンドで全員の(誰が犯人かの)推理発表の段になって、ピップの推理とゲームの解答に齟齬が生じ、ピップは納得できないのでした。
150p程度の作品なので、友人たち個々の個性や心理描写も淡白に思えました。また、配役名も加わった複雑さ、各自の言動が役割指示だけのものか否かの曖昧さがあり、なかなか入り込めません。それでも、『自由研究〜』に自然につながる必然性を感じる終末は、納得です。
原題の「Kill Joy」は、文字通り"喜びを殺す"意から、楽しいことに水を差す人、場を白けさせる人を意味するようです。まさに、楽しいゲームが頭脳明晰ゆえにやらかしてしまった(ゲームの答えに異を唱えた)ピップ、ということでしょうか? 本作は好みが分かれるかも‥‥ -
『自由研究には向かない殺人』からはじまる三部作の番外編
『自由研究には向かない殺人』の前日譚にあたる本作は、友人宅で架空の殺人の犯人当てゲームが開催されるという内容
私的には、まぁ…(^.^;
またピップに会えたということで良しかなw-
--==≡≡(((*ノ≧∇≦)ノキャー♪
喝入れられた〜←喜んでるだけ笑
ちょうど今図書館本ないし、読むことにしました( ー̀֊ー́)و♡...--==≡≡(((*ノ≧∇≦)ノキャー♪
喝入れられた〜←喜んでるだけ笑
ちょうど今図書館本ないし、読むことにしました( ー̀֊ー́)و♡
卒業生、また分厚いな〜笑笑2024/04/22 -
2024/04/22
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2024/04/22
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物語がきれいに完結すればするほど、前日譚やエピソードゼロといった作品は読まないことが多いので、ピップ3部作のこの前日譚を読むかどうか、正直かなり迷った・・・。
ピップたち同級生6人は、試験終わりの息抜き的なゲームを行うことになった。
一風変わった推理ゲームで、孤島に建つ舘を舞台にした殺人事件の犯人を当てるというもの。
当初は乗り気でなかったピップだが、次第にゲームに夢中になっていく。
何だろうこの懐かしい感じ・・・。
もう絶対にこの頃には戻れないとわかっているので、楽しそうな6人とジェイミーを見ていて少し切なく感じてしまった。
まさに、「この瞬間があの展開に繋がったのか」といった作品で、3部作への話の運び方がとても自然だった。
普段は敬遠している前日譚だったが、この作品は読んで良かったと思う。 -
ピップ三部作のスピンオフ的な前日譚。
ASレベル(高校卒業及び大学受験資格)試験が終わり、その後の“EPQ(自由研究で得られる資格)”のテーマに悩むピップのもとに、友人・コナー宅で開催される、架空の殺人事件の犯人当てゲームへの招待状が届きます。
当初はゲームの参加に乗り気ではなかったピップですが、“殺された館の主の姪”という役に扮してゲームを進めていくうちに、次第に謎解きに夢中になっていき・・・。
まずは、ピップと再会できて嬉しい!の一言。
三部作では、思わぬダーク展開になっていってしまいましたが、こちらはまだピップが健全で、“自由研究”に手を付ける前の・・ある意味、その取っ掛かりになったともいえるストーリーです。
内容的には、実際に事件が起こる訳ではなく、“KillJoyGames”というマーダーミステリーゲームの設定内で起こった殺人事件を、参加メンバーが割り振られた役に扮して真相を追っていくものとなっております。
三部作では、SNS等の今どきツールを駆使して推理していたピップの姿が印象的でしたが、本書ではゲームの舞台が「1924年の大富豪の館での事件」という設定なので、事前にスマホは没収されている状態です。
ですので、参加者の会話や、館(コナーの家なのですが)内で見つけたヒント等をひたすらノートにメモしていくというアナログ推理になるのですが、これが却ってピップの頭の良さを引き立てている感じがしますね。
面白いのは、各自ゲームのブックレット(台本)の指示通りに行動(いかにも怪しげな行動でも)をする必要があるので自分の行動も予測つかず、さらには“もしかして自分が犯人なのか?”という事も含めたドキドキ感が楽しくて、自分もピップ達と一緒にゲームに参加しているような気分を味わいながら読みました。
時折、皆が“役”から“素”に戻る時もあり、無神経なアントが“アンディ・ベル事件”の件をいじったりして場をヒリつかせる場面では、思わずハッとさせられました。
さて、ピザを食べるのも忘れる程、謎解きにのめり込んでいたピップですが、そんな彼女の推理は“ゲームの筋書きを超える”程の出来栄えで、その後の三部作で見せてくれた観察眼や洞察力の片鱗がここで見られますね。
同時に、ピップの“没頭しすぎてしまう”危うさも仄めかされている印象です。
そして、ゲーム終了後ピップがカーラの父・エリオット(!)が運転する車の中での場面が何とも暗示的で、特にラストの1ページは、“すべてはここから始まった”のだな・・と、切なくも感慨深いものを感じました。
ところで、結局ピップはピザ食べなかったんですかね?残ったピザはレノルズ兄弟が美味しく頂いたのかな~・・と、どうでもええ事が気になった私でした~(;´∀`)-
あやごぜさん♪
三部作のダークな展開に読むの躊躇してたのですが、あやごぜさんのレビュー読む限り、明るく楽しいピップをまた見れそうですね!そ...あやごぜさん♪
三部作のダークな展開に読むの躊躇してたのですが、あやごぜさんのレビュー読む限り、明るく楽しいピップをまた見れそうですね!そして内容も謎解きゲーム的とのことで、割と気楽に楽しめそう。ちょっと探してみますね♪2024/03/07 -
111108さん。 コメントありがとうございます♪
そうですね!本書は“前日譚”ですので、まだピップが健全な頃のお話です♪
とはいえ...111108さん。 コメントありがとうございます♪
そうですね!本書は“前日譚”ですので、まだピップが健全な頃のお話です♪
とはいえ、“のめり込むと突っ走ってしまう危うさ”の片鱗も見えているのですけどね・・。
短くてサラっと読めちゃいますし、是非お手に取ってみて下さいませ~(*´▽`*)2024/03/08 -
たしかに!のめり込むと突っ走る危うさ、ピップらしいですね〜短めなのもいい!探してみますね♪たしかに!のめり込むと突っ走る危うさ、ピップらしいですね〜短めなのもいい!探してみますね♪2024/03/08
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高校生のピップに架空の殺人の犯人当てゲームの招待状が届いた。友人宅を孤島に建つ大富豪の館、時代は1924年と見立て、それぞれに割り振られた登場人物を演じつつ事件の謎を追う!
三部作で完結した『自由研究には向かない殺人』シリーズの前日譚。本編を読んでいなくても楽しめる。まだシリーズ未読の方は、160ページと短い作品なのでここから始めてもいいかも。ピップが友人・コナーからの招待で参加することになったマーダー・ミステリ・ゲーム。その舞台はミステリの王道!孤島に住む富豪レジナルド・レミーの七十四回目の誕生日を祝う会に招かれた家族たちと館の使用人に各自がなりきり、ブックレットの指示に沿って推理劇を繰り広げていく。
本編ではSNSを駆使した近代的な方法で謎を解き明かしていったピップだが、設定は1924年ということでスマホは没収。今回はその場の証言、手がかりを元に推理を構築していくのが逆に新鮮で楽しい。さらに、それぞれの役割についての情報はストーリーが進むごとに明かされていく。ピップ自身も自分が犯人かどうかわからない中で推理を進めなければならないというルールが面白い。自分のブックレットの中で開示された情報や指示は自分だけのもの。相手は何の情報を得て、どんな指示を受けたのか?という心理戦めいた部分もワクワクさせられた。実際のブックレットや手がかりが図として登場するのもいいよね。自分もピップ視点で参加している臨場感が味わえる。
ミステリとしての仕掛けも張り巡らされていて、かなり手が込んでいる。終盤にそれぞれの推理を披露するシーンはインパクト絶大だった。ピップが謎解きにのめり込んでいく姿を見ていると、これから始まる本編への橋渡しとして納得の物語だったし、ピップ自身が持つ鋭さと危うさが見事に表現されていた。 -
今まで海外の推理小説は読んでこなかったので、新鮮だった。しかも、こんなに薄い本にぎゅーっと詰め込まれたストーリーは見たことない。登場人物の推理は素晴らしい!学生時代に戻って、こんな推理ゲームをしてみたい!ただ、海外小説に慣れていないので人間関係を把握するのに苦労して、なんども配役を確認してしまった。
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またピップに会えるんだ☆
と物語の主人公に会いたくなり
発売日を心待ちにする感覚は人生で初めて!
それだけ読み応えのあった3部作の前日譚。
2024年の1冊目にしようと決めていた本。
この経験から全ては始まった。
所々あのピップの性格が垣間見れて嬉しくなる。
そして最後の解説がより理解を深めてくれて
また『自由研究』から読み返したくなる。
勇敢なピップが大好きで
ホリージャクソンのファンになったのは
翻訳者の服部京子さんあってだと心から思う。
次回作が待ち遠しい!