探偵レミングの災難 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488289058

作品紹介・あらすじ

犯人の逃走車両の前に思わず飛び出したのを集団自殺するネズミのようだと言われ、“レミング”と呼ばれる元刑事で現興信所の調査員ヴァリシュ。浮気調査で元教師の老人を尾行するが、目を離した一瞬の隙に、ターゲットが殺害されてしまう! 勝手に犯人捜しを始めるが、調査は順調なのに、仕事をクビになったり助けた巨大犬に部屋を荒らされたり、なぜか不憫な目にあうはめに。ドイツ推理作家協会賞新人賞受賞の軽快なミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 珍しいオーストリアのミステリ。
    レミングとあだ名される元警官が巻き込まれた事件は?

    警官時代に犯人を追いかけて夢中になり、犯人が乗った車の前に飛び出してしまった主人公。
    嫌味な上司に大笑いされ、集団自殺する性質があると言われる小動物「レミング」だと。
    この警部がパワハラ男で、それどころか延々サイテー野郎でい続けるのが迫力あり過ぎ(笑)
    でもこんなひどいの、実際にもいるんだゼっていうブラックジョーク的な?

    レミングはちょっとおっちょこちょいで不運だが、気は優しい。
    たまたま森の中で奇怪な跳ねまわり方をしている大型犬に出会い、電車で隣に乗ってまで家について来られてしまう。笑える映画みたいなシーンです。
    家の中でも吐きまくられる有様だが、後に飼い主の女性がわかり、大いに感謝されることに。彼女もいい人なんです。

    気のいい人間はえてして、強引な奴に振り回されたり虐げられたりする。
    けれども、何とかやり過ごせば、善良な人には理解者が現れ、愛に恵まれるのよ~!
    というヒューマニティ溢れる実は内容です。
    でもハッピーなほうの描写が少ないんだな。
    もっと書かないと(笑)
    皮肉な入り方なので、誰にでもおススメというわけにはいかないけど、短いので、オーストリアの珍品ユーモアミステリに興味ひかれた方はお試しを☆
    ドイツ推理作家協会賞新人賞を受賞しているそうです。

  •  車で逃走する犯人の前に飛び出した主人公。なにやら犯人が止まる確信があった。
     ボクは死にましぇん!
     
     それを見ていた相棒刑事、犯人のこめかみに鉛弾をくらわす。犯人お陀仏。人を殺しても良心の呵責をちっとも感じない相棒は、主人公にむかってあざけりの言葉を吐く。お前いかれてんのか!?

     集団で海に飛び込んで自殺するという、わけのわからぬ習性のあるネズミのレミングにちなんで、お前のあだ名はレミングだ!と相成り候。

     日本だったら間違いなく鉄矢となりそうだが、この小説の舞台はオーストリアなのでなりません。

     
     この小説、邦訳でよくわからない表現が多く、読みづらいのが難点。誰だこの訳者は?と巻末をみると『深海のYrr』を訳した人だった。自分の記憶を辿れば、あれは確か物語としてのポテンシャルにはすごいものを感じていたけれども訳がわかりづらくて、非常にイライラしながら読破した本だった。
     そうとわかれば意味の汲めない文章はとりあえず置いといて、ストーリーの筋だけを追えばいいと読み方を変えた。

     ストーリーとしてはわかりやすいというか、普通に面白い。最初に殺されてしまう老教師の過去を遡るうちにいろいろと訳ありなことが判明する。ミステリー好きには物足りないかもしれないが、大どんでん返しが嫌いな自分には、とてもありそうな結末で、納得のできる筋道だった。

     でもたぶん、この本の良さはレミングのキャラクターにあるのだと思うのだが、それが邦訳からはちっとも伝わってこない。たぶん本国の人が読んだらクスクス笑える個所が随所にあるのだと思う。相棒犬の行動も相当変なので、これはマスコット的な役割を担っているんだなとそれとなくわかる。

     でもなぁ、笑えないんだよな。

     TV番組の「イロモネア」で、笑いのツボにはまらず、クスリとも笑わないスタジオ観覧者になったような気分だった。

     第4弾まであるようだから、次の作品を読んだら、なんとなくツボがわかってくるのかもしれないとは期待している。映画だったら面白いかも。

  • オーストリアの作家「シュテファン・スルペツキ」の長篇ミステリ作品『探偵レミングの災難(原題:Der Fall Des Lemming)』を読みました。
    「アンドレアス・グルーバー」に続き、オーストリアミステリです。

    -----story-------------
    ドイツ推理作家協会賞新人賞受賞作

    「レオポルト・ヴァリシュ」、あだ名は“レミング”。
    刑事時代、犯人の逃走車輛の前に思わず飛び出したのを集団自殺するネズミのようだと言われ、以来その名前で呼ばれている。
    訳あって警察を辞め、現在は興信所の調査員だ。
    ある日、浮気調査で元教師を尾行中、目を離した一瞬の隙に彼が殺害されてしまい……。
    後先考えないお人よしの探偵が、事件の真相を求めてウィーンを駆ける!
    訳者あとがき=「北川和代」
    -----------------------

    2004年(平成16年)に刊行された作品で、ドイツ推理作家協会賞新人賞(フリートリヒ・グラウザー賞)を受賞… 2009年(平成21年)には映画化され、本書を含む「探偵レミング」シリーズは4作品が刊行されオーストリアやドイツ語圏で人気を博しているとの紹介だったので期待して読みました。


    犯人の逃走車両の前に思わず飛び出したのを集団自殺するネズミのようだと言われ、“レミング”と呼ばれる元刑事で現興信所の調査員「レオポルト・ヴァリシュ」… 浮気調査で元教師の老人を尾行するが、目を離した一瞬の隙に、ターゲットが殺害されてしまう、、、

    勝手に犯人捜しを始めるが、調査は順調なのに、仕事をクビになったり助けた巨大犬に部屋を荒らされたり、なぜか不憫な目にあうはめに……。


    後先考えないお人好しの探偵… 刑事時代、最低最悪の相棒に嫌気がさし、泥酔した結果自暴自棄になって町中を裸で走り回って懲戒免職になり、現在は興信所でしがない調査員の「探偵レミング」こと、「レオポルト・ヴァリシュ」に共感できるかどうかで大きく評価が変わりそうな作品でしたね、、、

    浮気調査中に殺人事件に巻き込まれ、集団自殺すると言われるネズミ(「探偵レミング」)と呼ばれるほどの後先考えない性格ゆえ、事件に深く足を突っ込んでいく… という序盤の展開は、期待感を抱かせる感じでしたが、その後のテンポの悪さからか、次々登場する殺された元ラテン語教師「フリートリヒ・グリンツィンガー」の教え子たちが、誰が誰だか判別がつきにくかったことからか、何だか作品に入り込めませんでしたね。

    主役の「探偵レミング」含め、登場人物に魅力を感じず、共感できる部分が少なかったからかなー 良さがわからず消化不良の作品でした。

  • 読み始めは、なかなかいい雰囲気だな、シリーズ物か楽しみー、と思ったが、自分の頭が悪いのか集中して読めないのか、全然頭に入って来ずに終わってしまった。最近読書熱が冷めてしまい、電車の中で本が読めなくて(文庫は通勤用)スランプだなー。

  • ウィーンが舞台のミステリー。主人公レミングと犬のカストロのからみが笑える。クロツニヒ警部は本当にイヤなやつ!

  • 探偵ものってことで読んでみたけど、合わなかった。いろいろあってさあこれから探すぞってことまてはよかったけど、それからは頭に入らなかった。翻訳ものにはありがち。

  • びっくりするほど陰気。ウイーンの街は大好きだし、大観覧車にも乗ったけど、この小説に魅力は見つけられなかった。差別発言も許容範囲を超えていて不快、次作以降はパス。

  • うーん、、よく分かんね。

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