柳生十兵衛秘剣考 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488412128

作品紹介・あらすじ

女だてらに武の道を選んだ毛利玄達は、男装し諸国をめぐっている。同じく放浪を続ける腐れ縁の柳生十兵衛に、何かとちょっかいを出されつつも研鑽に励んでいる。ある時"卜伝"と名乗る人物に出会い、そのふるまいに感銘を受けるが、十兵衛によると、彼には見過ごせぬ裏がありそうで…。隻眼の剣豪、女武者と共に謎に挑む!期待の新鋭の放つ、傑作書き下ろし時代ミステリ短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 手裏剣を武器にする女武者毛利玄達と柳生十兵衛が剣豪達の有名なエピソードの真相を紐解いていくミステリー。
    玄達がワトソン、十兵衛がホームズ役。

    毛利玄達が美人で強気で、でも十兵衛には散々からかわれてかわいい。
    思わず「玄達ちゃん」と呼んでしまいたいほど可愛い。

    玄達をこの本で初めて知ってしまったので、あとで昔の劇画での完全なおじさん状態の毛利玄達を見て
    「玄達ちゃんはこんなおっさんじゃない……」
    と思ってしまいました。おっさんの方が正解なんですけどね。

  • 柳生十兵衛と題されてはいますが、毛利玄達が主人公の連作短編。互いに戦ったことのある二人、これがきっかけで無二の親友になるかと思いきや、玄達にとっては甚だ迷惑な男、十兵衛。変わり種のホームズ&ワトソンか。
    剣豪達の数々の謎を解くミステリ時代小説ですね。

  • 柳生十兵衛を探偵役とした剣豪小説+ミステリの短編集。
    十兵衛と男装の女剣士、毛利玄達が諸国を巡りながら出会った謎を解く。この謎が名だたる剣豪や剣術にまつわるものなので、その手の知識があればもっと楽しめたかもしれないが、なくても十分面白かった。
    十兵衛については時代劇で色々見たので生い立ちなどけっこう知っていたが、盗賊を返り討ちにして十二人斬りというエピソードは知らなかった。この事件を取り上げた「新陰流"月影"」が個人的にはベスト。

  • ホームズな柳生十兵衛とワトソンな毛利玄達!ぶっとんだ設定で初めに聞いたときは思わず笑ってしまいましたが、結論、なかなかに良い目の付け所だったのでは。
    コンビのキャラクターが楽しくてかっこ良くて◎。無手勝流の塚原卜伝、十兵衛の十二人斬りの真実…謎を解き明かしていく時代ミステリとしても好みの作品でした。結構“本格”っぽいネタがもりもりだったしw
    続編を読みたいなー。

  • これは面白い。特に「真陰流“八寸ののべがね”」と「新陰流“月影”」は秀逸

  • なかなかいいですね。
    時代ミステリーで物語に謎を絡ませる。いいですね。

  • 柳生十兵衛を主人公とした推理小説。
    主な推理内容が剣術やら剣豪の行動やらに直接絡んでいるのが珍しいところですね。
    そんなに凝った内容ではないのですが、巻末の「新陰流”月影”」が工夫があって楽しかったです。
    ものによっては、普通の時代小説に見える話もあるし、読者を選ぶ本だとは思いました。

  • 柳生十兵衛と男装の女剣士・毛利玄達を探偵役とした連作時代ミステリ。十兵衛、玄達を始めとして卜伝、武蔵……と名だたる剣豪たちのエピソードや、その”秘剣”にまつわる謎をあくまでもミステリとして処理する手腕が素晴らしい。
    「深甚流"水鏡"」と「新陰流”月影”」がお気に入り。

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著者プロフィール

1975年京都府生まれ。立命館大学卒。2005年、綾辻行人・有栖川有栖両氏に絶賛され、短編「漂流巌流島」で第2回ミステリーズ!新人賞を受賞しデビュー。文芸社からは『浮世絵師の遊戯 新説 東洲斎写楽』、『近江屋 一八六七年』を刊行。その他の著書に『名刀月影伝』(KADOKAWA)、『妖曲羅生門 御堂関白陰陽記』(光文社)、『京都東山 美術館と夜のアート』(東京創元社)などがある。

「2021年 『【文芸社文庫】 新説 東洲斎写楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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